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イ・ジュヨル韓国銀行総裁「金融政策の緩和を維持する」

◆米の利上げ/韓銀の金利凍結 ◆ 

    悩む李柱烈(イ・ジュヨル)。李柱烈韓国銀行総裁は15日午前、ソウル市中区の韓国銀行で開かれた金融通貨委員会本会議を主宰し、しばらく考えにひたっている。 [イ・スンファン記者]

    15日、米国連邦準備制度理事会の基準金利引き上げのニュースが知らされて5時間後に行われた韓国銀行金融通貨委員会は、市場の予想通りに政策金利を1.25%レベルで満場一致で凍結した。去る6月以降、6カ月連続の凍結だ。政治的な不確実性の拡大に伴う経済心理の悪化で、今年の第4四半期はゼロ成長が予告されているなど、あなどりがたい経済状況でさらなる利下げ要求が高まっているが、米国の金利引き上げの速度が予想よりも早まると予想され、信頼性の高い選択を行ったものとみられる。

    イ・ジュヨル韓銀総裁はこの日に開かれた記者懇談会で、「いっそう高まった対外条件の不確実性を慎重に見守る必要があるという点、これにともなう金融市場の変動性拡大に留意する必要があるという点、家計負債の大幅増加が続いている点などを考慮して凍結を決定した」とし、「今後の金融政策は成長回復のために緩和基調を維持するが、金利安定にいっそう留意して運営する」と説明した。

    2014年のイ・ジュヨル総裁の就任後、継続する景気低迷にともなって金利を下げるだけだった韓銀の通貨政策は、早まった米国の金利引き上げを迎えてさらに厳しい状況に追い込まれた。昨年、FRBが7年ぶりにゼロ金利に終止符をうった時も、韓銀の身うごきの幅が狭くなったという評価が出てきたが、△ドナルド・トランプ米大統領当選者の拡張的財政政策、△原油減産合意による原油価格の上昇などが金利引き上げと、これにによる物価上昇をもたらしうる新しい変数として浮上したためだ。韓国も市中金利はすでに急速に上昇している。去る7月に1.203%まで下がった国債3年物は、15日に1.697%を記録した。

    イ・ジュヨル総裁はこの日、「基準金利を決定する時は資本流出入のほかに、景気と物価を含む全体的な経済状況を総合的に考慮する必要がある」とし、米国の金利引き上げが韓国の基準金利の引き上げに直結するわけではないという立場を再確認した。韓国銀行と政府は、世界8位水準の外貨準備高と大規模な経常収支の黒字を根拠に、急激な資本流出の可能性を低く見ている。しかし、景気鈍化のきざしが濃くなった新興国を中心に金融不安がひろがり、国政の空白状態である当局がこれに適切に対処できなければ、危機はすぐに現実化するかもしれないという警告も少なくない。

    オ・ジョングン建国大特任教授は、この日に韓国経済研究院が開催した「2017年危機予防のための政策の方向」セミナーで、「国内金利が上昇する場合は限界企業の不良が増加し、1300兆ウォンに達する家計負債による不良危険世帯も急増し、銀行危機が発生する可能性がある」として、最低1000億ドルほどの外貨準備高をさらに確保しなければならないと主張した。

    来年初めの景気後退懸念が濃くなるにつれて、金利をむしろ下げるべきだという声も大きくなっており、韓銀の凍結ジレンマはさらに大きくなるものと見られる。何度か「どの時よりも国内外の不確実性が高い」と吐露したイ・ジュヨル総裁も、「去る10月の経済見通し当時に比べても、下方リスクがさらに大きくなった」とし、「1月に予測値を新たに提示する」と明らかにして、現在は2.8%の来年度成長率見通しを下方修正するという意思を明らかにした。この日、イ総裁は止まらない家計負債の急増傾向をめぐって、「政府の数回にわたる家計負債の対策は、満足できるだけの成果を上げていないと思う」と明らかにし、政府の生温い対応を遠回しに叱咤した。
  • 毎日経済_チョン・ウイヒョン記者/プ・ジャンウォン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-12-15 18:04:14