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クーパンのキム・ボムソク代表のニューノーマル

    先月30日、政府が1.5トン以下の小型貨物車を許可制から登録制に転換するという内容の「貨物運送市場の発展方案」を発表すると、クーパンのキム・ボムソク代表(38)は安堵した。いよいよクーパンロケット配送の法的根拠が設けられたためだ。 2010年にクーパンを創業したキム代表は、既存のEコマースと差別化する方法はないかと苦心している中、ロケット配送を導入した。たくさん売れる商品を中心に大量購入した後、自社物流センターに保管し、注文が入ってくればすぐに配送するというのがサービスの基本概念だ。迅速性だけでなく会社の従業員である「クーパンマン」が直接配送し、親切を高めたという点で良い評価を受けた。自社物流センターと人材、宅配車両が必要で、初期費用があまりにもかかる指摘があったが、流通業界に「早い配送」ブームを起こし、「ニューノーマル」としての地位を確保している。

    キム代表は、「ロケット配送がクーパンだけの唯一のサービスという点で価値が大きい」とし、「今は赤字を見ても、将来を見据えて投資する」と伝えた。彼はブラックロックなどのグローバル投資会社を通じて、4億ドルを超える資金を確保し、昨年6月には孫正義会長のソフトバンクから10億ドルの投資を誘致して注目を集めた。この資金の相当額は、ロケット配送のための物流センターの建設と配送人材の拡充などに投入されている。

    米国ハーバード大学政治学科と経営大学院(MBA)を卒業したキム代表は、学生時代にすでに雑誌を創刊し、ニューズウィークに売却するほどの実業家気質を持って生まれた。2002年にボストンコンサルティンググループに入社したが3年で退社し、月刊誌『ヴィンテージメディア』を創立した。このような創業経験は、市場のニーズに応じて新しいサービスとコンテンツを作り、ニューノーマルとして定着させる目を持つようにし、クーパンを成長させる滋養分になった。クーパンはロケット配送のほか、簡便決済システムであるロケットペイ、商品推薦サービスのアイテムマーケットなどと、多様な試みをしている。革新は成果につながり、設立2年で損益分岐点を超え、昨年には国内Eコマース業者の中で初めて売上1兆ウォンを突破したりもした。

    しかし、成功を確信するにはまだ早い。Eコマース市場のニューノーマルを作るために莫大な資金を投入したが、これを収益に繋げなければならないという課題を抱えている。「クーパンを野球に例えるなら、1回表も終わっていない。後日、人々の口からクーパンがなくてどうやって生きるのかという言葉が出てくるように走らなければならない」キム代表がよく言う言葉だが、クーパンは直面した機会と危機を上手く反映している。
  • 毎日経済 チャン・パクウォン論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-08-31 19:45:04