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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    爆弾酒は酔いが回りやすいといいますが、爆弾種が原因になった事故はありましたか?
  • A.
    友人の経験談です。彼が会社のチーム長だったとき、ほぼ毎日チームのメンバーとお酒を飲んだそうです。チームメンバーたちがあまりにもお酒に強かったので、ビールグラスに氷を数個浮かべて洋酒を注いで一気に飲み干したそうです。

    このようにして何杯も飲んだ後にも、爆弾酒を飲みながら歌を歌ったりしたそうです。問題はチームのメンバーの中にお酒に弱い人が一人いたのです。チームのメンバーもその事実を知っていたため、その人にはアルコールを少しだけ飲むようにしたそうです。

    その日もお酒に弱いメンバーはビールグラスに半分入ったウイスキーを飲んだりしながら一緒にいたのですが、少ししてどこかに行ってしまいました。飲み会が終わる頃、心配になって探してみたところ、バーの空部屋で横になっていたそうです。ところが、起こしてみても目を覚ます気配がありません。冷たいタオルでマッサージをするなど、騒動になった後に、目が覚めたとのことでした。

    ところが、目が覚めたチームメンバーの言葉がチーム長に衝撃を与えました。

    「夢に亡くなった祖父が出てきたんです。嬉しくて走って行こうとしたら、祖父が叫んだんです。来てはいけない、戻りなさいと」

    本当に危ない瞬間です。もしチームメンバーに問題が起きたら、チーム長は、残りのチーム員たちは、残りの人生をどう生きたのでしょうか。友人の経験談は笑って話をすることができる結末で締めくくられましたが、韓国では毎年新学期の新入生歓迎会のたびに似たような事例が報告されたりします。他人の過ちから正しい振る舞いを学ぶという、「他山之石」という言葉がありますが、お酒はなぜか節制できないようです。

    大学に入ったばかりの初心者や、新社会人にのみ、このようなことが起きるのはありません。まともな権力者や勢力者たちもお酒に酔って犬のようになる人が多くいます。韓国の人々が「酒に強い」という評判を男らしさの象徴のように考えることも、お酒のせいで悲劇的なことが起こる原因の一つなのでしょう。

    ここで、集まりに遅れてきたり、または事情があって先に席を立つ人への「罰酒」など、無理に酒を飲ませようとする飲酒文化も事故を誘発すると言います。

    86年の春には「フレジャ サンベ(後来者三盃)」と言い、遅れてきた人に3杯の罰酒を与える飲み会の伝統により軍人や政治家が小競合をする笑えない寸劇も行われました。いわゆる「国防委、会食事件」です。

    その年の2月に実施された総選挙で民主化についての韓国民の熱望が明らかになりました。当時政権を握っていた軍も国会議員に取り入る必要があるという考えから、陸軍の参謀総長をはじめとする将軍8人が国会議員を招いて酒の席を設けました。

    もてなす側の将軍はすべて約束の時間に来ましたが、国会議員に時間を守った人はほとんどいなかったそうです。将軍たちの気分が良くなかった状態で、遅れてきた野党幹事が与党幹事が席にいないことを知って、「大物はない出てこず、軍人どもだけ集まった」と冗談を言いました。

    自然と雰囲気は冷ややかになり、爆弾酒が行き来する中で、わずか1時間で全員が泥酔しました。与党の幹事がこのような状況で遅れて到着しました。

    将軍は、八つ当たりするように彼に「フレジャ サンベ」を強要して「飲めない」「飲みなさい」と言葉が行き交ったことでしょう。将軍がお酒に酔って乱暴をふるったと思ったら、議員がビールジョッキを壁に投げ、割れたガラスが跳ね返って将軍の一人が血を流しました。怒った将軍は、グラスを投げた議員を蹴って攻撃し、議員の口からも血が出ました。

    89年には国会議員が俎上に載せられました。法務部の国政監査に乗り出した法事委所属の国会議員数人が爆弾酒を飲んで来て、ヘラヘラ笑ったり、政府の回答を中断させるなどの悪態をついたそうです。この事で、国政監査無用論まで提起され、爆弾酒を飲んだ議員を除名するようにという抗議の電話も殺到しました。

    それからしばらくの間はおとなしかったのですが、95年8月、総務処の長官が記者たちと爆弾酒を飲みながら「元大統領の秘密資金数千億ウォンが市場に出回っている」という高級情報を漏らした事件が起きます。長官の口から出てきたので、記者は当然のように記事を書き、元大統領の抗議を受けて最終的に長官が辞任することになりました。爆弾酒と関連して長官が辞任した最初の事例でしょう。

    爆弾酒のために公職から退いた長官はまだいます。今度は司法長官ですが、彼は爆弾酒を飲んだのではなく、部下職員である大検公安部長が爆弾酒を飲んで失言をしたからです。

    1999年6月、お昼に記者たちと爆弾酒を飲んだ大検公安部長は、酒気からだったのか、良心の呵責に苛まれたのか「韓国造幣公社のストライキは公企業の構造調整を促進するために、検察が引き起こしたもの」という自殺に近い話をしました。検察が労組を誘ってストライキを誘導したというのだから、政局が揺れるのは当然のことでしょう。

    公安部長は、最終的には拘束され、後日開かれた国会の聴聞会で、「なぜ検事たちは、こんなに爆弾酒を飲むのか」というある議員の質問に「洋酒は度が強いため、ビールに混ぜて飲む」という名言(?)を残しました。

    検察と法院(裁判所)の関係者が関連する法曹不正は爆弾酒に関連することが沢山あります。高位層が関連した女性記者わいせつ事件、女性従業員性的暴行事件なども、大体が爆弾酒を数回飲んだ後に行われたものです。

    高い場所を夢見る青年たちが高位層のこのような振舞いを見習わないでほしいものです。