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[コラム] 故障した蛇口

  • 水に対する誤解は多い。

    いわば水を1日に8杯飲まなければならないだとか、水だけ飲んでも太るだとか、または酸性水は体に悪くてアルカリ水は体に良いだとか、そのような話だ。

    実際、水だけ飲んで太るという人間はいない。ご飯や肉、野菜などは全く口にせずに水だけ飲んだという人も、調べてみるとコーラ、コーヒー、ジュース、健康飲料などを暇あるごとに飲んでいたというのが大半だろう。

    また、酸性水を飲んだといって血が酸性に変化することもない。人間の胃というのはPH2程度の環境であるため、ほとんどの酸性水にはびくともしないのだ。

    「水が豊富だ」という考えも、水に対する誤解の1つだ。地球の大半(75%)が海に覆われているため、水が豊富なのは事実だ。しかし人間が飲むことのできる水は、地球上の水のうち3%にも満たない。

    上の地図を見てみると分かる通り、現在世界的に水が豊かな国は存在しない。水が不足していない国が多少あるだけだ。

    地図を見ると韓国と日本もなかなか赤みがさしている。しかし東京やソウルに住んでいる人々は、水が不足していると心配しながら生活しているだろうか。

    ニュースでのどが渇いて死んでいく人々を見ても他人事のように感じてしまう。すぐ目の前で起きている出来事ではないため、水は溢れ出てくるものだと錯覚させる。用を足してトイレの水を1回流す量で、ある国ではひと家族が1週間のあいだ過ごすことができるという話さえも耳をかすめて通り過ぎてしまう。

    もしも1つの国で、地域によって水不足現象が深刻な差を見せる場合、どのようなことが起こるだろうか。実はいま、韓国でそのようなことが起ころうとしているのだ。

    最近6か月の降水量が平年の69%水準に過ぎないほどの深刻な干ばつのせいで、全国の田畑が割れている。大山石油化学団地では水を引いていた近く湖の底が露出してしまい、緊急事態に陥っている。

    江原道江陵市は、最大上水源である梧鳳貯水池の貯水量が1日平均7万8000トンずつ減り、来月からは制限給水に入るという。海水浴場の開場も延期され、プールや銭湯も休業を余儀なくされている。

    このような中で、ソウル新村では水鉄砲祭りが開かれる予定だ。今年で5回目を迎える水鉄砲祭りは、低迷した商圏を蘇らせるために設けられた地域祭りで、ソウルから資金も支援される。

    農村では一滴の水も惜しいというときに、散水車を動員して水を撃ちながら遊ぶというのが本当に楽しいことだろうか。主催者側は人々の反感を意識してか、イベントの収益金を干ばつ被害を経験している農村に送ると明らかにしている。

    しかし、イベント自体が「故障した蛇口」から水がざあざあと漏れているだけのような感じがすることも事実だ。水鉄砲祭りに参加した人々が「水を大切に使う」という宣言をすれば、お祭りを許可してもいいのだろうか。
  • O2CNI Lim, Chul / 写真=World Resources Institute | 入力 2017-06-25 08:47:58