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味の名家の郷土グルメ、首都圏のデパートが狙う

釜山のサムヂンオムク、2億5千万ウォン売上げ…群山のパン屋など、デパート正式入店 

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△写真=先月末、ロッテ百貨店のソウル小公洞本店に設けられた「サムヂンオムク・ベーカリー」ポップアップストアは、オムク(魚肉練り製品)を購入する消費者で大きく賑わった。 [写真提供=ロッテ百貨店]

先月30日、ロッテデパートのソウル小公洞本店地下1階。エスカレーターに乗って降りるやいなや、濃いオムクの香りが鼻を突いた。デパートの地下食品売り場の真ん中に、釜山地域のオムクの名家「サムヂンオムク・ポップアップストア(臨時店)」が設けられていた。この日は10日間続いた臨時販売の最終日。そのためか、店の前はオムクを購入しようとする消費者で、ひときわごった返していた。

ソウル市江西区(カンソグ)から訪ねてきたという主婦のカン・ヒソンさん(37)は、「去年の夏、釜山に立ち寄ったてサムヂンオムクの味に惚れ込んで、今回のポップアップストアのニュースを聞いて、長い道のりを買いに来た」とし、「オムククロケットとオムクタンの材料など、合わせて2万6000ウォンほど買った」と語った。

最近、首都圏のデパートに、各地方のグルメブランドが増えている。地方で口コミに乗ったグルメが続々と「上京」することは、すでにトレンドとして固まった。大邱のピザブランド「ミズ・コンテナ」と、ボリュームたっぷりのステーキが絶品の「ソガ・アンド・クック(SEOGA & COOK)」、釜山のかき氷ブランド「ソルビン(雪氷)」などはすでに首都圏に店舗を出して盛況だ。

最近、首都圏デパートで宣伝している地方のグルメが大きく目立つ。その中でも今年最高のヒット商品は、釜山オムクと言えるだろう。今回、ロッテ百貨店本店に臨時店を出したサムヂンオムクは、1953年に釜山の蓬莱市場(ポンネシヂャン)で最初に出発し、3代にわたって営業しているオムクの名家だ。

5月末、ロッテ百貨店蚕室店に初めて臨時店をオープンし、10日間の売上げ1億5000万ウォンを記録して、今月初めには蚕室店での2回目のイベントでも1億ウォン以上の販売実績を上げた。今回の本店イベントでは売上げがさらに増え、10日間で2億5000万ウォンまで上がった。高級魚の身を使った釜山地域のオムクとしては「コレサ(古來思)」も有名だ。去る9月、ロッテ百貨店蚕室店に設けられたコレサのポップアップストアは、10日間で売上げ2億ウォンを記録した。
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これらの臨時店舗は、正式のデパート入店につながっている。サムヂンオムクは8月末に、ロッテ百貨店釜山本店に正式店をオープンし、釜山駅にも別途に販売店を設けた。ロッテ百貨店釜山本店と釜山駅店の顧客は、それぞれ一日平均4000人と1万人だ。釜山・影島(ヨンド)のサムヂンオムク本店の訪問者6000人まで合わせれば、サムヂンオムクを求める顧客は1日だけで2万人にもなる。

ロッテ百貨店の関係者は、「ソウルのポップアップストアの実績が好調で、来年中にソウル店にもサムヂンオムク正式店を出すことを検討している」と語った。

1920年、全羅北道の群山(クンサン)で出発した国内最古のパン屋「李姓堂(イソンダン)」も去る5月、蚕室店に正式店をオープンした。野菜パンとあんパンが専門のここは、一ヶ月で平均5億ウォンずつ売上げをあげている。特にイソンダンは、先月オープンした蚕室第2ロッテワールドモールにカフェの形でも入店した。ソウルの蚕室(チャムシル)はイソンダンが2店になるわけだ。最近、水原(スウォン)駅の近くに設けられたロッテモールには、釜山地域の別のかまぼこメーカーである「釜山オムク」も正式入店し、首都圏の顧客攻略に乗り出した。

現代デパートは現在、ソウルの狎鴎亭本店と貿易センター店そして木洞店などの3か所で、全州地域で60年の歴史を誇るベーカリー「PNB豊年製菓」の店舗を運営中だ。3店舗で稼ぐ月平均売上げは6000万ウォンを上回る。現代デパートは秋夕のときに、顧客のためのギフトガイドブックでPNB豊年菓子の製品を集中して紹介した。

新世界デパートは、議政府元祖のプデチゲ店の一つである「オデン食堂」を議政府店舗内にオープンして良い反応を得ている。

地方のグルメがデパート入店を好む理由は、両者の間で利害関係が一致しているからだ。ロッテ百貨店のソン・ヒョンミン専任商品企画は、「最近、デパートの顧客はファッションなど着ることよりも、むしろ食べることを生活の中でより高い関心を見せている」とし、「優れたグルメの誘致で、デパートと該当の飲食店が共存する点もある」と語った。
  • 毎日経済_ソ・ヂヌ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-12-02 17:05:08




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