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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    三伏に食べるものを紹介してください
  • A.
    日本でも伏日(ポンナル、土用の日)を気にするだろうか?
    オフィスではエアコンが部屋を涼しくするため汗を流して仕事をするわけでもないのに韓国ではかなり三伏を重要視します。だからといって、お祭りを開くとかそういうものでもありません。

    伏日に合わせて、おいしくて脂っこい食べ物、特に肉を噛んでみようということです。
    みんな、食べていくために働くのだから何か特別な食べ物を食べる口実を探そうという心掛けでしょう。

    そういえば初伏が目前に迫ってきました。

    農業を主業としていた頃、猛暑の始まりを知らせる初伏になると、もう死んだんだなと思ったかもしれません。「伏」の字自体がぱたっと伏せた形じゃないですか。

    ところが、よりによってこの時期が農村では最も忙しい時期だったのです。
    三伏と農繁期が重なるため、しかたがありません。ただよく食べるしかありません。動物たちも暑がりやなので数匹の牛にタコを刻んで食べさせたりもしました。

    当時の慣習が今日まで都会のど真ん中にも残っているのが三伏料理です。

    伏日の料理で最も代表的なのが補身湯(ポシンタン)でした。今でも犬が好きな人はポシンタン(犬肉スープ)用の犬はペットと違うと言いながら食べに行くが、その話は省略しておきます。

    ポシンタンを除いては、サムゲタン(参鶏湯)、ユッケジャン*、チュオタン(鰍魚湯)、ウナギ焼き、タコ鍋、ヨンボンタン(龍鳳湯)**、黒ヤギ、アワビ粥(全鰒粥)などが食べ物の主流でした。事情がままならない人たちはスルトック(酒餅)***、ジュアク(油に揚げた餅)****、ペクソルキギ*****で暑さに備えました。

    *犬肉の代わりに牛肉を入れて作った補身湯
    **鯉と鶏を一緒に入れて煮込んだスープ料理
    ***夏に食べる餅で、うるち米粉にマッコリを入れた水で練った後、暖かい部屋で熟成させて蒸して作ります。小麦粉で作ったものを「酒パン」と言います。
    ****もち米粉にナツメを練り込んだ後、蜂蜜で練ってごまや小豆を入れてソンピョン(松餅)のように作った餅
    *****米粉で作った何も入っていない白いお餅

    • スルトック、ジュアク、ペクソルギ(左から)



    ペクソルギは宴会の時にもよく登場する料理ですが、祭祀や告祀(コサ、災厄を除き幸運をもたらすよう行う行事)の際にも使います。
    つまり栄養補給も兼ねて鬼を追い払う効果も兼ねているという意味です。同様の意味で小豆粥も伏日に食べ物で食卓に上がったりしました。

    小豆粥を食べながら「暑さの鬼は退け」と祈ったのです。

    上に並んだ三伏料理を見ると大体、食べている間にたくさんの汗を流すようになる料理です。
    暑さにより暑さを凌ぐという以熱治熱(イヨルチヨル、熱をもって熱を癒す)は普遍的であったことが分かります。

    これは今日も同じですが、若い世代はこのを以熱治熱あまり気に入っていません。
    冷麺、カキ氷など涼しい食べ物に代わる人が増えています。

    サムゲタンの効能を認めたためか、鶏料理が人気ですが、サムゲタンにこだわらず蒸し鶏、プルダク、タクトリタン(鶏肉の炒め煮)、それに各種チキン料理まで伏日の料理に入ります。

    下は代表的な伏日料理です。

    • ユッケジャン、ヨンポタン(テナガダコスープ)



    • チュオタン、サムゲタン



    • コングクス(豆乳素麺)、うなぎ焼き



    漢方医は、三伏の食べ物も体質によって違う方が良いと勧めます。
    少陽人、熱の多い体質の人は暑さを我慢できず怒りっぽくなり人と争うことも多くなります。こういう人たちは、心を落ち着かせてじっくり熱を下げてくれる食べ物がいいそうです。少陽人に最も合う食べ物は鴨肉です。ごまスープに鴨肉と麺を入れてさっぱりさせたイムジャスタン(荏子水湯)は王様の料理にも選ばれた三伏料理です。

    太陰人の中で熱の多い人は夏の暑さによって死にそうです。じっと座っているだけでも隣の人に申し訳ないほど汗がだらだら流れているので早く三伏が過ぎ去ることを祈るしかありません。こういう人に合う食べ物はうなぎです。ビタミンA、オメガ2、脂肪酸であるEPA、DHAが豊富なうなぎは女性にとってこの上なく良い食べ物です。