Q.「私を殺して」というお願いを聞いてあげることも請負殺人なんですか?

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A. がんによって余命宣告を受けた人たち。家が裕福であればまだいいのですが、生活苦に追われているとしたら、鎮痛剤すらも満足に処方を受けることが難しくなります。瞬間ごとに襲い掛かって来る死の苦痛、自分のせいで犠牲になっている家族に対する申し訳なさ、何カ月、いや何日間だけ長く生きたからと何の意味があるのだろう。むしろ死んでしまいたい。

うんざりするこの世の暮らしを終わらせたいとお願いをされます。話す力がなければ、目で訴えて来ます。家族はその目から顔をそむけます。一日だけ、いや、数時間でも長生きしてほしい。しかし、苦痛に耐えきれず泣き叫ぶ声に心が弱くなり、患者の要求を聞いてあげる人もいます。

「囑託承諾殺人」

韓国の刑法252条は、人の嘱託または承諾を受けて相手を殺害した人は1年以上10年以下の懲役に処すると規定しています。人を教唆またはほう助して自殺させるよういする人も同じような刑に処せられます。

殺人罪が5年以上の懲役から死刑、尊属殺害が7年以上の懲役から死刑まで受けるのに比べると、刑罰が軽い方です。英国と米国は嘱託殺人も一般殺人と同じように取り扱いますが、ドイツやスイスなど、大陸法の体系を選択した国では嘱託を受けて殺人を行う場合には罪を軽減してあげたりもします。日本も大陸法体系に従っています。

韓国で嘱託殺人が頻繁に起こるわけではありません。生活苦や慢性疾患に苦しむ余り、「死にたい」という言葉を言い続けても、実際に死を前にしても超然とした態度をとることは難しいものです。苦痛に襲われて断末魔の悲鳴を上げながらも、命に対する希望を捨てることは簡単ではありません。

二つの似ている事件を紹介します。

去る2010年10月に起きた事件です。女子大生のチェさん姉妹は両親が離婚した後、母親と一緒に暮らしていました。母親が脳がんの判定を受けてから、不幸が襲い掛かりました。闘病生活が3年間続き、ためておいたお金も底をつくと、治療費を準備するために2人の姉妹も学校をやめてアルバイトを始めました。母親を生かすために、一日でも一緒にいるために一生懸命に暮らしました。

母親はそのような娘たちを見ながら可哀そうだとばかり思いました。病状は悪化し、苦痛にもがいていた母親が「お願いだから殺してくれ」と声を上げて泣きました。母親を看護していた姉が母親の首を絞めて殺しました。彼女は母親の遺体の横でナイフで手首を切り、一緒に命を絶とうとしました。遅れて家に帰ってきた妹は、恐ろしい状況を見ることになりました。病院に緊急で運ばれた姉はかろうじて命を取り留めました。

事件を調査した警察の目から見ても、姉妹の境遇はあまりにも可哀そうでした。警察は書類送検で検察に事件を渡し、担当検事は起訴猶予処分を下しました。

2013年9月に同じような事件が起きました。

脳腫瘍末期患者の父親を看護していた20代の男性イさんが家族が見ている前で父親の首を絞めて殺しました。家族たちは揃って「父親が死にたがっていた」と主張しました。

亡くなったイさんの父親が病院で「長くても8カ月」という余命宣告を受けたことは事実でした。その後、入院治療をせずに家で薬物治療だけを行いながら酷い痛みに苦しむことになります。家族は揃って「父親の苦痛を減らすために避けることのできない選択だった」と主張しましたが、警察は家族の主張を受け入れませんでした。

むすこは父親を殺した尊属殺人の嫌疑で拘束され、現場に一緒にいた姉と母親も殺人の嫌疑で立件されました。

期限付きの人生だという点も同じで、遺書を残していないという点も似ています。しかし、一方は起訴すらもされない反面、もう一つの事件の当事者は尊属殺人という重い刑罰を受けることになりました。なぜ、異なるのでしょうか。

捜査官が見た時、殺人の意図が違ったのです。女子大生は母親の苦痛を減らすために自分に出来ることは母親の願いを聞いてあげることだけだと考えて、母親を殺した後に自分も母親の後を追おうとしたと判断しました。しかし、20代の男性が父親を殺した意図は自分が背負った荷を軽くするために、その道を選択したと判断したのです。殺害の意図があったと考えたのです。

2012年、妻を殺害した嫌疑で懲役6年の刑を宣告された60代のパク氏の事例を見ると、殺害の意図を把握しやすくなるはずです。

パク氏は妻が2億の借金を抱えているという事実を知りました。借金に苦しんでいた妻の状況が哀れみ、借金を返済してあげましたが、後に債務が6億ウォン以上もあるということを知ることになります。返してあげたくても、その能力がありませんでした。

夫婦は「むしろ死んでしまおう」と合意して家を出ました。何カ月か全国各地をさまよいましたが、自殺する決意は出来ませんでした。夫婦は家に帰ることにします。家に帰る途中、天安のモーテルに滞在していた妻がトイレで自殺を試みて、もがいている姿を発見しました。パク氏は119に通報する代わりに、妻を凶器で3回刺し殺しました。

パク氏は国民参与裁判にかけられました。陪審員7人中2人が嘱託殺人を認定しましたが、残りの陪審員は自殺を試みた妻の決心を固めてあげたというよりは、借金を背負って自分を苦しめた妻を殺したい気持ちが強かったと判断しました。パク氏は結局、6年の宣告を受けました。

「死にたい、死にそうだ」と口癖のように言う韓国人は多くいます。恋人と別れた2時間後には「会いたくて死にそう」だったり、面白い話に腹を抱えて笑い「死にそう」と転がることもあります。だからといって、人生をそこで終えたいという意味では決してないはずです。

しかし、暮らしがギリギリで、本当に人生を終わらせたい人が増えている現象を見たりもします。一人では難しいから、同じ気持ちの人を探すのです。このような人をどこで探せばいいのでしょうか。以前にはなかなか見つかりませんでした。しかし、サイバーの世界が開いてからは、自殺サイトという「死の門」が開きました。自殺サイトについての話は、次回にしたいと思います。
  • Lim, Chul
  • 入力 2016-04-08 00:00:00

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