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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    韓国のペペロデーはいつ、どのようにして生まれたのですか?
  • A.
    「1」が4つも重なった11月11日。若い恋人たちに「ペペロデー」として通じる日です。
    バレンタインデーに続き、恋人に何かしてあげなくてはならない日ですね。

    恋人がいなければ憂鬱になり、ただの知り合いの異性の友達からプレゼントをもらえば「なぜこんなものを~」と頭を抱えてじっくりと考えさせられ、この日に細長いお菓子1本ももらって食べられなければ、どこか空虚感を感じる日が11月11日です。

    そのためか、発情期のオスだけがたくさん集まっている軍部隊でも、小隊長や部隊長がペペロを買って部下将兵たちに配る風習があります。バレンタインデーに続き、軍部隊に小包が最もたくさん到着する日なのですが、ペペロが入っている小包を受け取れなかった兵士たちに何かしてあげようとして、このような風習ができたというわけですね。笑えませんか? たくさんの力を使わなければならない将兵たちに痩せることを願うなんて、まあ太っているより細身のほうが身のこなしが速いでしょうね。

    ロッテ製菓から販売しているペペロの元祖は、日本のポッキーですね。 1983年から市場に出回ったのですが、10年ほど後である1993年に釜山で妙な状況が起こったのです。

    11月11日の日間売上高が急上昇する現象が2~3年繰り返されたのです。この地域の販売本部長が、この事実を本社に報告したでしょう。詳細理由を知るために本社のマーケティング担当者が派遣され、その地域の女子高生たちが「ちょっと痩せろ」といって、ペペロを分けて食べるという事実を確認しました。

    ロッテ製菓は、このような美しい風習が釜山の一部の女子高生だけがもっていてはいけないと考え、全国に普及させることにしました。11月11日は痩せる日、痩せるためににペペロを食べる日。大々的な広告宣伝で釜山の女子学生たちの面白い生活を全国的に真似し始めました。1996年からメディアもペペロ現象に注目し始め、21世紀に入って恋人たちが楽しむ記念日同様に発展しました。

    ペペロデーにまつわるエピソードをいくつか紹介しますね。

    まず、ペペロの販売量。ロッテ製菓が出した資料を見ると、1983年に市販され始めて以降2016年9月までの販売量は、オリジナル製品(チョコペペロ)に換算しておよそ26億個。販売されたペペロを長く伸ばして並べれば、地球10周以上回れる42万キロ。単一製品で1兆2630億ウォンの売上を記録しました。このような売上高の50%以上が11月11日前後に果たされるといいますね。

    一時は、ペペロを食べて痩せる効果を極大化させるためには、11月11日11時11分11秒に食べるという条件が出回ったりもしました。女子高生たちがこのような条件に合わせようと勉強の時間にこっそりとペペロを食べては見つかり、叱られたりももしたといいます。

    「学内恋愛禁止」という学則を掲げた一部の男女共学高校では、この日にペペロを渡してばれたら遂行評価点を減点するなどの罰を下したそうです。

    ペペロデーの成功を涙ぐましく見守った人々もいます。農民たちでしょう。

    江原道原州(ウォンジュ)のある村で1964年から11月11日を農民の日と定めて毎年繰り返しイベントを開き、1996年から「農業人の日」として公認を受けて全国的に拡大されましたが、これを記憶している消費者があまりいないでしょう。農民たちは、農業人の日が大企業の商業的な術策に振り回されると言って怒りを露にしましたが、ペペロデーを製菓会社が先に定めものでもないため、特に責任を転嫁するのも困難な状況です。

    農民たちを哀れに思ったあるIT企業で、11月11日を痩せるために努力するという趣旨を活かしてペペロの代わりに細長い餅を渡そうという運動を繰り広げましたが、帰ってきた反応は「笑わせるね!」程度で、「餅を食べたら太ります、社長のおじさん」というけんつくだけを食らったそうです。

    11月11日を韓国だけで唯一楽しむのではないでしょう。韓国よりはやや遅れましたが、日本でもポッキーの日(ポッキー&プリッツの日)を楽しむでしょう。

    中国の11月11日は韓国とは意味が非常に違います。11.11が1人で立っている人のように見えるとし、だいぶ古くからこの日をソロデー(光棍節)として考えます。中国の大学では、この日に異性間の身体接触を禁止する日としますが、中国人が好きな日本のAVスター蒼井そらの誕生日であるため、すこしおかしな状況ではありますね。

    ソロデーではあるものの、アラビア数字の形がそうであるため、中国でも細長い形状の油条(中国式揚げパン)を渡すといいます。