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[コラム] 韓国の女性は性を売ってはいけない

自分の体も自分の思い通りにできないのか - 憲法裁の決定に泣き崩れた性売買女性たち 

  • 自発的にも性を売ることができない。エイプリルフールを1日後に控え、韓国の憲法裁判所は性売買をした男女を処罰する「性売買特別法」は合憲という決定を下した。

    以前にも性売買への処罰が違憲なのかを判断してほしいという要求が7回もあった。しかし、これまでに行われた事件は、私娼街の抱主などが提起してきたものであるのに対し、今回は13万ウォンを受け取って売春をして摘発された女性が提起したものということから、関心を受けた。

    この女性は「性売買でなければ生計を維持することができないのに、これを処罰することは、個人の性的な決定権などの基本権を侵害している」と主張した。簡単に言うと「私の体を、なぜ国家が管理しようとするのか。国家は何もしてくれないのに、体を売ることを止めるなら、私はどう生計を立てるのか」という訴えだ。

    9人の憲法裁判官のうち、3人は「性売買を処罰するからと根絶することはできない。性売買女性の生存権を脅かす。性売買が陰性化する」という理由で違憲との主張を繰り広げたが、多数は処罰しなければならないということに賛成した。性売買処罰法が合憲だと主張する理由は三つだ。処罰しなければ組織犯罪につながる可能性があり、自発的な売春も社会の安定を害する。そして、刑事罰により性売買をする人が減少したという点も挙げた。

    合憲論者が掲げる理由のうち、性売買が減少したというくだりは納得し難い。さらに暗い場所に入り込み、政府の取り締まりの意志が固いと見ることも難しいためだ。一例として、性売買の顧客22万人の個人情報が入った「江南性売買リスト」が出てきた後、警察は113人を検挙し、事件を終えた。性買受として検挙された男性は、たったの7人だった。リストの信憑性が不足しており、捜査対象から除外したというのが警察の釈明だが、もし適切に捜査した場合はどうなっていたのか分からない。このような資料を憲法裁判所が合憲決定の根拠としたのだから、合憲の理由としては不十分だ。

    • < 緑は合法、黄色は制限的な許容、赤は違法、黒はその条項がない国 >

    憲法裁の決定が出たからと、完全に正しいと見ることはできない。国ごとに異なり、実際に法を厳格に執行するかどうかも政策決定者の意志にかかっているからだ。米国の場合、ネバダ州を除くほとんどの州が性売買を禁止しているが、実際には取り締まったり処罰しない州がはるかに多い。

    憲法裁判所の決定が出た後、女性界は歓迎する反応を示し、いくつかの放送では性売買の取り締まりを強化しなければならないと促している。問題は、これまで、力もなく後ろ盾のない人だけが主に取り締まり対象になってきたという点だ。権力と富を持つ人々がスキャンダルで取りざたされても、起訴さえされたことがない。

    性売買特別法が悪法であるかどうかは簡単に結論を出すことができない。ただし、確実なのは「悪法も法」としての尊厳を持つためには、公正に執行されるべきだということだ。歓楽のパーティーは金持ちだけが享受できる権利とされては本当に困ってしまうということだ。
  • O2CNI_Lim, Chul | 入力 2016-04-03 08:00:00