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[コラム] 物乞い
- 韓国に、都市伝説にでも出てきそうな人物がいる。地下鉄で物乞いをする子どもたちが配るチラシに登場する人物だ。
パク・ヒョンウ伝道師。子どものチラシが数十年間変わらなかったため、この人は何十年間も年を取らずに伝道師の生活をしてきたことになる。こんにちは。
私は幼いときに安山(アンサン)に位置する
愛の家で過ごすようになりました。
ところが、現在愛の家が徐々に傾いて
います。家のある子どもたちは
家に帰ることになりましたが、家のない
19人の子どもたちは、今、パク・ヒョンウ伝道師
が面倒を見てくれています。
院長も先生もいなくなった今
私たちは苦しい日々を送っています。
どうか、私たちを実の子どもだと
実の弟、妹だと考えていただき、
100ウォン玉ひとつだけでもいいので
少しずつだけでも助けてください。
そうしていただければ、この次からは
私たちよりも苦しい子どもたちを見たら
助けながら生きていきます。
愛しています。
チラシに記載された場所が、京畿道安山(アンサン)であるからか、安山と繋がっている首都圏電車4号線で物乞いをする子どもたちが主にこのチラシを持ち歩いている。
事実確認の結果、安山には「愛の家」があるが、孤児や身体障害者とは関係がなく、カトリックが運営する高齢者の保護施設だ。2012年5月に実体が確認されたが、パク・ヒョンオは実際に貧民街で物乞いをしていた実在の人物だった。もちろん伝道師ではなかった。今は足を洗って中小企業に通っているというが、チラシは彼が物乞いをする時に下で使いをしていた子どもたちが、彼の名前を借りて作ったものだという。
物乞いで生活が可能だろうか。もちろんだ。ある客車で1両ごとに1000ウォンを受け取れる前提で計算すると、1000ウォン×10両×150(地下鉄駅舎1日平均の運行量)=150万ウォン。 5分の1になっても30万ウォンだ。
物乞いをする子どもが10人ならどうだろうか。このため、数十年間物乞いをして集めた金を、スイス銀行に預けてあるという噂が出回ったりもした。
ほとんどの物乞いは年を取った不良者が、行き場のない子どもを搾取する仕組みになっている。ところが、女子高の同級生から詐欺と脅迫に遭い、体を売って稼いだ金を渡し続けながら、18年間奴隷同然の生活を送った40代の女性もいる。
釜山に住むクォン氏(44)は、他の同級生の紹介で知り合った同級生のキムさん(44)に、交通事故の示談金とヤミ金融の業者に渡す急な金が必要だという理由で、300万ウォンと400万ウォンを受け取った。人をあまり疑わない弱い性格のキムさんは、その後、クォン氏の奴隷同然の生活を送ることになる。
四柱推命(運勢)が悪く、祭祀をしなければ周りの人が死ぬからと、祭祀費用として数千万ウォンをだまし取ったり、夫婦が一緒に暮らすと刃傷沙汰になると言い、別々に住むようにした後、キムさんを遊興酒屋で働かせた。遊興酒屋で働いている間、客との性関係が映った動画が市中に流布されたとだまし、これを解決するために6000万ウォンを借りて使ったからと、6年間で5億ウォンをだまし取った。
キムさんは遊興酒屋で働き、客に体を売って稼いだ金を毎日クォン氏に送金した。キムさんが考試村とサウナを転々としながら悲惨な生活をしている間、クォン氏はデパートで思う存分金を使いながらVIP顧客になり、海外旅行に行きながら豪華な生活を享受した。
どうして18年間もまんまと騙されたのだろうか。1日1日の暮らしがいっぱいいっぱいになると、明日を見失うこともあるのかもしれない。 - O2CNI_Lim, Chul | 入力 2016-08-07 08:00:00