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[コラム] 青少年ドラマの復活

    最近放映を開始したドラマ 『学校2017』は、1999年に『学校1』で始まった学校シリーズの7番目のシーズンだ。ドラマ『学校』シリーズは高校を背景に繰り広げられる学生たちの話で、代表的な青少年ドラマということができる。

    かつては『愛が花咲く教室』 『思春期』など学生たちの悩みや夢の話を盛り込んだ成長ドラマが若者の間で人気だった。しかし徐々に20・30代が好んで見る芸能やドラマの選好度が高まり、青少年を対象としたプログラムは見ることが難しくなった。扇情的で刺激的な番組にそのままさらされていたら、成人たちが好んで見るプログラムに慣れてしまったのだ。今となっては高校生を対象とした放送であっても、教育的で健全な内容はほとんど見つけることはできない。

    このような点から見ると、青少年ドラマの制作は嬉しいことに違いない。

    きわどい長さのスカートを履いてエロティックなダンスをはばかりなく踊るシーンや、悪口が入ったラップを何とも無く吐き出すシーンはこれ以上送り出す必要はない。青少年の話を正直に込めることで、主な視聴層である学生たちの関心を自然に引き集めることができるためだ。同時に学校の問題をもう一度社会的に浮上させるきっかけを設けることもできる。青少年たちに楽しさをプレゼントしながらも、有益さを与えることのできる最も青少年らしい番組が作成されたのだ。

    もちろん2000年、『学校3』の主人公に抜擢された筆者も『学校』シリーズの復活は感慨深い。このドラマの撮影現場の中の生活は、本当に高校生の姿そのままだった。女性演技者たちは集まりさえすればおしゃべりに無我夢中で、撮影中にも前後に座った友人と話を交わせて監督に怒られるのが常だった。きれいに見せたいがため制服のウエストラインを軽く修理して着ることもあり、こっそりスカートを折ることも多かった。友人同士トイレで化粧をし、メイク担当の先生に見抜かれて化粧を落としたことも何回もある。

    教室の中で集まっているのがチョ・インソン、イ・ドンウクなどスラリとしたハンサムな友人たちなため、恋愛も絶えなかった。1人の男をめぐって争奪戦が繰り広げられて2人の女性演技者の関係が気まずくなったり、片思いのために撮影現場で毎回つらい思いをしている友人もいた。廊下でこっそりデートをしていたら探偵のような友人に見つかり、無理やり公開されるというカップルも存在した。

    演技と学校生活を並行しながら無我夢中に青少年時代を過ごしたため、このような新鮮な経験はまた別の学生時代の思い出として懐かしさのように残っている。また、自然に成人演技者として成長することができるように助けてくれたありがたい時間として記憶に残っているともいえる。

    実はドラマ『学校』シリーズは、新人演技者の登竜門としてよく知られている。チェ・ガンヒ、チャン・ヒョク、イム・スジョン、コン・ユ、イ・ジョンソク、キム・ウビンなどドラマに出演した俳優たちがスターになったというケースが多く、可能性のある演技者たちが排出されるドラマとして有名だ。このような理由からなのかドラマ『学校』は素材や内容が広く知られることよりも、出演者たちにより関心が集まる傾向がある。しかし青少年ドラマはスターを作り出すことよりも、重要な目的を持っているという事実を忘れてはならない。

    いじめ、集団暴行、性的暴行、生徒と先生との関係など着実に提起されている学校の問題の中には明らかにメディアの影響が含まれている。青少年ドラマはこのようなメディアの悪影響を浄化するために重要な役割を担うと考えている。ドラマを通じて学生たちに学校暴力の深刻性を思い起こさせ、二度とこのようなことが起こらないように覚醒させることができるからだ。

    青少年たちが直面している現実的な問題を表しながら、彼らの心を暖かくなでてあげることもできる。中高生のための番組としては、青少年ドラマが最適であるわけだ。

    しかし、刺激的な番組に慣れてしまった青少年たちの心を得ることは決して容易なことではないだろう。視聴率と有益さ、そして楽しさをすべて備えてこそ、青少年ドラマが生き残ることができるという現実が本当に残念でならないが、是非とも学生たちの共感を得て、青少年ドラマが末永く維持されることを願う。
  • 毎日経済 イ・イネ 慶星大 教授・俳優 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-07-30 09:00:00