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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    「ヌルプム体操」とはどんな体操ですか?
  • A.
    フィットネストレーナー、一般人にとってはスリムなスタイルを誇るミス・コリア出身のチョン・アルムが、振付師ペ・ウンジョンと一緒に開発した国民体操がヌルプム体操です。

    ヌルプム体操は全21種の動作で構成されています。その場歩き、手を払いながら跳ねる、肩を前後に回転、上半身肩運動、脊椎広げ、肩をすくめる体操、背中引き、四方体操、両側に移動、骨盤健康体操、双方向に踏み出し、背中筋肉の活性化、腕払い、楽しく突き、交差して突き、縄回し、骨盤左右体操、太ももの内側回し、ふくらはぎと下半身の裏側伸ばし、背中と下半身伸ばし、深呼吸。

    セネギ(青少年)、ビチュミ(成人)、ナヌリ(お年寄り)の3バージョンがあり、セネギとビチュミバージョンは字幕が違うだけで、順序も同じで映像の内容もまったく同じです。なぜセネギ、ビチュミバージョンに分けたのか疑問に感じる部分ですね。お年寄りバージョンは、21種のうち動作が困難な7種を除いた14種だけで簡潔です。

    ヌルプム体操が紹介された後、この体操を調査していた人々は突きの動作がT-ARAの『Roly-Poly』の振り付けと似ているという事実を発見しました。2つの映像を比較してみると、ほとんどが同じなような気がします。盗作疑惑が付くだけのことがありますね。ところで、興味深い事実は、T-ARAの振り付けも1977年のジョン・トラボルタの映画『サタデー・ナイト・フィーバー』と似ているため、ティアラが問い詰めることもできないでしょう。問い詰めるといっても何を問い詰めますか。大統領が一緒に踊る国民体操をめぐって何か言うでしょうか。

    ヌルプム体操に先立ち、文化体育観光部(文体部)は国民健康体操の開発に力点を置きました。政府傘下機関である韓国スポーツ開発院が国家予算2億ウォンを受け、「コリア体操」の開発に乗り出しました。開発院に所属する体育学博士、運動発達専門家、生理学者、運動力学専門家、舞踊学者、音楽専門家、社会学者、教育部体育担当者、体育教師に大学教授までが、体操開発に投入されました。体育学博士らが頭を突き合わせて討論を行い、泰陵(テルン)選手村で運動に必要なエネルギー消費量と心拍数、筋電図検査などの実験まで経ながら、ほぼ完璧な動作を開発した状態でした。小学校から大学までを回ってテストもしたんです。

    政府に出品して公認だけを残した状態だったのに、いきなりヌルプム体操が登場したのです。文体部が国家予算まで与えて用役を発注しておいても、肝心の大統領の前で試演を行った体操がヌルプム体操だったため、コリア体操開発チームとしては呆れたでしょう。

    専門家らがアマチュアフィットネスとアイドルグループの振付師に押されてしまったのです。しかし、どこが単純なアマチュアフィットネスですか? 最高権力を背負った人々でしょう。

    コリア体操開発チームは、「権力実勢が介入されずには到底ありえないこと」だとしながら、個人のブログに「権力と大韓民国の社会にもう一度考えることができるきっかけになった」と書いておいたりもしたんです。

    この辺で振り返ってみる話、なぜ3バージョンも作ったのか理解できますか? コリア体操にかかった費用が2億ウォンですが、ヌルプム体操は3億5000万ウォンです。何か費用相当のことをしなければならないのに、特に適当なものがないためバージョン数を増やしたのでしょう。文体部の当局者は知っていてもただ見過ごし、チョン・アルムとペ・ユンジョン、そして音楽監督は、著作権を出せと要求して寄贈したといいますね。

    2014年11月26日に開かれたヌルプム体操の試演会には、新体操の妖精ソン・ヨンジェ、「まな板の神」ヤン・ハクソンらが参加し、チョン・アルムの動作を真似ています。

    そして忘れられたでしょう。動作が面白くも、かっこよくもなく、若干田舎くさいところもあるのに、このようなものを国で作ったといって真似してする韓国人ではないんですよ。

    ヌルプム体操を世界の外に再び呼び出した人はチェ・スンシル(崔順実)です。まあ、彼女が直接召喚したわけではなく、ゲートが開かれたおかげでヌルプム体操も飛び出したということでしょう。チャ・ウンテクはヌルプム体操に介入した事実を固く否定しましたが、衣装室のCCTVにチェ・スンシルが大統領の着る体操服を選ぶ場面が撮影されたのが公開され、真相が白日の下に明らかになりました。

    そんな中、スリムなスタイルとアップルヒップを誇っていたチョン・アルムは、一気にまな板に上がったでしょう。ヌルプム体操が作られた後、ファッションとライフスタイル専門のCJE&M傘下のケーブルテレビONSTYLEで注目を集め、放送出演回数も増えましたが、すべてその徳ではなかったのかという疑問を受けるようになったでしょう。世界ボディービル連盟が主催した2015年オリンピア大会に韓国代表として出場した背景も疑いの目で見ます。

    • < 2015年オリンピアに出場したチョン・アルム >

    世論が悪化するとチョン・アルムは10月29日、自身のブログに解明文を掲載しました。ヌルプム体操という名前とコンセプトが決まった状態で、自分は作業を依頼されて納品した人に過ぎず、受け取ったお金も800万ウォンに過ぎなかったという説明ですね。

    問題になりそうになると、文体部では自身が政府に提案したかのように言うように要求し、いくつかのインタビューで頼まれたとおり、自身が提案したと誤魔化すように話したことがあるとも言いました。

    その後ヌルプム体操を事実上主導し、ほとんどの用役費を得たことで知られているチャ・ウンテクから謝罪のメッセージを受けたとメッセージの内容を公開しました。

    ともかく体操1つが複数の人を地獄の燃え盛る火の穴に入れているのは事実ですね。チョン・アルムと一緒に体操の試演会に参加したソン・ヨンジェは一気にかわいい妖精から邪悪な妖女に墜落してしまったのだから。

    そもそも国民体操というものを作ろうとする発想からが笑わせる出来事でしたね。