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貸金庫ひとつで3億ウォン保管…銀行は「貸金庫」争奪戦

5万ウォン札のおかげで…「身代」上がった貸金庫 

    • < 主要な銀行の貸金庫 >

    #ソウル市中区乙支路(ウルチロ)のある都市銀行のPB店舗には、資産家が愛用する貸金庫が900ほど用意されている。顧客が訪ねてくると銀行の従業員が簡単に身分を確認した後、相談窓口の裏側にある金庫のドアの前に案内する。

    ここで顧客がモニター画面に自分の固有番号とパスワードを入力するやいなや、最初のドアが開く。顧客は自分の貸金庫のあるA号室に移動し、鍵で直接金庫を開ける。従業員は最初のドアの前まで案内して席に戻るため、顧客が貸金庫で何をするかを知る者は誰もいない。

    監視カメラ(CCTV)も設置されていないこの部屋には、400あまりの引き出し型の金庫が両方の壁面をいっぱいに満たしている。小さなペンとメモ用紙が置かれた机があり、鉄製のはしごもあって、天井の高さにある金庫を顧客が直接開くことができる。顧客は自分の横30センチ、縦50センチ、深さ15センチの大きさの金庫を取り出して、持ってきた現金と貴金属を保管する。

    最も小さいサイズに属する金庫でも、5万ウォン札100枚の束(500万ウォン)が60も入る。正確に3億ウォンまで保管できるということだ。 A号室を利用する際は、他の顧客は入ることができない。待機は銀行の従業員の指示に従って、外で待たなければならない。顧客は机に座って文書に手入れすることができ、自分の資産を確認することができる。金庫はそれぞれ堅く閉じられており、その中に何が入っているかは顧客本人だけが知っている。大きさもまちまちだ。縦と横のサイズはすべて同じだが、深さは異なっている。銀行の関係者は、「火災などの災害が発生してもびくともしない耐震・耐火設計がされており、安全性を保証できる」とした。

    映画の中などで見ることのあった、銀行の貸金庫を求める資産家が大幅に増えている。自分が持っている財産のうちで価値が大きく変わるようなことのない、いわゆる「安全資産」を貸金庫に埋めておく資産家たちが最近増えているという話だ。ソウル市江南所在の市中銀行の支店長は29日、「息子や妻も知らないうちに現金の束を積んで老後に備える者がいるかと思えば、脱税を目的として少しずつ現金化した金を入れておく場合もある」とした。

    貸金庫を利用する顧客が増えるやいなや、各銀行は金庫を競争して増やしている。

    IBK企業銀行は2011年に3万4000個だった金庫全体の数が、昨年末には4万にまで増えた。新韓銀行も2013年は9万8000個だった金庫の数が2015年には11万9000個に、2年のあいだに2万個以上増えた。

    とは言え、場所と設置費用のために無制限に増やすことはできず、顧客間で貸金庫利用のための争奪戦も行われている。ある都市銀行の支店長は、「支店の空間が狭く、100個未満の貸金庫を運営する状況なので利用率は100%に近い」とし、「最近は支店との取引金額などを考慮して、優秀顧客を中心に割り当てており、取引実績の落ちるお客様には丁寧に他の方に貸金庫を譲ってほしいとお願いするのが実情」だと明らかにした。
  • 毎日経済_イ・サンドク記者/パク・チュンヒョン記者/キム・ドクシク記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-01-29 20:01:46