記事一覧

ニュース

数字経済

テクノロジー

コラム

ビューティー

カルチャー

エンタメ

旅行

韓国Q&A

新造語辞典

もっと! コリア (Motto! KOREA)
コラム > オピニオン

[コラム] 色論は韓国政治の万能キー?

  • 暴言を吐き出しても色論(思想論、政治的思想が赤色=共産主義的だと疑って問題提起をすること)だったら無事に通過するのか。

    ご多忙に漏れず、今回の大統領選挙でも色論が登場した。

    去る5月2日、MBCスタジオで行われた大統領選挙の候補者間の最後の討論会で、自由韓国党の洪準杓(ホン・ジュンピョ)候補は有力な大統領選挙候補者である文在寅(ムン・ジェイン)候補を色で攻撃した。

    洪準杓候補は「北韓、金正恩政権が積弊で清算する対象であれば清算すべきで、なぜ会話をするのか」と文在寅候補を圧迫した。

    文在寅候補が「トランプも会話をしなくてはいけないと言っているではないか。大統領が北韓を主敵として規定したら(対話が途絶えて)穏当ではないと考える」と反論すると、洪準杓候補は「呆れる。そのような様子で国軍統帥権を行使しようとしているのか」と非難した。

    トランプがサード(THAAD)配置の費用を韓国に転嫁しようとする動きにもホン・ジュンピョ候補は「フェイクニュースなのではないか」とし「左派政権になったら(米国が)そうするということだ。俗称ムン・ジェイン政権になったらそうするという意味」と聞く人によっては、非常識な言葉を続けた。

    今回の選挙では色論の攻勢が以前ほどでもなく、有権者が色論に惑わされるほど愚かでもないと口をそろえるが、色論は保守陣営の候補が振り回す鋭い剣であることに変わりはない。

    1992年、民主化のために半生同志だった金泳三(キム・ヨンサム)候補と金大中(キム・デジュン)候補が対決したときも、保守与党は金大中大統領を「パルゲンイ(赤い奴=共産主義者)」だと追い詰めた。

    「いくら敗色が濃いといっても30年の民主同志と言っていた人を容共分子だと追い詰めるのか」という公報物を配布し、容共論に対抗して「勝つ反共」を掲げたが、「パルゲンイ」という言葉の威力に屈してしまった。

    休戦ラインをめぐって南北が対峙した状況で、パルゲンイは巨大な力を持った呪術だ。この言葉は反米、親北、従北、売国奴ともつながる。大統領になろうとした保守陣営の候補が、この言葉が持つ効果を知っている以上、遠ざけることは困難だ。

    特に、今回の選挙のように保守陣営が支離滅裂な中で行われる選挙では、甘い誘惑になるだろう。実際に文在寅候補をパルゲンイだと非難する以外の攻撃手段もあまりない状態だ。暴言を吐いたとしても色論なら後に問題にもあまりならない。

    色論にうんざりとした人々が後ろ指を指そうとも、どうせその人は自分を選択する有権者ではないと判断して年上の有権者、まだ戦争の記憶を持つ大人たち、韓半島の安定を望む人々を味方に引き入れることができると考える。色論は敵と味方を区別する一方で、自分が持つ弱点を「安保」の名のもとに縛り付けておく保護色でもある。

    だから知らない人は決してその正体を見つけることはできない。下の写真を一度見てほしい。

    • < 写真=Helenさんのツイッター >

    上の写真の中にヘビが隠れている。見えるだろうか。すぐに分かったなら、本当に慧眼を持っている方だ。ほとんどの人は何も知らずに踏みつけて噛まれる可能性が大きい。

    ヒントを差し上げるなら、真ん中の緑の葉のすぐ左にいるらしいが、筆者は写真を拡大してみても上手く見分けることができない。

    このように色を正しく見分けることのできない人に色論は間違いなく深く食い込む。
  • O2CNI_Lim, Chul | 入力 2017-05-09 08:58:59