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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    韓国でも昔の切手が高く売れたりしますか?
  • A.
    切手の話を聞いて、以前に読んだ推理小説を思い浮かべました。タイトルも作家も覚えておらず、ぼんやりとストーリーだけが思い出されるという点、予めご了承を求めなければなりませんね。

    無くなった叔父の遺産を受け継ぐことになった甥が悪役のトリックを破って叔父が隠しておいた金庫を発見しました。金庫の扉を開くことも容易ではありませんでしたが、子供の頃、叔父と遊んだときの記憶を思い出しながら、幸いなことに番号を推理することができました。

    問題は、いざ金庫のドアを開けた後に生じます。一束の書類が入っていたのですが、秘密の帳簿や宝の地図のようなものではなく、恋人とやりとりしたラブレターだったのです。ラブレターに遺産の手がかりがあるのかと調べてみましたが、叔父の幼稚な感情だけを覗き見る格​​好となってしまいました。悪いことをしたような気持ちになり、手紙を燃やそうと考えましたが、じっくり見ると手紙が大当たりものでした。

    いいえ、手紙に付いている切手が大当たりだったのです。手紙ごとに付いている切手が、安いものでも数万ドルの値がするものだったのです。

    確かに、ビクトリア女王の肖像が入った1ペニー切手のオークション価格が60億~80億ウォンになるので、そのような切手一枚があれば宝くじに当選したのと同じようなものですね。

    • < 世界初の切手、ペニーブラックという別称があり、未使用状態のペニーブラックのオークション価格は数十億ウォンに達する >

    その本を読んでいた頃、私の趣味も切手収集でした。誰かに質問されたり、書類などの趣味の欄に書くものが切手収集だったという意味です。実際には、切手を私のお金では一枚も買ったことがありません。

    切手は父親が集めていたもので、私の学資金や結婚資金に使うためにしっかりと保管しておくように言われ、私が管理していました。市中では入手困難なレアな切手も何枚かありましたが、厳密に言えば切手収集は私の趣味ではありませんでしたし、していることも収集ではなく、管理でした。

    とにかく、大切に保管していた切手を友達に自慢した記憶が残っていますが、高校を卒業する頃に家に入った泥棒が切手まで丸ごと持って行きました。その後、切手収集はもはや趣味になることはありませんでした。

    思い出をたどってみると、その当時では切手が財テクとまでではいかないものの、それなりに将来に備えた秘密資金程度の役割をしたように思います。ところが、最近ではどうかって?もちろん、まだ切手マニアがいますよ。しかし、切手を投資対象として集める人はあまりいないでしょう。

    韓国にも値段の張る切手が何枚かありますが、お金になるような切手は余りにも分かりやすいものです。陶磁器や絵画に比べて換金性が高いわけでもなく、かといって値が2倍、3倍ずつ増えたりもせず、ただ切手が好きな人が一枚、二枚と集めるているのがやっとです。

    韓国の切手の値は西欧諸国に比べて高い方ではありません。それでも大韓帝国末期に作られた最初の切手、「ムンウィウピョ(文位郵票)」は高値がついています。切手収集家の間ではいくら払ってでも買うという人がいるでしょう。ムンウィウピョは5文、10文、25文、50文、100文の5種類が発行されましたが、高額切手の3種類は使用されることもなく、ドイツの切手商に安値で売られたそうです。実際に使用された5文、10文の切手が今までに17枚発見されましたから、珍しい方ではあります。

    昔の切手は、使用済みスタンプが未使用の切手よりも、封筒についている切手が袋から開けたばかりの切手よりも高価です。使用済み「文位郵票」が封筒についたまま市場に出てきた場合、充分に10億ウォンの価値がつくと推定されます。これまで数回「文位郵票」が付いた封筒が出てきたと報道されたことがありますが、その都度、偽物であることが判明しました。

    このほか、1895年に出てきた「テグクウピョ(太極郵票)」と1900年に発行された「イファウピョ(梨花郵票)」、1903年に出てきた「トクスリウピョ(鷲郵票)」、米軍政庁で使用した仮刷りの切手、解放朝鮮の記念切手などが切手コレクターが注目する切手です。

    現存する韓国の郵便物の中で最も高価な切手は咸鏡道(ハムギョンド)慶興郵逓司(慶興の郵便局)の消印が押された「太極郵票」でしょう。封筒についたまま発見された切手ですが、この手紙は昔のロシア政府が漢城(ハンソン、現在のソウル市)のロシア公使に送った公文書を、咸鏡北道の慶興(キョンフン)まで持ってきたロシアの官吏が、そこから漢城に送った歴史を持っています。

    1987年1月28日の慶興郵逓司の消印と2月20日の漢城郵逓司(漢城の郵便局)の消印が「太極普通郵票」2文と26文の切手に押されています。封筒の裏面にはハングルで「ソウル皇帝ロシア公使貴下」と書かれている貴重な歴史史料です。この手紙は、1993年にスイスのルガーノで開かれた国際切手オークションに出されましたが、当時病床にあった日本郵趣協会長の水原明窓氏が電話オークションで手数料15%を含めて20万7000スイスフラン(当時約1億5000万ウォン)で落札しています。今では日本の切手博物館に保管されています。

    • < 慶興郵逓司の消印が押された太極切手の手紙と日本の切手博物館 >

    「梨花郵票」は14種フルセットで状態が良い場合、価格が400万~500万ウォン、日本の切手に国号と額面を仮刷りして作成された米軍政庁切符は比較的数が流通しているため、フルセットを購入するのに1万5千2ウォンあれば十分だといいます。

    1950年代以降に作られた記念切手のうち、値の張る切手はあまりありません。2006年に出てきたオンライン特別記念切手の場合、当時は品薄状態まで発生しましたが、今でも額面で入手することができます。

    大きな傾向を見ると、1974年以前の切手は、少なからずプレミアムが付いていますが、74年以降の切手はほとんど額面(発行価格)で売られています。1980年後半以降に出てきた切手は、使用していない切手の場合でも、額面より10~20%の割引をしてこそ購入者が現れる程、購入者がほとんどいません。

    今、切手を集めるとするなら…まあ趣味ならともかく、投資手段にはしないでください。元を取れれば幸いで、まず、売る相手がいません。