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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    韓国で一番住みやすい都市はどこですか?
  • A.
    韓国の歌謡の中に、こんな歌詞があります。

    「他郷も情が沸けば故郷だってさ」

    歌詞を拝借するのであれば情を抱いて暮らせる都市が住みやすい都市でしょうが、隣に住んでいる人が誰かも知らない世の中だから、情を住みやすい都市の基準にすることは難しそうです。

    家の価格で言えば、江南、瑞草、松坡などの漢江より南に位置している自治区の俗称「江南3区」が当然選ばれるでしょう。しかし、お金が多い財閥やトップスターを見てみると、住んでいる場所は別にあります。今だに漢南洞や奬忠洞、城北洞などに豪華な大住宅があるのです。

    さらに、いくら資本主義社会だとしても大っぴらに家の価格を基準にするのは躊躇されます。前述した3か所は教育環境もいいと言いますが、理由はつまり大学入試の名門塾が多いと言うことなのですから、度を超して世俗的な感じさえ受けます。

    住みやすい都市の順序を決めることは難しいですが、とても簡単な方法がない訳ではありません。人口の移動を観察すればいいのです。住みやすいことろには人々が集まるでしょうし、住みにくいのならそこから抜け出すでしょう。

    ただ、ここ10年間の人口移動を見てみるとはっきりとした兆候を探し出すことができません。慶尚北道の金泉と尚州市を零に挙げてみましょう。近距離にあるこの二つの都市の人口を見てみると、金泉は減っていますが尚州は増えています。恐らく、家の価格も尚州が金泉よりも上がったことでしょう。だからと言って、尚州よりも金泉が住みやすくなったと主張したら金泉の人たちは余り同意しない事でしょう。高速道路網が尚州にできたために、鉄道を中心として発展した金泉の交通の要衝地という利点を奪っていったという理由以外は特に変わった点がないからです。

    ここ2年間の人口移動の状況を見ても同じです。2012年には京畿道の金浦市、2013年には釜山の機張郡の人口が一番増えたのですが、理由はアパートが多く建ったからです。もちろん、都市部の周辺地域に大規模のアパートが造成されたので、環境がいいという要素がないとは言えませんが、市民の大部分がソウルに職場があるため、出退勤の交通地獄を味わうことになります。

    昨年人口が多く抜け出た地域としてソウルの鍾路区と釜山の影島区、光州の東区、ソウルの中区などを挙げることができますが、住居環境が極端に悪化したと言う説明は当てはまりません。都市周辺に新しい住宅団地ができれば引っ越す人が多いと見ることが正しい説明です。

    住みやすい都市を選ぶ審査基準がまったくない訳ではありません。言論機関や団体が「住みやすい都市」や「隠退後に住みたい都市」などの名前で選定している場合もあります。

    例えば、ある経済新聞が不動産の専門家を対象にアンケートをして「住みやすい都市」を江南3区と龍山などの10大都市を選びました。これはまだいい方です。選定に対する対価がないからです。ただ、リサーチ会社がする調査の費用を負担したり、広告の協賛などの方式で対価を与えた都市だけを対象に住みやすい都市を選ぶ事例もあるので、メディアから出たとしてもすべて信じることはできません。

    なぜリサーチ費用を負担するのかというと、自治団体の首長たちが選挙に有利になると判断するからです。自分が在任している間に自分の地元を住みやすい都市にしたという広報資料として利用しやすいからです。

    国連環境計画(UNEP)が公認したリブコムアワード(The international Awards for Liveable communities)に参加する都市も似たような理由からではないのか気になります。この賞に挑戦する都市はもちろん日本にもたくさんありますが、公正な評価を受けてみたいという理由からだと信じたいものです。

    リブコムアワードにて賞をもらった都市としては大田の西区と京畿道の水原市、全南の順天市、ソウルの松坡区、慶南の統營市、慶南の河東郡、江原道の高城郡などがあります。詳しいことはリブコムのサイトを訪問してみてください。

    説明がとても不足していますね。でも、仕方がありません。うっかり正確な説明を伝達してしまうと、その地域の住民に文句を言われてしまうことを考慮して間違った情報を伝達するかもしれませんから。韓国に数年でも居住する考えがおありなのなら、目的にあった都市を選定されることがもっとも望ましいと言えます。

    参考までに、「隠退後、住みたい都市」として選ばれた都市のリストをお教えします。

    1位 - ソウル、江南3区・龍山
    2位 - 京畿道、板橋・盆唐新都市
    3位 - 濟州
    4位 - 京畿道、龍仁市
    5位 - 京畿道、楊平郡
    6位 - 慶尙南道、巨濟市
    7位 - 京畿道、坡州・一山新都市
    8位 - 釜山
    9位 - 全羅南道、麗水市
    10位 – 仁川、松島国際新都市