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[コラム] 不動産投機、「保有税」が答えだ
- 韓国政府が不動産投機勢力との戦争を宣言した。いわゆる「8.2不動産対策」のことだ。
ソウルと近くの周辺地域を投機または調整対象地域に指定して、今後は住宅ローンを制限して譲渡税を大幅に上げるというのが骨子だ。
ソウル全域が投機(過熱)地区に含まれた。金持ちの町である江南3区だけではなく、ソウルの町はずれにある蘆原区も投機地域に含まれる栄光(?)に預かった。
政府のこの措置を見て投機勢力は恐怖を味わったのだろうか。とんでもない。韓国で不動産により金持ちになった人たちは政府の政策で失敗したことがほとんどない。数カ月、長くても1~2年ほど経つと原状回復したり、むしろ財産が増すということを経験的に知っている。
だからといって庶民にとって嬉しいことでもない。政府は住宅価格を正して庶民に安定的に住宅を供給するためにこのような対策を出しただろうが、庶民の一部は「マイホーム購入」の機会が消えるのがないかと心配している。住宅のチョンセ(一括で高額の保証金を預ける賃貸制度)があまりにも高いため、5000万ウォンで5億ウォンの家を買う機会があった。
いわゆるギャップ投資という方法でマイホームを設けるものだ。チョンセで入ってきた人よりはるかに貧しい境遇ではあるものの「自分名義の家がある」というのが慰めとなる。
投機勢力との戦争で被害を受ける人はおそらくこのような庶民なのかもしれない。クジラ同士の争いでエビの背が破けるように、コウノトリ同士の争いによりダルマエナガの股が裂けるようなものだ。
今回の不動産対策だけでなく、これまで韓国政府が出した各種対策はすべて譲渡税の強化に焦点が合わせられていた。時限的余裕をもって、それまでに家を売らなければ損するぞという脅しだった。しかし、金持ちの人々は瞬きすらしない。おいしい食べ物を選んで食べて、景色の良いところを旅して、歳月が避けて通ることを待つだけだった。そうしていれば彼らが好きな市場が自ら解決してくれていた。
指を動かさなくとも、どんどん解決策を自ら出してくれる市場。資本主義市場がどれほどありがたい存在だろうか。すっかり惚れて、噛んでしまいたくなる気持ちにも自然となるはずだ。
ようやく強力な対策を打ち出した政府に対して市場を知らない、全国民を投機屋として追い詰めるのかという非難も出ている。
おそらく政府は住宅で金もうけをしようとする人をすべて投機屋だと感じているのかもしれない。筆者の個人的な考えでは、まあそれでも構わないように思える。考えてみれば投機屋で合っているのだから。
全国民を対象に住宅価格を正す対策を立てるのなら譲渡税では不可能だ。このような対策では絶対に正すことはできない。正解は保有税強化だ。これは政府も学者も不動産投機家も知っている。あまりにも抵抗が強いため考えにも及ばないだけだ。
本当に不動産投機勢力を追い出したいのなら、保有税を強化する措置を出すべきだ。すぐに税金を上げなくても、保有税強化の話があちこちから溢れなくてはいけない。そうしてこそ悠々自適に海外で遊んでいた金持ちが大騒ぎして震えながら戻ってきて、「共産党になるというのか?」と吠えることだろう。 - O2CNI Lim, Chul | 入力 2017-08-06 08:30:00