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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    ドラマ「人間レッスン」に出てくるヤドカリは何を象徴しますか?
  • A.
    『人間レッスン』に、メタファーとして 活用されるものがいくつかあります。
    カブトムシ、折りたたんだ菓子袋、そしてヤドカリ。

    登場人物たちの気持ちや関係を隠喩しているので、これに注目してみるのもドラマを理解するのに役に立つでしょう。

    ジス(キム・ドンヒ)とギュリ(パク・ジュヒョン)が受け渡すお菓子は2人の関係を表しています。ギュリはジスの家に行くたびにいつもお菓子を買います。ジスにお菓子を薦めて、食べ終わった後はお菓子の袋を手紙の形に折って投げたりします。ジスはギュリが捨てたゴミをロッカーに集めておいて、においを嗅ぎます。急迫した状況で家を出なければならない状況でもギュリのゴミを持っていくほどです。

    監督は「お菓子の袋は彼らが違う形で出会ったら初恋の相手になるべきだったのに、こうした未練のしるし」と説明しました。

    ジスにヤドカリをあげるギュリ。

    ヤドカリは作品の叙事を貫くメタファーです。ジスとギュリの関係を象徴するだけでなく、ジスの感情を表すものです。ジスは自分と似たようなところが多いと言ってヤドカリを育ててきました。世界の誰にも心を開かないジスはヤドカリにだけは愛着を持って面倒を見ます。

    しかし、お金を盗んだ父によって死んでしまい、ギュリがジスにヤドカリを新しく買ってあげました。

    校内暴力の被害者でありながら大人たちの面倒を見てもらえない孤児のような境遇のジス、ジスはお金を世の中から自分を守る殻だと思ってきたのですから、お父さんが壊した殻をギュリが新しく買ってくれたわけです。

    ジスがギュリがくれるヤドカリを受け入れるのは、ギュリへの愛着が強いことを意味するでしょう。

    ヤドカリの象徴は続きます。(ネタバレになることがありますので、読む時はご注意ください)

    担任の先生が警察署に行き、援助交際斡旋事業を一緒にしていたイ室長が死んだという事実を知ったジスは、ヤドカリをどうしようか悩みます。ギュリと一緒にヤドカリを連れて旅立つか、他の人にヤドカリを任せて自分が全ての罪を背負ってギュリを保護するか。

    援助交際でお金を稼ぐミンヒ(チョン・ダビン)はヤドカリを任せるほどの人物ではありませんでした。ジスの殻は結局ジスでした。

    よりによってなぜカタツムリ、カニ、クサガメではなくヤドカリがジスとギュリの関係を暗示する道具として使われたのでしょうか?

    ヤドカリは皮膚がとても弱いので、巻貝の貝殻がないと生きていけません。貝殻がなくなったら他の貝殻に乗り換えなければなりません。

    ジスがそれだけ弱い存在だったという意味でもあります。
    ギュリが事業を共にしようという提案をしなかったら、自分の二重生活がばれ父がお金を盗んで逃げ殻が割れた時、とても弱い存在になったジスは一人で生きて行く方法を見つけられなかったでしょう。