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「ノーベル医学賞」ジョン・オキーフ博士が20日、韓国に来る

空間認識をする細胞を究明し、認知症の治療の道を開いた 

    • < 図:場所細胞の機能と格子細胞の役割 >

    人間は特定の場所で経験した記憶をもとに、そこに戻ったときに喜びや悲しみを思い出したりする。しかし、人間の脳が複雑な場所や位置をどのように把握しているかについては、何世紀もの間、知られていなかった。

    1971年、ジョン・オキーフ(John O'Keefe)博士は、ラットが特定の場所にいるときに海馬の神経細胞活性部位が変化することを観察した。人が広い運動場の真ん中にいる時と隅にいる時を認知するのと同様にラットも自分が存在する場所を認知していたわけである。オキーフ博士は、この部分を「場所細胞(place cell)」と命名した。

    ジョン・オキーフ博士は今月20~21日、ソウルで開かれる「第1回基礎科学研究院(IBS) - 英国王立協会リサーチコンファレンス」に参加するために訪韓する予定だ。

    モセール(Moser)夫婦は、2005年に一歩進んで、ラットが六角形の空間を移動するたびに、「嗅内皮質(entorhinal cortex)」で、ある細胞が活性化することを発見した。

    各細胞は、マウスが特定の領域に置かれているときに規則的なパターンで活性化したが、これを覚えてGPS機能をすることが分かった。つまり出発点からどれだけ離れて、どの方向に移動したのかなどの情報が記憶されている空間なのだ。

    特にモセール夫婦は格子細胞(grid cell)が、光が遮断された空間でも有効に働き、暗い部屋でも動物が場所を見つけて動くことができる原因となることを突き止めた。モセール夫婦の研究成果により、昨年、米国のドレクセル大学とペンシルバニア大学の研究者は、人の脳にも格子細胞があることを発見した。

    今年のノーベル生理医学賞受賞者の成果は、アルツハイマー病や心的外傷後ストレス障害など、脳の空間認知能力のシステムに問題が発生する疾患を理解するための新たな地平を開いたという評価を受けてる。また、専門家はこの研究が記憶力、思考などの認知能力が場所・格子細胞と一緒にどのように動作するかについての研究に活用されることができ、脳疾患の分野で大きな貢献をしたと口をそろえた。

    KISTのイ・チャンジュン神経科学の研究団長は、「心的外傷後ストレス障害、認知症などの疾患は、このように特定の場所を認識する脳機能と関連がある」とし、「これらの成果は、関連疾患の治療に活用することができる」と付け加えた。
  • 毎日経済_ウォン・ホソプ記者 / キム・ミヨン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2014-10-06 23:01:18