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  • Q.
    辛丑年は白牛の年だと言いますが、白牛が多いのですか?
  • A.
    上の写真は慶尚南道(キョンサンナムド)咸陽(ハムヤン)にある国立畜産科学院家畜遺伝資源センターで飼う白牛の母牛と子牛の姿です。

    センターで2009年、3頭の白牛を収集した後、現在飼育している白牛は25頭です。全国の農家で飼育している韓牛と肉牛を合わせた数が300万頭を超えることを考えると非常に珍しい存在です。

    貴重な存在なので神聖視されます。おとなしく惜しみなく与える牛、ここに縁起を担いだため大変貴重なことでしょう。

    夢に現れただけでも福が自然に転がり込んでくるそうです。

    白牛を見る夢は名誉が生まれ連れて帰ると財物や祝い事が生じるという縁起のいい夢です。
    白牛を触る夢を見たなら近いうち、または近いところで大きなチャンスが生まれるはずだから、あらかじめ準備しておくようにという天からのメッセージだと解釈します。白牛が逃げたり死んだりすると悪夢になったり、白牛が死ぬ時に吐き出す血を全身に浴びる場合、ぞっとすることはありますが、とても縁起のいい夢だと思われています。

    100万分の1というわずかな確率で生まれる白牛は突然変異です。厳密に言えば先天性色素欠乏症アルビノ(Albino)種です。

    メラニンを生成させる酵素(タイロシネース)形成が不可能で、体の色素が欠乏して白色になったのです。体、体毛、髪の毛、眉毛はもちろん、まつげまで全部色素が抜けます。目に虹彩の色素がないため血管がそのまま映し出されて赤眼になります。

    アルビノは人、哺乳類、ヘビ、鳥*、魚はもちろん植物**にも現れます。
    人類学の観点から見ると現生白人の祖先が患っていた疾患だといいます。そのためか東洋人より西洋人にアルビノ症状が多く出ます。過去の痕跡が金髪碧眼に代表される白人の特性につながったとも考えられます。

    * アルビノ症状で生まれた白いカラスは「すべてのカラスは黒い」という一般化の誤りを批判する根拠として使われます。
    ** 本当に珍しい現象ですが植物がアルビノにかかる場合、葉緑素が紫外線に破壊されて光合成ができないため、まもなく死にます。寄生植物やキメラだけが生き残ることができます。

    肌が白っぽいと羨む人もいますが、アルビノは致命的な弱点を持っています。メラニン色素がなく紫外線に完全に露出するため皮膚がんになる可能性が高く運転免許証の取得も困難です。

    アルビノが西洋人に多い症状だと言いましたが、驚くべきことに黒い肌の黒人のアルビノ発現率が1万分の1と、ヨーロッパの3万6000分の1よりも高いと言われています。

    • アルビノの赤ちゃんをおぶったタンザニアの母親たち



    肌の色が白いだけで他の身体特性はそのまま残っています。そのため白人と姦通して出来た子という誤解を受けます。ただでさえ紫外線が強いアフリカ大陸では暮らしにくいのに、アルビノの身体が幸運をもたらすという迷信まで周り獲物にされたりもしました。

    「アルビノの肉を食べるとエイズが治る」
    「アルビノの髪を網に入れると魚がよく釣れる」
    「アルビノの手足を食べると家庭に福が生まれる」
    「選挙に勝つためにはアルビノの身体を持ってないといけない」

    このような迷信でアルビノを専門に狩る狩人がおり、アルビノの遺体1体当たり35万ユーロで取引されているそうです。タンザニア***では、家族が夕食を食べていた家に突然押しかけた不審者が17才の少女アルビノの足を切り落とし38才の女性が寝ている間に夫に腕を切られる事件まで起こりました。

    *** タンザニアのアルビノ発現率は1400分の1と世界で最も高いです。

    動物の場合、アルビノは人間に比べて生存確率が低いです。
    人間にとっては霊物とされる白蛇、白鹿も暮らしが危険なのは同じです。肉食のアルビノは視力が悪くて狩りができず、草食アルビノは捕食者から逃げにくいのです。何よりも紫外線遮断能力が欠乏して野外活動そのものが危険なので野生のアルビノ動物の暮らしは百尺竿頭に一歩を進むのも同然です。

    それでもインドでは白牛、タイなどの仏教国家では白象が神聖視されて保護されているのですから幸いです。