記事一覧

ニュース

数字経済

テクノロジー

コラム

ビューティー

カルチャー

エンタメ

旅行

韓国Q&A

新造語辞典

もっと! コリア (Motto! KOREA)
HOME > 韓国Q&A

  • Q.
    韓国でよく使う日本語にはどんなものがありますか?(中)
  • A.
    ※この記事は「韓国でよく使う日本語にはどんなものがありますか?(上)」の続きです。

    カラオケでよく見られるシーンを一つ。

    …順番になって歌を歌わなければならないので、さてどの歌を歌うか、5分ほどリストをあれやこれやとひっくり返す…待っている人はもどかしいことこの上ないでしょう。すると誰か急かします。「おい、何をそんなにかきまわす?君の18番があるじゃないか?」…。

    「18番(シッパルボン)」。愛唱曲あるいは自慢の歌という意味ですね。もちろん「18番」を間違いなく日本語だと言うのは難しいです。しかし韓国で愛唱曲を歌い始めたのは、日本の影響が大きいのは事実でしょう。

    「18番(おはこ)」は日本伝統歌劇の歌舞伎に由来します。江戸時代に登場した歌舞伎の数多い人気作品の中から18編の傑作を選定して、これを「狂言18番」と呼んでいたところ、転用されて「最も得意なわざ」という意味に使われていますね。

    きちんと歌うことができる歌を全部合わせても指で数えるほどしかないし、他人が聞いてくれるほどの曲が1~2曲しかなくても、カラオケに行くたびにその歌を歌えば彼・彼女の「18番」になってしまいます。

    先だって工事現場で使う日本語を紹介しましたが、ノガタ(どかた=土方)という言葉は韓国人の日常生活でも結構使われます。就職する気が全くなく部屋の隅にごろごろする人を見て、「芸がないとなら土方もすれば?」と舌打ちしたりします。現場では「アタラシ(あたらしい)」を新参(しんざん)の意味で呼びますが、欲望に飢えた男たちならばこれを「生娘」と聞いてしまうでしょう。

    道端の屋台でもほぼ毎日登場する日本語があります。まさに「オデン(おでん)」です。が、意味は日本と少し違います。日本では料理そのもの名称ですが、韓国では「かまぼこ」を指します。

    最近では学校でいじめられる子供を「ワンタ」と書きますが、しばらくのあいだ「イヂメ」で通用しました。今もいじめられたことを「イヂメ タンハダ」と言う人がたまにいます。

    このほかに韓国人の口によく登場する日本語をご紹介しましょう。

    テンカン:ごり押し(癲癇に由来)
    タクァン:たくあん
    タデギ:みじん切りした調味料
    スキダシ:「突き出し」、おつまみ
    ブンパイ:分配
    サラ:皿
    ワリバシ:割り箸
    シダバリ:部下、手下
    シマイ:終える
    トゥデポ:無謀
    キス:傷
    ショウブ:勝負
    トントン:損も利益もない
    ソデナシ:袖なし、ノースリーブ
    レヂャ:人工皮革
    フカシ:虚勢
    チラシ:チラシ
    サバサバ:容易に終える
    クサリ:叱られる、小言
    アッサリ:すっきりと
    オヤボン:親分
    イパイ(イッパイ):いっぱい
    ユドリ:柔軟性
    ヒヤシ:冷やすこと
    タライ:盥(たらい)
    ヤミ:闇、裏取引
    ナガリ:流札、花札などで「上がり」がいない
    ワサビ:わさび
    ヤキマンドゥ:焼き餃子
    ヨウヂ:つまようじ
    コンヂョ:根性
    ヨイ~タン:よういどん
    ハコバン:小屋
    ソバ:そば
    ソボル:そぼろパン
    スシ:すし
    オボン:お盆
    スメキリ:爪切り
    ピキ:客引き
    ピラ:チラシ
    サムマイ:三流

    「モッチダ(粋だ)」「プムナダ(品がある)」など「感じがいい」という言葉の代わりに「カンジ ナダ」という言葉も非常に多く使われます。日本で使う漢字と意味が少し変わっていませんか?

    日本語ではありませんが、日本の英語式表現をそのまま借用して使う言葉もたまにあります。代表的なのが自動車を駐車したり、出発を誘導するときに使う「オーライ」です。英語の「All right」の日本式発音が韓国でもそのまま使われてきました。ブラジャー、パンチュ(パンツ)、スレパ(スリッパ)、カラー、コロケ(コロッケ)、トンカス(トンカツ)、アイロン、バテリ(バッテリー)、バケス(バケツ)、リモコン、グリス(潤滑油)、コプ(コップ)、テレビ、コンセント、カンニング(Cunning)。羅列してみると結構な数になりますね。

    このほかに食べ残しという意味の「チャンパン(残飯)」や「クラ(うそ)」も日本語だと言いますが、異なる意見もあります。

    あるときは「クラ」が日本語なのか否かで論争も結構おきました。嘘(うそ)を意味する日本語は「うそ」あるいは「いつわり」なので、俗語の「クラ」の語源にはなりえないという主張が出ました。

    しかし、日本語由来の言葉という主張も少なくなかったですね。行方を隠す(くらます)、または他人の目を騙す(目をくらます)という意味の「くらます」を、賭博場で「ネギクン(賭博師)」らが「八百長(やおちょう)」の隠語として使ったところ、それが拡張されて嘘や詐欺師という意味になったのです。

    日本の流行語や造語が玄海灘を渡って、インターネットでたいへん有用(?)に使われたりもします。これについてはまた次の機会にお届けしますね。