解説 | ハングル:잉여라인 ハングル発音:インヨライン 意味:自分の役割を果たせない人(選手)で構成されたライン(チーム) 解説: 自分の役割を果たせない人(選手)で構成されたライン(チーム)。ゲームで主に使われる。野球とサッカーなどスポーツ分野にも拡大された。 春秋戦国時代、斉にチョンギ(田忌)という将軍がいた。 賭け事が大好きだったが、毎度負けてお金を失っていた。 主に賭けた競技は、4頭の馬が引っ張る戦車を一組とし、3組の戦車で2回以上勝った者が勝利する多戦制の戦車競走となった。 チョンギが馬を何頭か買った後、斉の王が勝負をしようと提案した。 自分の馬より王の馬が優れていたため、競っても負けるのは明らかだったが、王の言葉に逆らうのが容易ではなく結局承諾してしまった。 当時、チョンギ将軍のそばには、魏から九死に一生で逃げてきた食客、ソンビン(孫臏)がいた。有名な『孫子兵法』の創始者、ソンム(孫武)の子孫だ。 ソンビンはチョンギの立場を不憫に思い必勝戦略を提示してくれる。 最も遅い戦車を相手の一番速い戦車と競わせ、一番速い戦車は相手の二番目の戦車と、二番目に速い戦車は相手の一番遅い戦車と対決させるという戦略だ。3対1の勝利の必勝戦略で「三駟法」と呼ばれる。 一番遅い戦車は相手の天下無敵と競って痛快に負けるが、顔に笑顔の花が咲き乱れるだろう。チームの戦略が見事に通じたから。 三駟法はeスポーツと囲碁などの分野でチーム対決に有用に使われる。 ただ、相手がどの選手を先に立たせるか腹心を見極めるのは容易ではないだろう。 三駟法を基準にすれば、インヨラインはどうせ負けるライン(チーム、選手)だ。以前スタークラフトのプロリーグが開かれる時、出場義務制で必敗ラインを構成するしかなかった。どうせ負けるはずだから、1ゲーム譲るために動員される選手となる。 サッカー、野球、バスケットボール、バレーボールなど各種スポーツにもインヨラインがある。 野球を例にとると、7回裏に17対0で負けているが、必勝組に属した選手を起用する理由はない。どうせ勝つことが難しいゲーム、次回になるまで出場できなかった候補選手、スランプに陥って抜け出せない選手を起用することになる。 そうしているうちにインヨラインが力を出し、ゲームを逆転させたら…。 世の中にそれより嬉しいことがどこにあるだろうか? |