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サムスン電子「超格差」…DRAM技術の限界また超える

第3世代10ナノDRAMの開発で「超格差」強化 

  • サムスン電子「超格差」…DRAM技術の限界また超える

サムスン電子は世界で最初に「第3世代10ナノ級(1z)8ギガビット(Gb)DDR4 DRAM」を開発することに成功した。2017年11月に第2世代10ナノメートル級(1y)DRAMの量産に突入してから16ヶ月ぶりだ。技術開発で主導的地位を強固にし、後発走者と「超格差」をさらに広げたわけだ。

21日、サムスン電子は「第3世代の10ナノ級8Gb DDR4 DRAMを開発した」とし、「今年の下半期に製品の量産に突入する」と明らかにした。DRAMは回路の線幅が細いほど、より小さくて集積度が高くなる。 10ナノメートルは10億分の1メートルを意味し、半導体業界では半導体の集積度は10ナノメートル台に進入しつつ、技術開発の限界にぶつかったという評価が出てきたことがある。しかし今回の製品は0ナノメートル台半ば級とされる。従来のエックス(x)とワイ(y)が10ナノメートル級後半の製品であったとするならば、今回のゼット(z)製品は10ナノメートル級中盤まで線幅を細くして、集積度を業界最大レベルに引き上げたわけだ。

特に今回のDRAMは超高価な極紫外線(EUV)露光装置を使用せずに、これまでの10ナノ級DRAMよりもウェハあたりのチップの生産性を20%高めた。また処理速度を高めて、電力効率も改善されたということがサムスン電子側の説明だ。

これと同時に、サムスン電子は第3世代の10ナノ級DRAMベースのPC用DDR4モジュールで、グローバルなCPUメーカーのすべての評価項目で承認を完了した。本格的にグローバル情報技術(IT)の顧客需要を拡大していくことができる足場を同時に整えたわけだ。

サムスン電子は今年の下半期には製品を量産し、来年にはパフォーマンスと容量を同時に高めたDDR5、LPDDR5などの次世代DRAMを本格的に供給するという計画だ。

イ・ヂョンベ サムスン電子メモリー事業部担当副社長は、「マイクロプロセスの限界を克服した革新的なD-RAM技術開発で、高速・低消費電力の次世代ラインナップを適期に発売することになった」とし、「今後はプレミアムDRAMラインナップを継続的に増やして、プレミアムメモリー市場を成長させるところに寄与していく」と説明した。

サムスン電子は顧客社のニーズを反映して、京畿道の平沢にある最新DRAM生産ラインでは主力製品の生産比率を拡大していると説明した。特に来年は次世代のプレミアムDRAMの需要拡大を反映して、平沢の生産ラインに安定した量産体制を構築することにした。

サムスン電子は半導体の景気鈍化の中でも絶え間ない革新的な技術開発で、後発走者との「超格差」を得るという方針だ。これに関連し、金奇南(キム・ギナム)サムスン電子DS部門副会長は20日の株主総会で、「今年は経営環境の不確実性の増大、スマートフォン市場の成長鈍化、データセンター業者の投資縮小などで困難な一年になると予想される」と言いながらも、「しかし5G・人工知能(AI)・データセンター・車両用半導体などの4大新成長分野の需要は継続して増加しており、危機の中でもチャンスは存在すると予想している」と強調した。

続いてキム副会長は、「尖端プロセスを基盤に差別化された製品と品質の優位性を維持し、市場のリーダーシップをさらに強化していく計画」だとし、「市況の変化にも揺れない根源的な競争力を強化し、信頼できる経営を通じて超一流のビジネスシステムを構築する計画」だと強調した。サムスン電子はこのために、メモリのプロセスでは第3世代の10ナノ級DRAMとともに、革新的なV NAND型の開発で格差を拡大する一方で、高いデータレートを示す高帯域幅のメモリ(HBM)など差別化された製品を開発する方針だ。

また、サムスン電子はファウンドリ(受託生産)の場合、EUVを適用した7ナノメートル製品の量産などを通じて顧客を多様化する予定だ。システムLSIは5Gモデムの商用化に合わせて、システム・オン・チップ(SoC)の競争力を高める計画だ。
  • 毎日経済_キム・ギュシク記者/イ・サンドク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-03-21 17:18:44




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