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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    韓国の芸能界には言論プレーで有名な人がいますか。(4)
  • A.
    「人気があるとき、売れているときに注意しなければならない」誰の顔色も見ずに勝手気ままに暮らす人であれば、このようなアドバイスは必要ないでしょう。しかし、世間の注目を集める芸能人には、これほどまでに肌で感じることのできる言葉ではないでしょう。

    韓国のCMを総なめにしていたガールズグループAOAのビジュアルエース、ソルヒョン(金雪炫)も最近、この言葉を噛みしめたことでしょう。

    ソルヒョンと彼女が属しているAOAは、デビューのときから成功街道を走っていたのではありません。デビュー後に出した4つのアルバムが発売とほぼ同時にチャートから外れ、かつてグループの存亡危機に陥ったこともありました。男性のファンタジーを刺激するロマンとコンセプトでAOAは、逆境を乗り越えてガールズグループの大勢になりました。ところが、バラ色と思われていた彼女たちの今後に、暗雲が立ち込める事件が起きました。

    見方を変えると、本当にたいしたことのない、事件と見なすことでもない、そんな日常のひとコマでした。議論になる前には、当事者であるソルヒョンや同じAOAのメンバーであるジミン(申智珉)、そして所属事務所であるFNCエンターテイメント(以下、FNC)もあまり気にしていなかったのかもしれません。

    議論が起こった当時、FNCは一週間後に迫った海外の機関投資家を対象にした企業説明会(IR)に神経を尖らせていたときであり、AOAのメンバーが出演したケーブルチャンネルOnStyleのリアリティー番組『チャンネルAOA』も企業説明会に有用な資料だと考えていたことでしょう。所属ガールズグループを対象にしたテレビ番組が放映されるという事実は、企業価値を高めてくれるものですから。

    • < インスタグラムに投稿されたAOAソルヒョン(左)とジミンの謝罪文 >

    ところが、この番組で問題が生じました。番組に参加したソルヒョンとジミンがミスを犯しました。この日の番組は簡単なものでした。国内外の歴史上の人物をあてるゲームでした。ソルヒョンとジミンは韓国で最も有名な独立闘士である安重根をあてることができなかったのです。

    制作スタッフがヒントを与えても気づきませんでした。さらに、スマートフォンを検索するなという制作陣の指示を無視して、インターネット検索をして、いたずらな態度を一貫させました。

    この放送を見た韓国のネットユーザーたちは怒りました。ソルヒョンとジミンは歴史意識がない低俗な芸能人だと言われ始めました。2日後にソルヒョンとジミンは、自分たちのインスタグラムに謝罪文を掲載しましたが、大衆の冷淡な視線に変化はありませんでした。

    ここまでは、完全にソルヒョンとジミン、2人の責任です。しかし、その後の状況は、所属事務所の責​​任が大きいものでした。

    議論が浮上した後、FNCが初めて見せた反応は、OnStyleに問題となる場面を編集してほしいと要請したが拒絶されたという弁明でした。歌手になるために努力してきたため、ちゃんとした教育を受けることができなかったとか、歴史教育をしっかりと行えなかった大人たちのせいだという説明もありました。

    事態をごまかそうとしているという議論がある中でも、ソルヒョンとジミンのスタイルや化粧法などの記事がオンラインメディアに登場して、火事が起きた家に風を送るような状態になりました。

    ソルヒョンとジミンに対する個人攻撃にも問題があるのは事実です。歴史上の人物をあてることができなかったからと、歴史認識が足りないと非難するのは、過度な拡大解釈ではあります。歴史的な知識が不足しているからと、歴史認識さえ希薄であると評価することもできません。

    しかし、ソルヒョンの場合、単純な商業広告のモデルだけでなく、中央選挙管理委員会の総選挙の広報大使や、韓国観光公社の韓国訪問の年の広報大使を務めていたため、資格是非問題が論じられる余地が十分にありました。韓国観光スポットの歴史的な由来も知らないで観光案内員を務めたと解釈される余地があるからです。

    このような事実を考慮すると、所属事務所FNCはもっと自粛する姿勢で、世論に対応するのが正しかったと言えるでしょう。

    5月16日に発表されたAOAの新曲『Good Luck』。所属事務所FNCはAOAのカムバック活動に合わせて企業説明会などの日程を立てていましたが、このようなスケジュールがソルヒョンとジミンの歴史論争を加重させたという言葉が聞こえてきます。

    FNCは予定通り16日の深夜、新曲の『Good Luck』の音源とミュージックビデオを発表しました。ミュージックビデオに日本の自動車メーカーのロゴが出てきて非難を浴びると、一日でモザイク処理をしました。AOAのカムバックショーケースのライブチャットルームでは、最初から「安重根」という単語を禁則語と​​して定義しました。FNCのこのような態度が議論を加重させました。

    メディアは、AOAの新しいアルバムが音源チャートで1位を占めたことについて、このようなタイトルを掲げました。「歴史の知識論争にもAOAの新曲が7つのチャートで1位」。ニュアンスが若干、非難調です。こんな状況で、1位が長く続くわけがありません。わずか数日でほとんどのチャートから消えて、タイトル曲『Goog Luck』だけが10位で命を繋げている状況です。

    筆者の個人的な考えですが、FNCが企業説明会に重点を置いて、すべての仕事を処理しようとしたため、世論に正しく対応できなかったように見えます。ソルヒョンは高まる人気と同じくらい、多くのアンチが生じ、言論プレーで作られたスターだという悪評も溢れているだけに、所属事務所のイメージ管理が必要で、これを企業説明会より疎かにしたという感じを拭い去ることができません。

    企業最大の商品を適切に管理できない所属事務所の言論プレーにより、ソルヒョンとジミンのミスは一生洗い流すことのできない烙印になる可能性もあります。芸能人に押されたこのような烙印は、芸能人自身が口実を提供したものでもありますが、政権が世論の目をそらすために悪用しているという陰謀論も生みます。次回は、言論プレーの犠牲になった芸能人の事例と陰謀論の実態を紹介します。