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[コラム] 各自ブラックボックスをつけて通う社会

  • 「ブラックボックスのように重要なものは何でも付けないようにとそう言ったじゃないの」
    車のブラックボックスの広告です。広告を見ると、自動車事故が起きた後、証拠収集や立証責任が完全に車の運転者にかかっている様子です。

    警察はもちろん、車の運転者からきちんと保険料を受ける損害保険会社も、事故検査について権威を誇る自動車安全管理公団もやることがなくなるようです。ブラックボックスだけを見ればいいはずだからでしょうか? ところが、このように重要なブラックボックスを、自動車会社は出庫前に付着していないのでしょうか? 無料でなくてもオプションで消費者に勧めれば、はるかに楽であるはずなのに。

    韓国の自動車運転者が先を争ってブラックボックスを設置している最中です。皆が寝る夜にする放送ではあるが、地上波放送で「ブラックボックスで見る世界」を出したりもします。この放送が追求するところは、「交通事故のない大韓民国」でしょう。ブラックボックスが全国を運行する自動車に付着されれば、交通事故や事故を起こしてひき逃げをする車両がなくなるような気さえ与えるでしょう。

    しかし、なぜ政府や地方自治体が設置運営するCCTVではなくブラックボックスなのでしょうか? まず、個人情報法でCCTV映像は放送局でもむやみにもち出して使えないですよね。CCTVで見た世界がのぞき見の趣味を持つ人をさらに満足させるかもしれないが、使用不可だという制約があるという話です。

    ブラックボックスは、この法律の適用を受けません。ブラックボックスを設置した自動車運転者が提供すればいいだけです。2011年9月に始まって以来、最近まで情報提供されたブラックボックス映像が11万件に達します。そのため先に紹介した広告を見て、私もブラックボックスを付けなきゃ、どうせなら画質も良く録音もできる良い製品を買わなきゃ、このような決心をさせるのでしょう。

    自ら証拠を収集して自身と家族を守ろうとする消費者と、ブラックボックスを作って売る業者の広報が一緒になり、韓国の車にはブラックボックスが必需品として変わる様相ですね。エムブレイントレンドモニターのアンケート調査の結果を見ると、運転者のうち84.2%がブラックボックスの必要性に共感すると答えたため、必需品と言っても過言ではないでしょう。業界が推定する2016年度のブラックボックス販売台数は200万台に達します。

    ところで、実際にブラックボックスが自家用車の必須要素なのでしょうか? 本当に必要ならば、なぜ自動車会社はブラックボックスが装着された車両を販売しないのでしょうか? 政府はなぜ、ブラックボックスの設置を義務付けないでしょうか?

    あえてその必要がないからです。最近では、婦女子の保護のためにもほとんどの所にCCTVが設置されています。ブラックボックスを付けなくても、自動車事故の痕跡や目撃者、周辺のCCTVを見れば、事故責任を容易に証明できます。科学捜査隊のCSIでなくても、その程度は交通警察が十分に成し遂げます。さらに、自動車事故も徐々に減っている傾向にあります。

    しかし、なぜ消費者は自身のお金を出して高価なブラックボックスを車に取り付けるのでしょうか? 国家と社会のシステムが動作しているが、保護を受けられなかったり不当な損害を被るのではないかと心配するためだろう。

    ブラックボックスの広告では、モデルとして出てきた俳優カン・ソラが涙を流します。誰を恨む涙でしょうか? 価格が安いと言って性能が粗悪な製品を買った夫? それとも信じられない警察?

    ロシアでもブラックボックスがすごくよく売れると言います。社会安全網が設置されていても、これを信じらない市民らがロシアにも多いようです。政府も社会団体も信じられないため自分自身を守ると言って、ブラックボックスを設置するかのようで苦々しいです。
  • O2CNI_Lim, Chul | 入力 2016-09-18 08:00:00