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生物資源の利益共有「名古屋議定書」発効…関連産業界は警報

外国植物で作られた薬・化粧品の価格が上がる 

  • 生物資源の利益共有「名古屋議定書」発効…関連産業界は警報
アモーレパシフィックは2010年、絶滅の危機にあった在来種の「白甘菊」を美白機能性原料として開発し始め、2012年に「kugyasulwha」と「kugyasooyul」という新品種を開発した。こうして開発した新品種を用いて「白甘菊美白パウダーセラム」「白甘菊美白サンクリーム」などの新製品を発売できた。絶滅危惧種を復元して生物多様性に貢献しただけでなく、経済的利益も創出したわけだ。

国内主要製薬会社の一つの東亜製薬は、「東亜エスティ胃炎治療剤」の原料であるヨモギを中国から輸入しており、中国との紛争に備えている。ヨモギは韓国の生物資源だが中国でも育つので、企業が中国で育ったよもぎを原料として使用すると、中国がこれに対する利益分配を要求できる。去る12日から生物資源の利益共有を核心とする「名古屋議定書」が発効し、このような国家間の資源利用料問題が台頭している。国内バイオ・製薬業界は、名古屋議定書の発効で最大639億ウォンの追加費用が発生し、製品価格が上がると見ている。

このような議論は去る12日から、江原道の平昌(ピョンチャン)アルペンシアリゾートで開かれている「第12次生物多様性協約当事国会議」の付属イベント「ビジネスフォーラム」でも確認できた。アモーレパシフィックのハン・サンフン技術院長はビジネスフォーラムの討論で、「希少植物を研究して製品開発に活用する一方、これにより発生した利益を地域社会と公平に分配するために努力する」と述べた。名古屋議定書は2010年に採択された生物多様性条約の付属議定書で、生物資源を利用する主体が利用を通じて得た利益を、生物資源提供国や地域社会と共有しなければならないという内容を含んでいる。

医薬系や化粧品業界などの関連産業界は警報が鳴った。原料提供国との利益を共有すると原料価格が高くなり、新薬開発が萎縮しうる。さらに、国内の製薬産業が萎縮して、新成長動力事業のうちの一つのバイオ産業も危機にさらされるかもしれない状況だ。東亜製薬のソン・ミウォン研究所長は、「天然物新薬の分野は、最終的な価格に素材である原生薬の占める割合は高く、原生薬の価格が上昇した場合、天然物新薬の開発は大幅に萎縮しうる」と語った。

政府は国内企業が名古屋議定書の実施に適切に対応するように、支援するために国内移行法とシステムを準備している。去る14日、名古屋議定書の国内移行法案である「遺伝資源のアクセスと利益共有に関する法律」制定案が国務会議を通過した。

政府は今年末に国会で制定案が通過すれば、施行令で利益共有などに関する具体的な規定を設けるべきだという立場だ。韓国は名古屋議定書をまだ批准していないが、これとは関係なく、国内企業は議定書を批准した国の基準を遵守しなければならない。
  • 毎日経済_チェ・ヂョンウォン記者/平昌=キム・スヨン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-10-15 17:44:09




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