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不況でもプレミアム香水ブーム…30万ウォン超える高級ブランドが30%以上成長

    最近、景気の低迷にもかかわらず、プレミアム香水に対する関心が大きくなっている。大衆的だったり、無難な香水ではなく、自分だけのユニークな香りを欲しがる消費者が多くなり、一般的な製品よりも2~3倍の高い価格にも、羽が生えたように売れていく。「香り=アイデンティティ」という認識が拡散し、個性を表現できる「ニッチ香水」が主流となる雰囲気だ。

    最近の国内香水市場のトレンドは大きく3つに圧縮される。個人化(細分化)、高級化、中性化だ。ブランドの代わりに香りそのものを求めて購入し、好みにあえば30万ウォン以上の高価な製品もいとわず、男女の香水の境界があやふやになる傾向だ。

    これまで、国内香水市場の強者はシャネル、グッチなどの海外ラグジュアリーブランドだった。香水そのものの香りよりも「高級」ブランドを追いかけて購入する消費者が多かったからだ。最近は変わった。ここ2~3年で、ソウルの梨泰院(イテウォン)と狎鴎亭(アックジョン)には、プレミアム香水のセレクトショップが数十軒も登場した。アモーレパシフィックと新世界インターナショナルも去る2011年と2014年にそれぞれ高級輸入香水ブランドのAnnick GoutalとBYREDO、La Perva(輸入香水のセレクトショップ)などを買収して香水市場に飛び込んだ。消費者の好みがだんだんと細分化しており、誰もが使うようなありきたりの香水では個性を表現したがる欲求を満足させることができないと判断したからだ。梨泰院にあるニッチ香水セレクトショップの関係者は「消費者が以前にはブランドを決めて訪れていたが、最近では自分の好みを正確に把握して来店する。海外旅行に行って試した香水を国内で探す人も少なくない」と伝えた。

    好みにさえあえば、価格の負担はこれ以上問題にならない。国内香水市場の主力製品の価格帯は5万~10万ウォン台、高くても20万ウォンを超えなかった。最近は20万ウォン~30万ウォンをはるかに超えるニッチ香水もよく売れる。ロッテ百貨店によると、Jo Malone、Diptyque、Penhaligon’sなど、6個のプレミアム香水の入店ブランドの昨年の売上伸長率(前年比)は54%だ。Annick Goutalも今年に入って売上が昨年同期比で50%以上も伸びた。新世界インターナショナルが流通するBYREDOも同期間売上が290%も増加した。Jo Maloneは昨年、2~3種類の香りを混ぜて新しい香りを作る「香りレイヤリング」マーケティングが好評だった。Jo Maloneの関係者は「香りは自分のアイデンティティを表現する道具だという認識が広がり、独特な香りを作り出す香りのレイヤリングが人気だ」と話した。

    ユニセックス(中性)トレンドも目につく。これまで若干重くて濃い香りを好んでいた男性はさわやかな果物の香りを、プリンセスのような花の香りを好んでいた女性は多少濁った木の香りや皮の香りを購入する方だという。新世界インターナショナルのパク・チョロン課長は「BYREDO MOJAVE GHOSTの場合、ダンディーな男性だけでなく、モダンで中性的な好みを追求する女性顧客の好みもとらえながら、昨年比で販売率が2倍ほど増えた」とし「特別なプレゼント、自分のためのプレゼントなど高級なアイテムで変化を与えたがる20~30代の層が最も多く訪れる」と伝えた。

    このような状況から、国内プレミアム香水市場は拡大を続けている。2014年基準で業界推算10万ウォン台以上の高価な香水市場の規模は約4000億ウォン前後だ。ニッチ香水ブランドに対する選択肢は増え、高価な香水に対する価格の抵抗感も減り、毎年20~30%以上成長するというのが業界の期待まじりの展望だ。
  • 毎日経済 ノ・スンウク記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-04-25 09:15:33