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[コラム] メディア改革

  • 大統領が変わってから1カ月が過ぎたが、韓国の長官たちは依然として昔の人たちが大半だ。任期を保障されている公務員だからではない。もちろん文在寅(ムン・ジェイン)大統領が標榜する理念にかなった人たちだと見ることもできない。

    理由はあくまでも長官が聴聞会を通過できずにいるからだ。大統領が国会に泣訴しても現在候補となっている長官内定者のうち何人かは国会聴聞手続きを無事に終えることが難しい状態だ。

    事情はメディアの方も同様だ。代表的なところがMBCだろう。MBCは野火のように広がる社長退陣要求に動揺している。報道局の記者の退陣声明に続き、現社長の同世代の人や先輩記者たちも退陣要求に参加した。

    MBCの経営陣側は青瓦台の言論弾圧だと退く意思がないことを明らかにしている。未だ昔の政府の長官たちも勤務をしている局面で自分たちが自発的に動くことを嫌っているという意味でもある。

    MBCの経営陣は社内の不穏な(?)動きが青瓦台の指示によるものだと主張している。国政企画委員会の代弁人の「メディアの労組が放送局の社長の辞任を主張することはできるが、今、新しい政府がそのような話をすることは妥当ではない」という発言が事実上、メディアの労組をあおっているという主張だ。

    文在寅政府が制度の改革をするだけで誰かを追い出すための強圧的な手段を動員しなくても、MBCの経営陣のこのような態度は変わらないだろう。ほぼ唯一の自救手段であるわけだ。

    MBCの経営陣の態度が吐き気がするほど露骨だと市民がののしったとしても、経営陣は自らの去就と関連した社内の紛争を保革の理念対決へと駆り立てる。キレギ*の隊長だから、この程度の強引さは備えて当然なのではないか。

    *キレギ:記者とゴミ(スレギ)の合成語。ゴミのような記者という意味。

    文在寅大統領は公約に「前の政府で無念に解職されるなど、懲戒により弾圧されたメディア関係者の名誉回復と原状復帰を推進する」と明らかにした。このような公約を推進していけば結局メディア改革の現場に青瓦台が一定の部分介入するほかない。

    文在寅大統領の政治的同志だった故・盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は在任期間中、保守メディアの攻撃に悩まされてきた。保守メディアのペンの先は盧武鉉政府に無慈悲だった。「やっていられない」というため息が出る状況だった。

    このような事情を誰よりもよく知っている文在寅大統領がメディアの問題をどう解いていくのか気になるのもこのためだ。

    幸いなことにメディアの環境がここ10年間で大きく変わった。既得権勢力である保守メディアの勢いはやや弱まり、SNSなど新しいメディアの力が見違えるほど大きくなった状態だ。

    だからといってろうそくを持った市民が自分の指先で伝えるSNSの力を信じて、制度圏にいるメディアと真っ向勝負することも好ましくない。メディア改革に起因する理念論争は政界に広がって、これは結局、協治を前面に押す、いや協治をするしかない現政府の荷物になるはずだ。

    見たくもない公営放送の社長でも、彼が政府に対する批判的な報道を溢れさせても耐えなければならないのがメディア改革の出発点だ。
  • O2CNI_Lim, Chul | 入力 2017-06-11 09:04:00