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Fasoo.com、パラダイムを変えたセキュリティサービスで米国進出

www.fasoo.com 

    • < チョ・ギュゴン代表がFasoo.comのデータセキュリティサービスについて説明している >

    「21世紀のセキュリティ戦争を行っているのに、20世紀の武器を使って戦っているから、最近のセキュリティ事故が起きるのです。いまやセキュリティの概念を完全に変えなければなりません」

    データセキュリティ専門企業「Fasoo.com」のチョ・ギュゴン代表は先月、米国サンフランシスコで開催された世界最大のITセキュリティ展示会「RSA2015」で、1年で完全に変わった会社の位相を感じて帰ってきた。以前は、事業をしようと先に手を差し伸べても見向きもしなかったIBM、Bell Systemなどのグローバル企業が今年はむしろ、先にFasoo.comに接近してきたからだ。事業提携を結ぶための具体的な議論も活発になされ、Fasoo.comは今年、米国市場への進出を最優先目標に掲げている。

    チョ代表はFasoo.comがこれまでのセキュリティサービスとは概念が異なる新しいデータセキュリティサービスを提供しながら、世界最大のセキュリティ市場である米国で注目され始めたと説明した。彼は「20世紀はセキュリティが必要なコンテンツの周りに城壁を築いて外部の出入りを制御する方式がほとんどだった」とし、「しかし、21世紀には内部者が保安コンテンツを持ち出して問題を起こす場合が多くなり、データ自体の動きを追跡して管理するデータセキュリティの必要性が増加している」と語った。

    Fasoo.comのデータセキュリティ製品「Fasoo Enterprise DRM(Digital Rights Management)」を使用すると、すべてのドキュメントが暗号化されて内部のセキュリティ文書が流出しても、外部で文書の内容を把握することができない。韓国では、中国企業と手を組んで会社内部の機密を横流したり、北朝鮮がハッキングをするセキュリティ上の問題が頻繁に起こるため、データセキュリティが早くから定着した。韓国の1200社以上の企業や政府機関がFasoo.comの製品を利用している。

    米国は外部ハッカーの攻撃に備えることにのみ集中してきたが、昨年、米国ソニー社の大規模なハッキング事件が発生した後からは、内部者によるセキュリティ事故に警戒心を持ち始めた。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の暗殺と関連した映画『インタビュー』を製作したソニー社がハッキングされたとき、最初は北朝鮮が疑われたが、最終的にはソニー内部者の犯行という事実が分かったからだ。

    韓国市場で、すでに検証されたFasoo.comのデータセキュリティの技術力が米国で注目されたのも昨年からだ。チョ代表は「米国の競合他社は、しっかりとした市場が形成されておらず、データセキュリティ製品の開発が停滞しているため、Fasoo.comと手を組もうとするグローバルセキュリティ企業が増えている」と明らかにした。昨年には、IBMのコンテンツ管理ソリューションに「Fasoo Enterprise DRM」がオプションとして提供され始めた。

    昨年の売上230億ウォンのほとんどが韓国内に集中していたが、今年からは米国進出を通じて310億ウォンの売り上げを目標にしている。チョ代表は「米国のセキュリティ市場が国内よりも50倍以上大きいだけに、Fasoo.comのデータセキュリティサービスが、米国で定着すれば、今後5年以内に世界100位内のソフトウェア企業に進入することも不可能ではないだろう」と抱負を明らかにした。
  • 毎日経済_キム・ジェグァン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-05-12 17:01:14