Q.韓国で人気の声優を教えてください。(上)

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A. 韓国の声優の私生活をこっそり覗いてみると、少し興味深い部分があります。声優同士の夫婦はたくさんいるのですが、子供まで親の職業を継ぐ声優一家はあまりないという事実です。

ずいぶんと昔のことにまでさかのぼると、東亜放送に声優1期で入社したパク・ウン - チャン・ミジャ夫婦が縁を結んだのに続き、およそ30組以上の声優夫婦がいます。1957年生まれの同い年の声優カップルだったチャン・セジュン - チョン・ギョンエ夫婦は、1997年8月6日、夏の休暇にグアムに行った際、KAL 801便旅客機が墜落して一家全員が命を失いました。

妻のチョン・ギョンエは当時、日本のアニメ『魔法騎士レイアース』にキャスティングされた状態でしたが、放送審議が遅れて放映が遅れ、家族旅行をすることにしました。当初の放映予定日が8月6日でしたから、スケジュール通りに進められていたらと考えると、あまりにも切ないです。

二世まで声優をしている家族は片手の指で挙げても十分な程です。声優同士が夫婦の縁をよく結びますが、後代まで仕事が続かないところを見ると、声優たちは子供たちにあまり勧めたくないのかもしれません。

実際に、その理由もあることでしょう。声で演じる声優は芸能界の周辺を回りますが、はっきりと芸能人と呼ぶことができません。ときにはコメディアンにも無視されるため、お互いを慰めながら夫婦の縁を結ぶのかもしれません。

ドラマや映画に出演する俳優たちがアニメ、ドキュメンタリー、外国映画で声の演技をすることも珍しくない米国やヨーロッパとは違って、韓国と日本には声優という専門的な職業が存在します。生まれつきの才能や血のにじむ訓練を受けなければ難しい、なりたいからと誰でもなることのできる領域ではないということでしょう。

韓国の声優はこのように主張したがることでしょう。俳優やアイドル歌手、さらにはコメディアンまで声優の仕事を横取りしようとするからです。放送局や制作会社も、できれば大衆によく知られているスターをキャスティングしたいはずです。

声優としては当然嫌がります。韓国で現在活動中の声優もすごく多くて、700人を超えます。そして、毎年、その数が増えています。日本のアニメ、アメリカのドラマ、NHKやBBCのドキュメンタリー、ここにゲームまで加わり、仕事が増加しているのですが、だからといって、すべての声優に十分な仕事が与えられるわけでもありません。

日本の声優はどうか分かりませんが、韓国の声優の出演料は非常に少ないです。ドラマに出演する俳優たちは厳格な等級制で自分にふさわしい出演料を受け取りますが、声優の適切な等級分けをする放送局はありまりありません。一時は、AとBの2つだけの評価が実施されていましたが、Aランクはキャリア10年以上、Bランクは10年未満という基準でした。声が良く、演技力がすぐれていても、キャリアを満たさなければBランクの人生になってしまうわけです。

そうなると、声がかれるほどに苦労したBランクの主演声優がセリフの少ないAランクの助演に比べて出演料を少なく受け取るという笑えないケースも生まれます。

このような不合理な点を直すため、声優協会が乗り出しましたが、力不足だったのか失敗してしまいました。制作費を節約したい放送局にも問題がありますが、声優もそれぞれの利害関係があるため、大きな声を出せなかったせいもあります。声一つで生計を立てる声優たちが自分たちの将来に対しては声を出さないということです。実情がこうでるため、韓国の声優の利益団体である韓国声優協会は「大韓民国で自分たちの生計手段も守れない、最も力のない協会」と言われています。

それでも韓国で声優として活動するには声優協会の会員になる必要があります。会員資格はKBSとEBS、CJ E&M(トゥニバース)、テウォンメディアなどで実施する公開採用に合格した後、2~3年ほどの専属期間を経れば与えられます。会員になると放送局とは関係なく、フリーランスで働くことができます。

声優を選抜する時期は放送局ごとに異なり、通常1~3年周期で、KBSとテウォンメディアは10~11月、EBSとトゥーニバースは2~3月に試験を行います。競争率は少し高い方です。男性より女性の競争率が高い方なのですが、すごいときは300対1を超えるそうです。このため、専門学校に行って勉強しなくてはいけません。KBSの声優アカデミーをはじめ、ソウルに声優の学校が集まっていますが、授業料は週1~2回の授業で月30万ウォン程度。早目に声優を目指すことにした高校生であれば、負担になる額です。

専門の学校を経て放送局の公開採用に合格した後、フリーランスになるというのが韓国の声優の最も基本的なパターンです。日本の声優が所属事務所を持ち活動していることとは違い、韓国の声優はほとんど放送局にしばられています。フリーランスとして活動しても、実際には、ある放送局で専属のように仕事をする場合が多いです。放送局としては、放送局つきの声優のほうがこき使いやすくなりますから、専属の声優に仕事を集中させる傾向があるからです。

それでも最近では韓国にも声優を好きなファン、いわゆる「ソンドク(声優おたく)」が登場する傾向にあります。問題は声優本人がファンを負担に思っているという点です。厚いファン層を誇るからとギャラが上がるわけでもなく、かといっ広告が入ってくるわけでもありません。何よりも、外でファンに会っても、自分を知らないという点があります。

せっかくファンと会ったとしても「あれ、こんな人だったのか、想像とは違うな」という反応を見たら、どんな気持ちになるでしょうか。最初から「ファンミーティング」なんて考えもつきません。

人気の声優、ファンが集まる声優については、次回に紹介します。
  • Lim, Chul
  • 入力 2016-09-16 00:00:00

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