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  • Q.
    春の食材であるツルニンジンについて教えてください
  • A.
    日本でもツルニンジンを食べますか?
    気になってNAVER辞書に目を通しました。

    すると「植物ツルニンジン」という説明が出てきました。その下に韓国料理の「ツルニンジン焼き」が紹介されています。

    辞書を調べたら筆者の予想では日本ではツルニンジンを料理の材料に使っていなかったように感じました。日本ではツルニンジンがないのか?そんな疑問も生じました。

    とにかく詳細は日本の方が詳しいと思いますので、この辺は省略して韓国のツルニンジン料理を紹介します。

    ツルニンジンは上の写真に似ています。食べる部分、根だけそうだということです。上の写真は下処理した状態で掘り出したままの形を見ると下の写真に近いです。

    日本語でトドク(더덕)を「ツルニンジン」と書くように、ツルニンジンの根は高麗人参やキキョウの根にとても似ています。ほろ苦い味も高麗人参と似ています。サポニンとカルシウム、鉄分、カリウムが多量に含まれている点も高麗人参に似ています。それでたまにツルニンジンを見て「シムバッタ!(심봤다)*」と叫んだりもします。見た目と効能はよく似ていますが、高麗人参とツルニンジンは分類学的に完全に異なる種です。目**が分かれますが、高麗人参はセリ目ウコギ科ですが、ツルニンジンはキク目キキョウ科に属します。葉を見れば違いがすぐ分かります。ツルニンジンは葉が4枚、高麗人参は葉が5枚です。

    * 山で高麗人参を採る人たちが高麗人参を発見した時、3回叫ぶ声です。
    ** 界、門、綱、目、科、属、種

    高麗人参とツルニンジンが似ているせいで、こんなことが起きたこともありました。
    ずいぶん前、KBS『テレビショー本物ブランドショー』に10数個の高麗人参を持って来た人がいたのですが、事情を聞くと友達と登山に行って発見し、友達が「私はツルニンジンを食べないから、お前が持って行け」と言われ持ってきたのですが、実はツルニンジンではなく高麗人参だったそうです。鑑定価格はなんと1億800万ウォンでした。(登山に行った友達と分けたでしょうか?)

    山で10年以上育ったツルニンジンは高麗人参よりも効能がいいそうです。
    あくまでも自然産のころの話です。

    ツルニンジンを人工栽培することで一般的になりましたが、人工栽培したツルニンジンと自然産は確実に異なります。自然産は1つだけでも部屋の中に香りが充満しますが、畑で栽培されたツルニンジンは香りがありません。

    ツルニンジンを掘る人たちは、香りでツルニンジンのある場所を探します。人通りが少ない山間の奥地を行くとほろ苦いながらも香ばしいツルニンジンの香りを嗅ぐことができます。鬱陵島(ウルルンド)や智異山(チリサン)、江原道(カンウォンド)の山間地方、そして前方軍部隊のある山で濃いツルニンジンの香りを嗅ぐことができます。そのため、昔は春と秋に前方部隊の軍人たちがツルニンジンを採るのに動員されたそうです。掘り出したツルニンジンは軍人たちがたまに食べることもあったでしょうが、その大概は「部隊長–師団長–軍団長」、このような系統を経て「偉い人たちの食卓」に置かれたはずです。

    韓国でいつからツルニンジンを食べ始めたのでしょうか?
    朝鮮後期の実学者ハン・チユン(韓致奫)が書いた『海東繹史』には「高麗時代にツルニンジンをナムルにして食べた」という記録があるので、かなり昔から食べられていたことが分かります。

    ツルニンジンを材料とする最も一般的でおいしい料理が「ツルニンジン焼き」です。

    ツルニンジンをよく叩いて広く伸ばし調味料を塗って焼いた料理です。妙に肉を噛む感じがします。味もどこか肉の味がするようです。そのためかツルニンジンを「山で採れる肉」とも呼んでいます。

    「ツルニンジン焼き」以外の漬物にしたり、蜂蜜に漬け込んでチョングァ(高麗人参やキキョウの根を蜂蜜で煮詰めた菓子)にして食べたりします。ツルニンジンの葉は葉野菜や和え物にします。お茶として飲用する人もいます。ツルニンジンは10月から2月までが旬とのことですが、春にもツルニンジンがかなり出てきます。春の料理にも分類されています。酒好きの人たちは、春にツルニンジンを採ればツルニンジン酒を食べることを想像し食欲をそそります。

    ツルニンジンの主成分であるサポニンはコレステロールと脂肪を吸着、排泄する働きをするので、ツルニンジン酒にして飲むと血管をきれいにしてくれるので、酒好きに必ず必要な食べ物だという気がします。