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  • Q.
    韓国ドラマの作家:キム・スヒョン、ノ・ヒギョン、チョン・ハヨン
  • A.
    最近、毎週土日の夜に放送されているSBS『そう、そういうことさ』を執筆するキム・スヒョンは、今年、73歳です。

    1969年にラジオドラマ『あの雪原に鹿が』で作家生活をスタートさせましたが、本当に長い間、原稿用紙と戦った作家です。1972年、連続ドラマ小説『虹』でテレビドラマを書き始めましたが、70年代にだけなんと16本の作品を執筆しました。

    • < キム・スヒョン >

    特に、MBCの連続ドラマ『継母』を1972年8月30日から1973年12月28日まで411話も書いて、このドラマが最終回を迎えてから4日後の1974年に『江南家族』というドラマを披露しましたから、筆力だけでなく、健康状態も優れていたと見ることができます。このような旅程はその後も続き、あるドラマが終わってから1カ月以上を休んだことがありません。連続ドラマが放送されている途中に特集のドラマまで書くほどです。

    1980年代にも16本の作品を執筆しましたが、1987年に記念碑的なヒット作『愛と野望』を披露しました。この作品の平均視聴率が70%を超えたのですから、ドラマが放映されている時間にはほとんどの家において家族がテレビの前に集まっていたということになります。

    1990年代と2000年代にも作品の数が多少減りはしましたが、それでも10本以上を披露し、最小でも1年に1本以上はドラマを書いていることになります。このように、40年以上、お茶の間を支配した作家がキム・スヒョンです。

    ときおり、破格のストーリーを見せたりもしますが 、彼女の作品はほとんど静かな内容の家族ドラマです。

    キム・スヒョンの家族ドラマの登場人物は、ほとんどが3世代です。1世代の怖い虎のような祖父と2世代目の3兄弟、3世代のまだ幼い孫。2世代目の3兄弟の妻たちは従順を美徳にして暮らす長男の嫁と顔色を窺いながら要領を発揮して生きて行く次男の嫁、そして自分勝手な末っ子の嫁も外せません。ここに、結婚していない叔母なども薬味のように加勢します。

    このような構図が続くため、キム・スヒョンの家族ドラマに出演する俳優も決まっているようなものです。虎のような祖父はイ・スンジェ、祖母はカン・ブジャ、身の程知らずの叔母はヤン・ヒギョン、長男の嫁はキム・ヘスクがよく引き受けました。このようなパターンは、最近放送されている『そう、そういうことさ』でもそのまま続きます。すこしありきたりに見えますか。このためか、視聴率も低調です。まだ、中年のおばさんたちはキム・スヒョンのドラマに熱狂しますが、青年たちはありきたりなストーリーだと避けます。

    キム・スヒョン師団には、彼女と漢字まで同じ名前の俳優、キム・スヒョン(金秀賢)は含まれていません。キム・スヒョン作家の作品に招待されたことはまだ一度もありません。実は中高年の俳優を中心にドラマを書くため、キム・スヒョン師団には若い俳優があまりいません。

    ノ・ヒギョン、男性のように見えますか。この方は堂々たる、韓国の女性作家です。ところが、初めて会った人は、皆さん男性だと思うそうです。

    現在、tvNドラマ『ディア・マイ・フレンド』を執筆しているノ・ヒギョンも、頻繁に出演する俳優がいます。

    キム・ガプス、ナ・ミニ、ペ・ジョンウク、ユン・ヨジョン、イ・ジェリョン、コン・ヒョジンなどの俳優がノ・ヒギョン師団のメンーです。一時期、チョ・インソンとソン・ヘギョもノ・ヒギョン師団のひとつの軸を担当していました。

    ノ・ヒギョン作家をキム・スヒョン作家と比較することは難しいです。年齢の差があることを指し置いても、作品の数や視聴率でものすごい差があるからです。キム・スヒョンが視聴率を保証する作家として放送局で好まれている代わりに、ノ・ヒギョンは優れた作品性で厚いマニア層を構築しています。

    ノ・ヒギョンは、ドラマ制作現場に乱舞する数ページごとに分かれた台本を書かないことで有名です。あらかじめ台本がすべてそろっているため、出演俳優が余裕を持って準備することができると喜びます。演技力が足りないと批判されていたハン・ゴウン、チョン・ウソン、キム・ミニ、チョ・インソンなどがノ・ヒギョンの作品に出演した後、演技派になったと言われています。

    ノ・ヒギョンがデビューしてから2年目の1996年に書いた『世界で一番美しい別れ』が2013年に一時期、ネイバー検索の順位に登場したりもしていました。その年の7月に大学入試の模擬試験にこのドラマの台本の一部が出題されていたからです。末期がんの中年の婦人と家族の人生を扱ったものでしたが、学生が試験問題を読みながら、涙を流したと言います。

    • < 元老作家の中で、ほぼ唯一の男性作家、チョン・ハヨン >

    キム・スヒョンよりも一歳年下の放送作家チョン・ハヨンは、ほとんど唯一の男性史劇(時代劇)作家です。『王妃チャン・ノクス -宮廷の陰謀-』『明成皇后』『インス大妃』などの史劇には、悲劇的な結末で人生を終える人物が必ずひとりずつ登場します。このようなドラマの中の人物が破滅しながら溢れさせる狂気を表現するのに、チョン・ハヨンは卓越した手腕を見せます。

    『甘い人生』(MBC、2006)、『欲望の炎』(MBC、2010)など、家庭を中心にした通俗的なドラマでも登場人物の立場や処遇、心理、ストーリー展開の正当性を細かく表現しています。

    チョン・ハヨンは、台本を書きながら演出家と俳優が自分たちで解釈できる余地を残したりもします。俳優はドラマの人物にたいして没入し、立体的に解釈する必要があります。せりふが長かったり、独白に近い言葉を述べるときには、どこで呼吸を切るべきなのか、研究しなくてはいけません。

    このようなことに独自の見解を持っいるユ・ドングン、チョン・ボソク、チョン・ソンモ、オム・ユジン、パク・ヨンジなどがチョン・ハヨン師団の中心メンバーです。演技人生において積み重ねてきた力量を表現することができるため、俳優たちもチョン・ハヨンの史劇に出演することを期待しています。

    チョン・ハヨンはセリフとセリフの間の地の文を適当に書くことで有名なのですが、あるとき、記者が「キャアッと笑う」と書いてある地の文を見て、「どうして、このような地の文を書くことになったのか」と聞きました。チョン・ハヨンはなんてことないといったふうに「そう書いておけば、俳優が自分のしたいように笑うだろう」と答えたそうです。

    キム・スヒョンとは、同世代だからか、韓国ドラマの大母に対して批評できる、唯一の作家として有名です。どんな批評をするのかというと、実は、そこまでひどい批評ではなく、こんな話です。

    「先輩のドラマは家政婦もみんな話し上手だ」内容がありきたりだという非難はしません。韓国ドラマでのありきたりな内容は、マクチャンドラマ(無理なストーリー展開で視聴率を稼ごうとするドラマ)によく登場します。マクチャンドラマで有名な作家は次回、紹介します。