Q.外国人に読んでほしい韓国の小説(上):趙廷來と朴景利

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A. ピーター・ボクスオールが編纂した『死ぬまでに必ず読むべき1001冊の本』は韓国人だけでなく、読書が好きな全世界の人が参考にできる有用な本です。この本に紹介された1001冊の小説の中に韓国の小説家の作品はあまりありません。

この本に紹介された韓国の小説は趙廷来(チョ・ジョンレ)の『太白山脈』と朴景利(パク・キョンリ)の『土地』です。

趙廷来の『太白山脈』は彼が書いた『アリラン』、『漢江』と一緒に韓国の近・現代史を網羅する3部作で、執筆順では1番目の、時代的には2番目に該当する作品です。アリランは韓半島(朝鮮半島)から日本に米を乗せて運んでいた港湾都市、群山から始まり、日帝時代(日本統治時代)の韓民族(朝鮮民族)の受難史を描いた小説です。

1998年から2年間ハンギョレ新聞に連載された『漢江』は韓国戦争以降、暴力的な政治権力が行った不正とこれに抵抗する民衆の成長を語っています。『太白山脈』は1983年から89年までの6年間、「現代文学」などで連載された小説で、1948年から韓国戦争(朝鮮戦争)が終わるまでの韓半島の南側で活動したパルチザンを介して左右の葛藤を描いた小説です。

作家の趙廷来自身がパルチザン活動の中心であった場所の僧侶の息子として生まれ、作中で貧しい小作人の味方に付きながら左翼として追い込まれて苦難に遭う僧侶の話は父親を描いたように見えます。『太白山脈』は単行本として出た後、500万部以上売れましたが、作家は脅迫電話に悩まされました。

第4部を書いていた1989年には捜査機関が来社するという噂が聞こえ、警察が出版社のオフィスに訪ねてきたりもしました。検察は1992年に「小説『太白山脈』は明らかに問題があるものの、あまりにも多く売れている本を法で問題視するのは適切でないと判断した」とし「一般教養として読めばいいが、大学生や労働者が読むのであれば利敵な表現物を耽読した罪で法により措置する」という但し書きを付けたりしました。

趙廷来の3部作のうち『太白山脈』は1994年にイム・グォンテク監督の映画としても作られ、また、テレビ局のPDたちがドラマとして作りたい小説でもあります。

朴景利(パク・ギョンリ)の『土地』は大地主の崔氏の家の没落と回復の過程を描いた物語です。家を受け継いだヒロインと狡猾な家の大人たちなど、各界各層の人物が登場して時代を描いています。映画とテレビドラマとして作られ、英語とフランス語、日本語への翻訳がされたため東京の書店でも入手できるでしょう。

趙廷来と朴景利の作品は苦しかった時期、韓国人が歩いてきた跡を探しながら、今日の日韓関係の根底を掴むのに役立つことでしょう。しかし、ページ数が少なくないという欠点を無視することはできません。似たような文脈の小説で崔明姬(チェ・ミョンフイ)の『ホンブル(魂火)』も挙げられますが、こちらは1930年代に没落していく両班の嫁3代の話です。
  • Lim, Chul
  • 入力 2015-02-09 09:00:00

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