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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    韓国の代表的な疑問死を紹介してください(中)
  • A.
    20年以上の軍事政権が退き民主政府が発足したからといって韓国で「疑問死」が消えるわけではありません。

    文在寅(ムン・ジェイン)政府になってもかなり多くの死がミステリーとして残っている状態です。

    2017年11月に自殺と処理されたビョン・チャンフン検事や寝ている途中に死亡したまま発見された国務調整室のチョン・ギジュン室長の死は遺族が認めるには釈然としない部分が多いです。ビョン・チャンフン検事は李明博(イ・ミョンバク)政府時代、国家情報院の書き込み捜査を隠蔽しようとした容疑で捜査を受けていたところであり、左翼と右翼の両方で疑問を投げかけています。

    運転手に何度も暴言を吐いていた事実が知られパワハラ疑惑を提起されたクォン・ヨンウォン金融投資協会会長の死(2019.11.06)も理解に苦しむ部分があります。記者会見で自分の言動について謝罪し残りの任期を引き続き遂行するという意思を示した後、極端な選択をしたということに疑問が残っています。

    チョ・グク元法務部長官に対する全方位的な検察の捜査過程でも、私募ファンドに融資した貯蓄銀行幹部と運用に加わった参考人が死亡しましたが、彼らの死因にも疑問があります。

    中央大学第2キャンパスの学生会長、イ・ネチャン君の死は、軍部独裁から民主政府へ移行する分岐点において発生した最後の疑問死です。

    1980年代末、中央(チュンアン)大学第2キャンパスは、京畿(キョンギ)地域の大学街で統一運動の旗手に浮上しましたが、学生会長のイ・ネチャン君がそのような動きを主導しました。イ・ネチャン君は8月15日、全南(チョンナム)巨文島(コムンド)の海水浴場で変死体として発見されました。警察は単純溺死と発表しましたが学生たちは納得することができませんでした。

    教授と学生、同窓生で構成された対策委員会が提起した疑問点は、1つや2つではありませんでした。
    - ズボンと靴をそのまま着用したまま、特に上着と時計とベルトだけを外したまま水に入った点
    - 海辺から100メートルほど海に入っても胸までしか水が溜まらない地形ですが、靴下に干潟の跡がなかった点
    - 検眼結果、顔や体に反抗した跡が残っている点
    - 事故現場が浮遊物が集まる場所であるにもかかわらず遺留品が全く発見されていない点

    中央大医学部の教授が「遺体の所々に皮下出血が見つかり特に頭部から発見された12センチ×14センチの皮下出血は失神するほどの重傷」と記録された国立科学捜査研究所の解剖鑑定結果を公開しイ・ネチャンの死に対する他殺疑惑がさらに強まりました。

    検察の公式的な捜査結果が発表されていない状態でイ・ネチャン君の葬儀が行われ、その後発表された警察の最終捜査結果は足を踏み外したことによる溺死でした。

    疑問死真相究明委員会でこの事件を取り扱いましたが、明快な答えは得られませんでした。国家安全企画部(NIS)と警察が介入した形跡があちこちにあり他殺の疑惑が高いものの具体的な証拠や証言がないため他殺と断定することも難しいというのが委員会の結論でした。イ・ネチャン君の死が単なる足を踏みはずして起きた死なのか、他殺なのかは「永遠に未済」として残るしかありません。

    江南(カンナム)署のイ・ヨンジュン刑事の疑問死は、「バーニングサンゲート」が開かれた後に見直された事件です。地域の警察と風俗店の癒着関係を捜査していた時に、死んだためです。

    イ・ヨンジュン刑事は2010年7月29日、忠清北道(チュンチョンプクト)嶺東(ヨンドン)の釣り場で遺体として発見されました。亡くなる3日前、前に勤めていた地区隊で密かに書類を数枚コピーした後、情報員に会うために釜山(プサン)に向かいました。その後、交通事故で嶺東病院に入院していて変死体で発見されたのですから疑わしい点が1つや2つではありません。

    遺体が発見された釣り場が成人男性の腰に落ちるほど水深が浅く釣り場に来たお客さんの中にイ・ヨンジュン刑事を見た人は誰もおらず肺の中に海洋プランクトンが検出されたという事実だけでも疑問を抱かざるを得ませんでした。(交通事故に見せかけて殺そうとしましたが失敗すると、刺身屋の水槽で溺死させた可能性が高いです)

    最も疑わしい部分は、彼の死に対する同僚警察たちの行動です。一緒に働いていた同僚が死亡したら、殉職処理のために努力するのが一般的なはずですが、他殺の証拠が数か所で見つかったにもかかわらず、急いで自殺として処理しようとしたという点です。

    遺族たちが疑惑を提起して強く反発すると、その時になって再捜査に乗り出し自殺ではないという結論を下しましたが他殺という明白な証拠も見つからず永久未解決事件になりました。

    イ・ヨンジュン刑事が亡くなった後、急いで自殺で終結処理しようとした江南署の刑事課長は後日、バーニングサンゲートにも登場します。バーニングサンゲートに対する大々的な捜査が起こった当時、江南署のオム警部補はソウル地方警察庁知能犯罪捜査隊長と江南警察署長が内偵を防ぐために職権を乱用したという陳情書を提出しましたが、知能犯罪捜査隊長がまさにイ・ヨンジュン刑事の直属上司で彼の死に対する捜査を阻止していた刑事課長です。このような議論の後、彼は警察を離れ、現在は大手法律事務所に入ったそうです。

    疑問点が多い事件なので今からでも暴けば真実に近づけるでしょうが、捜査に乗り出す警察がいないのが問題です。2017年にこの事件を扱ったKBS番組に出演したピョ・チャンウォン(表蒼園)さんは「警察組織の保護文化のために警察がこの事件を捜査する意志はない」と釘を刺しました。