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[コラム] ああ!偽装転入

  • 支持率84%。

    文在寅(ムン・ジェイン)大統領は歴代のどの大統領も受けることのなかった国民の絶対的な信頼を受けている。就任初期、ムン大統領の政治的活動を否定的に考えている大韓民国の国民はわずか7%に過ぎないくらいだ。

    しかし、このような支持率も国会では効き目がない。

    ムン大統領が一緒に仕事をする人々として選んだ国務総理、長官、公正取引委員長は、すべて国会の聴聞会で厳しい試練を受けている。

    まず、イ・ナギョン首相から偽装転入物議に包まれた。美術教師だった妻が勤務環境が良い学校に割り当て受けるため偽装転入をしたというのだ。カン・ギョンファ外交部長官候補者とキム・サンジョ公正取引委員長候補者も偽装転入から抜け出せない状態だ。

    カン・ギョンファ外交部長官候補者は米国で生活していた長女を梨花女子高に転入させるため、キム・サンジョ候補者は奥さんの大腸がんの治療のために偽装転入したと明らかにした状態だ。

    もちろん大目に見るなら問題点にならないかもしれない。生きていれば誰でも犯してしまう失敗だからだ。野党が政治攻勢を続ける背景にはムン大統領の公約がある。

    ムン大統領が公約として提示した高位公職者の任用基準に「兵役忌避、不動産投機、脱税、偽装転入、論文盗作などの5大不正と関連した者は排除する」と明示したことから、明らかに公約を破ったことになるからだ。野党は就任の初めから公約を破るのかと鋭く責め立てる最中だ。

    候補者に対して鋭い刀を向ける国会議員は、自分たちが追及するような疑惑から自由になることができるだろうか。

    彼ら自身を自分たちの基準で評価するなら、聴聞会を無事に通過することがでるのだろうか。

    ソウル郊外で代々貧しく育った平凡な人でない限りは容易ではないはずだ。はたいてホコリの出ない人を韓国のエリート集団の中から見つけることは、砂場で針を見つけるのと同じくらい困難だ。ホコリは世界を生きていくうえでの柔軟性だと考えられていた。それくらいの柔軟性もなければ、どうして長官候補になれるだろうか。

    だから積弊だ。韓国社会でたまった積弊は程度の差はあれど韓国人のすべてに積もった重荷だ。普通の人はそんな荷物を背負う機会がなかっただけだと見るべきだろう。

    現在、問題となっている偽装転入にしてみても、数多くの人々が偽装転入をした前歴を持っている。

    偽装転入は80年代に江南に主要名門高校が移動しながら保護者の間で子どもの偽装転入が盛んに行われるようになった。江南に住む学生が偽装転入者に押されて江北の学校に割り当てを受けるほど、偽装転入者があふれていた。

    90年代には投機が偽装転入の理由だった。分譲マンションの申し込みをするために他の所に住んでいる人の請約通帳(分譲マンションの申し込みに必要な通帳)を買い取っては、まるで本人がそこに住んでいるかのように偽装転入するケースが頻繁だった。

    偽装転入は取り締ることも困難だ。ベッドと机、テレビなどのものをいくつか持ってきておいて「どうして人がいないのか」と質問されても「ちょっとそこまで行った」とごまかしたら終わりだ。そのため、取り締まりや処罰がくじ引きのようになることが多い。

    現在行わている聴聞会場の姿もくじ引きと大きく変わらない。偽装転入という一つの枠組みから外れた理由は何だったか、情状酌量すべき事情があったのかを察する必要があるという話だ。憂うつになるが、それが現在の韓国指導層の姿でもある。
  • O2CNI_Lim, Chul | 入力 2017-06-04 09:04:00