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韓国初の「量子通信」…成功したが政府開発予算「ゼロ」


  • 韓国初の「量子通信」…成功したが政府開発予算「ゼロ」
  • ハン・サンウクKIST研究員が量子を生成して送信できる機器の前で無線量子通信について説明している。 写真提供= KIST



中国や米国、ドイツなどがハッキング不可能な量子通信の開発のために熾烈な競争を繰り広げている中で、韓国でも無線量子通信に初めて成功した。まだ短距離の水準だが、本格的な量子通信競争に飛び込むことができる基盤を整えたわけだ。ただ、政府が経済性不足を理由に量子通信に対する研究開発予算の投入を今日明日と延ばしており、開発技術が遅れるだろうという懸念が高まっている。

韓国科学技術研究院(KIST)と韓国電子通信研究院(ETRI)などの共同研究グループは4日、京畿道水原市に所在する韓国ナノ技術院で50メートルの距離で無線量子通信の送受信に成功したと明らかにした。
研究者はナノ技術院1階にレーザー4基で構成される量子送信機を作った後、2ナノ秒(ナノ秒は10億分の1秒)ごとにレーザーを発射した。 2ナノ秒の間に発射されるレーザーは、光の粒である「光子」が1つ含まれている。研究者はこの光子に「0」と「1」という情報を入れて送信し、50メートルの距離に離れていた受信機がこれを確認した。KIST量子情報研究チームのハン・サンウク研究員は、「国内での無線量子通信に成功したのは今回が初めて」だと強調した。

量子通信は光子に情報を入れて送信する技術をいう。量子暗号はランダムに生成されて、一度だけ読み取ることができ、これを共有する送信者と受信者のみ情報を読み取ることができる。もし途中で誰かが量子情報のハッキングをしようとすると情報が壊れるので、盗聴や傍受ば不可能だ。このような特徴のために、両者の通信は複製・盗聴が基本的に不可能な次世代通信技術としてあげられている。このことが先進国を中心に、金融・軍事などの分野に量子通信を使用しようとする背景だ。しかし、韓国の今年の無線量子通信分野に対する政府の開発予算はまさに「0」ウォンだ。

昨年末に成功した無線量子通信の研究も、KISTとETRIの独自研究費の30億ウォンを投入したものだ。短い距離の無線量子通信に成功した後、器具を浮かべるなどの方式を応用して、さらに距離を増やして行くわけだが、これも開始すらできずにいる。ある研究員は「量子通信技術は第4次産業革命の時代にますます重要な技術となっている」とし、「セキュリティ技術を先進国から輸入するのも容易ではないだけでなく、技術依存を防ぐためにも研究できる環境が必要だ」と強調した。

中国は2020年に世界最大の量子研究所の建設に13兆ウォンを投資する。
  • 毎日経済_ウォンホソプ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-02-07 20:44:54




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