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[コラム] キム・ヨンラン法を作った推動勢力は大法院?

  • もう約20日後に迫った腐敗防止法(キム・ヨンラン法)の施行をめぐり、言われていることが多い。絶対にここまですべきなのか、人を締め付けすぎではないか、息もろくにできないのではないだろうか。

    いわゆる、短く言えばギフト、悪く言えば賄賂をやり取りする位置にいる人々の不満の声だ。しかし、下層に降りていくとキム・ヨンラン法が韓国社会の腐敗指数を急激に落とすだろうという期待をあまりせずにいたりもする。他人の視線が届かない暗いところで金がいっぱい入ったリンゴ箱はいまだに渡されており、隠密な請託は変わらないだろうという見方もある。

    キム・ヨンラン法に抵触する数多くの事例の中で、司法当局の目の外に出た人だけが処罰を受けやしないかと心配が先立ったりもする。最近流行する言葉でケバケ(Case by Caseに略語)の典型的な法の適用になる可能性があるという憂慮だ。そのため野党では、初めからこの法律を管掌する新しい事情機関を作りたがる。一言で言えば、検察と警察を信じられないということだろう。

    実際に大法院(最高裁)が国民情緒に応じた適切な判決を下していたなら、キム・ヨンラン法は生まれていなかった可能性が大きい。

    この法律の背景が、ベンツとダイヤのリング、シャネルのバックなどをプレゼントされた女性検事が、「愛情表現でもらったもの」とし、無罪を宣告されたためだ。大法院は「他の女性にこれ以上会わないという約束の証でもらった」という女性検事の主張を受け入れた。

    大法院の判決は、国民はもちろん法曹界をも憤怒させた。庶民らは「カニがザリガニの肩を持った形([ザリガニはカニの見方をする]という韓国のことわざをもじった言葉)」として受け入れた。香港の政治経済コンサルタントは、アジア16カ国の腐敗程度を分析した報告書を出したが、韓国は10点満点で7.05点を受けた。スコアが高いほど腐敗したという意味だが、韓国と似たような成績を出した国は、中国とフィリピンくらいだ。報告書は、「韓国は発展途上国レベルの腐敗スコアを持つ唯一の先進国だ」と評価した。

    韓国の腐敗指数が高い決定的な理由は、腐敗が摘発された時に司法当局の処罰適切性が8.95点で非常に高いためだった。つまり、ほとんど処罰を受けないという意味だ。ベンツ女性検事事件が無罪と釈明されたため、報告書が正しさを証明したわけだ。

    ドイツやデンマーク、スウェーデンなどの公職者が清廉な西欧ではなく、ベンツ女性検事事件はアジアでも処罰を受けるしかない重罪に属す。香港法務部高位検事は、財産増殖理由をきちんと説明できなかったという理由だけで、1700万ウォンを返却した事例がある。

    実は、韓国でもベンツ女性検事事件は処罰を受けることができた。大法院が包括的賄賂罪という判例を出したことがあるためだ。包括的賄賂罪とは具体的な事件の1つ1つごとに対価関係がなくても、全体的に見た時にこの程度の特殊関係であれば、賄賂として見るというものだ。2007年から2010年まで頻繁に金品を受けた女性検事に該当する判例だ。

    それでも大法院は、自ら確立した判例さえ適用せずにこっそりと排除したのだ。法の条項がないため釈放されたのではなく、司法当局が司法の定義を守らないため検事が釈放されたのだ。

    キム・ヨンラン法施行を控えて、あらゆる不満の声を向こうには、法律を作った元凶は大法院法官たちであるという事実が位置している。これは、「キム・ヨンラン法が施行されても、司法正義が成されるか」という問いを依然として投げる理由でもある。
  • O2CNI_Lim, Chul | 入力 2016-09-04 08:00:00