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SKC、英Nexeon社との合弁に「待った」かかる

次世代陰極材市場への進出に遅れ 

■ 英ネクシオンとの合弁を留保

SKCの次世代陰極材市場への進出には時間がかかる見通しだ。英国企業と進めている合弁会社の設立が、理事会で否決されたためだ。次世代陰極材市場への進出のニュースで前日は新高値を記録したSKCの株価は、この日は15%も急落した。しかしSKCは「次世代陰極材事業への参入を続けて推進する予定」だとして新事業への進出の意志を再確認した。

30日のSKCによると、前日の午後に行われた理事会で英国の陰極材企業Nexeon(ネクシオン)社との合弁会社の設立案件は一部理事の反対で否決された。ネクシオンは次世代リチウムイオン電池に搭載されるシリコン陰極材の開発会社だ。シリコンを陰極材として使用するとエネルギーの貯蔵容量が増え、その分だけ電気自動車の走行距離を伸ばすことができる。

SKCは去る24日の「インベストデー」を通じて二次電池用の次世代負極材市場への進出を公式に宣言し、世界最高水準の企業と協力して技術を確保してコアビジネスに育てていくと明らかにしたように、市場はSKCとネクシオンの協力を事実上の事業再編の出発点として判断した。

新事業進出の期待感で、去る29日のSKC株は19万9000ウォンを記録し、前日比で3.38%上がって最高値を記録した。しかし理事会がネクシオンとの合弁会社設立を否決したニュースが伝わって、株価は急落した。 30日のSKC株は前日比で15%減の16万9000ウォンで取引きを終えた。

業界によると、SKCの理事会では陰極材事業化の時点と妥当性など、いくつかの点に対して取締役のあいだで意見の相違があったことが伝えられた。ただし、ある関係者は「新しい事業への進出時に発生する投資決定プロセスの一つ」だとし、「SKCは過去の銅箔事業への投資を決定するときにも3年間の分析期間を経た」と説明した。

業界ではグループ内の系列会社であるSKマテリアルズが去る14日、米国の陰極材企業と合弁会社を設立するという発表をしただけに、グループ次元の重複投資の可能性も影響を及ぼしたのだろうという話が流れてくる。これに対して財界のある関係者は、「SKグループはこれまで関連会社の事業が重なる部門に対して大きく問題としなかった」とし、「競争力があれば進出して生存するようにというのが基調」だと語った。 SKCも二次電池負極材事業への進出を続けて推進していく方針には依然として変化はない。

■ 三井化学との合弁を解消

一方でSKCはこの日、日本の三井化学との合弁会社である三井化学SKCポリウレタン株式会社(MCNS)の契約終結に合意し、MCNSを100%子会社にすると明らかにした。

MCNSは2015年にSKCと三井化学が設立したポリウレタン原料事業の合弁法人だ。ポリウレタンの原料となるポリオールを生産する。 SKCと三井化学は遅くとも来年5月までに、それぞれの投入資産を回収する予定だ。その後、存続法人はSKCの100%子会社として新しく出発する。両社は契約終結後も協力関係を続けていくことにした。

今回の契約終結の背景には、両社の戦略的な事業の方向性の違いがある。 SKCは世界進出などの成長を重視し、三井化学は高機能のバイオ製品で収益性を高める方を好んだ。このことから、両社は各社の戦略に基づいて事業を推進することがより適していると判断し、契約終結に合意したというものだ。

SKCは契約終結後の存続法人のグローバルな展開と、親環境事業の拡大に乗り出す。まず東南アジアと中南米および中東地域にも追加で進出し、グローバルシェアを高める。石油系原料の代わりにヒマシ油を使用したバイオPU(バイオポリウレタン樹脂)原料事業、廃PUを原料としてリサイクルするリポリオール事業などの親環境素材事業も強化して、廃プラスチックの問題解決に貢献する。 2025年までに売上げ1兆ウォン以上の達成が目標だ。

ポリウレタン樹脂(PU)は自動車の内装材とLNGやLPG船などの断熱材として広く使われる。最近は電気自動車の時代になりつつ、MCNSは騒音・振動低減製品や低密度軽量化製品としても注目されている。 SKCはMCNSを通じてPU原料ポリオール事業を、SKのピーアイシーグローバル(SK picglorbal)を通じてポリオールの原料PO事業を行ってきた。
  • 毎日経済 | ウォン・ホソプ記者/チェ・グンド記者
  • 入力 2021-09-30 23:38:05




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