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「蒸留焼酎」の華麗な復活…相次ぐ新商品の発売

酒類業界停滞にも「火堯」・「一品真露」の売上が急上昇…ロッテ・麹醇堂も加勢 

    高級焼酎の代名詞である「蒸留式焼酎」が華やかに復活している。酒精(エタノール)に水を混ぜた一般的な「希釈式焼酎」とは異なり、穀物を発酵・蒸留させる蒸留式焼酎は、製造方法が難しく、これまで少量生産されてきたが、最近では「プレミアム」イメージを背負って大きな人気を得ている。現在、国内蒸留式焼酎の二大山脈は、2005年に廣州窯(クァンジュヨ)グループが発表した「火堯(ファヨ)」と、2006年にハイト真露が出した「一品真露」だ。10年近く2製品が両分してきた蒸留式焼酎市場は、今年に入って激変の兆しがはっきりしている。他の酒種が停滞しうち着実に成長している蒸留式焼酎市場で、酒類業者が相次いで新製品の発売を大幅に増やしているためだ。

    昨年の秋、地方焼酎メーカーの金福酒(クムボクジュ)が「帝王」を発売した後、今年初めにリニューアル製品を出し、去る5月に大企業ロッテ酒類は、アルコール度数25度の蒸留式焼酎「大丈夫」を発売し、競争に加勢した。ロッテは近いうちに21度の大丈夫の新製品も投入する計画だ。

    これだけでなく、ペヘジョン都家と麹醇堂(クッスンダン)などの伝統酒メーカーも、蒸留式焼酎の新製品を発売し、国内市場を熱くしている。麹醇堂は先月、芋蒸留焼酎「驪(リョ)」通じて既存のコメ中心の蒸留焼酎に変化を予告して乗り出した。

    大量生産が可能な希釈式焼酎とは異なり、蒸留式焼酎は穀物やジャガイモ、サツマイモを蒸した後、酵母を入れて発酵させ、再度蒸留しなければならない複雑な製造方法のために価格が比較的高い。25度の「火堯」375ミリ瓶は、量販店の小売価格基準で1万1000ウォン、同じ容量の「一品真露」は9400ウォンだ。このように高価な焼酎に消費者が再び集まる理由は、蒸留式焼酎が持つ卓越した味にある。希釈式に比べて穀物発酵原液を味わえて後味がすっきりしており、高いアルコール度数にもかかわらず二日酔いはかえって少ない方だ。希釈式焼酎がアルコール度数を下げ続ける低度競争だけに注力するうえ、果実味を加えたリキュールまで加勢しながら、むしろ本格的な焼酎の味を求める消費者が再び増加している点も蒸留式焼酎の人気を上手く説明している。

    飲み会文化が変わったことも影響を及ぼした。麹醇堂の関係者は、「以前には希釈式焼酎を活用した爆弾酒などの爆飲文化が支配的だったが、今は家での小規模の集まりで高級伝統焼酎を楽しもうとする需要が増えている」とし、「特に、若い消費者層も蒸留焼酎に集まりながら、この分野の底辺が拡大している」と伝えた。

    もちろん、国内全体焼酎市場で蒸留式焼酎が占める割合はわずかだ。蒸留式焼酎市場(業界純売上高基準)は2014年の40億ウォンに続き、昨年には70億ウォン程度を記録した。しかし、成長の勢いが格別だ。昨年に総売上高105億ウォンを上げて蒸留式焼酎業界1位を占めた「火堯」は、このうち半分ほどの税金を除いた純売上高50億ウォンを記録し、今年はこの規模が70億ウォンに増加する見通しだ。

    昨年に44万本が売れて税金を除いて20億ウォンほどの純売上高を上げた「一品真露」も、今年は60万本まで販売量が増える見込みだ。ここに、ロッテと麹醇堂などの既存の酒類大企業と伝統酒メーカーまで加勢した今年の国内蒸留式焼酎の市場規模は、確実に100億ウォンを上回ると予想される。
  • 毎日経済 ソ・ジンウ記者 イ・セボム記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-09-06 17:29:47