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LG化学、「無機ナノ素材」の専門家イ・ジンギュ教授を採用

R&Dに総力、ソウル大の終身教授をスカウト 

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LG化学は化学分野で「世界のトップ3」企業に跳躍するために、全方位的な行動を開始した。無機ナノ素材分野で世界最高の権威者をスカウトして、研究所力の強化などの素材事業拡大のための速度を上げている。

LG化学は、無機ナノ素材において世界的な学者であるソウル大学のイ・ジンギュ化学部教授(52・写真)を、専務級の首席研究委員として迎え入れたと20日、明らかにした。LGグループで、現職教授を役員級の研究員として電撃採用したことは今回が初めてであり、国内の大企業全体を見わたしても前例を見出すことは難しい。これは将来の新技術を確保するための研究開発(R&D)に、LG化学が死活をかけたものとみられる。

LG化学での首席研究委員は2008年から運営している制度で、昨年初めて石油化学分野の権威者であるハン・ジャンソン首席研究委員を選んだことがある。石油化学基盤の有機材料事業を主力に成長してきたLG化学としては当然の選択だった。しかし、ハン首席研究委員に続きイ・ジンギュ教授まで迎え入れたという点は、また異なる意味を帯びる。それほどLG化学の無機ナノ材料分野を、将来の「食い扶持」事業として重点育成するという、LGグループの最高経営層の意志を表明したものだ。

LG化学のキム・ミナンCHO(最高人事責任者)は、「今回のスカウトでLG化学が重点的に育成している無機素材分野の研究開発のスピードがさらに加速するだろう」とし、「研究開発を最優先にする組織文化の中で、学界最高の知性が存分に実力を広げ、企業成長の牽引車の役割を果たす成功事例にする」と語った。

イ・ジンギュ教授は米マサチューセッツ工科大学(MIT)で、ノーベル化学賞受賞者であるリチャード・シュロック教授の指導の下で無機化学の博士号を受けた。以来、1998年からソウル大学化学部の教授として在職しながら、多様な無機ナノ素材の合成技術とナノ粒子の表面改質および分散技術に関連する研究を行ってきた、無機ナノ素材分野の世界的な専門家だ。この分野と関連して、これまで106件の学術論文を発表しており、100件余りの特許を出願した。

イ教授は2013年のサバティカル期間にLG化学と縁を結んだ。当時、大田に位置した「CRD(Corporate R&D)研究所」の研究者らと、技術的な問題についての議論と協力研究を行った。イ教授は「これまで研究と教育だけで、商品化のための喉の渇きがあった」とし、「研究開発を重視するLG化学の企業文化に好感を持つようになり、終身教授という職を離れて企業の研究責任者の道を選択することになった」と説明した。イ教授は来月からLG化学中央研究所で、専務級に該当する首席研究委員として勤務することになる。

イ教授は無機ナノ材料基盤技術の研究責任者として、新概念の電池素材と有・無機ハイブリッド複合体など、無機素材分野の新規課題の発掘に加えて、様々な既存の研究課題に対する顧問の役割も果たす予定だ。

LG化学はまた、新事業開発の中枢の役割を果たしている既存の「CRD研究所」の名称を「中央研究所」に変更して、人的・物的資源の投入も増やす。中央研究所は基礎素材・情報電子素材・電池など、LG化学の3つの事業部門に共通して適用できる基盤技術と、新事業の発掘のための未来の新技術を開発する重要な研究所だ。LG化学は中央研究所の研究費と研究者の規模を拡大して、研究者のうち40%以上を博士級以上で構成して、将来の準備のための研究開発のコントロールタワーとしての力量を強化する計画だ。

LG化学技術研究院のユ・ジニョン院長は、「最近のように経営環境が困難になると、ほとんどの企業は研究開発への投資を一番最初に減らすのが一般的」だとし、「LG化学はこのような時ほど研究開発投資を継続的に拡大して、研究開発に強い世界の素材企業として位置づけたい」と語った。
  • 毎日経済_ユン・ジノ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-01-20 17:23:19




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