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新世界、ソウル市内の韓国1号百貨店を免税店に


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「ソウル市内免税店」の候補地として、85年の歴史を誇る国内初のデパートであるソウル市会賢洞(ヘヒョンドン)の「新世界(シンセゲ)百貨店」本店を最終指名した李明熙(イ・ミョンヒ)新世界会長の決断は、果たして「神の一手」になるか。

来る6月初めのソウル市内免税店の特許入札を控えて、新世界グループが新世界の象徴である本店名品館(本館)全体を市内免税店に転換することにした。これまで江南店と本店をめぐって候補地を天秤にかけてきた新世界は、歴史的象徴性を帯びた会賢洞の本店名品館を高品格の高級免税店として造成し、やはり文化財であるすぐ隣のSC銀行第一支店の建物は、博物館と観光客の便宜施設として活用することにした。

14日、新世界グループは市場性と象徴性を含めて考慮した結果、会賢洞の本店本館に市内免税店の特許出願を出すことに最終確定したと明らかにした。グループの関係者は、「グループの商いの母胎であり、1930年に建てられた国内初のデパートの建物全体を丸ごと免税店に変えて、世界的なランドマーク観光地として育成するという強い意志を表明した」と強調した。新世界グループ20年の宿願事業を達成するために、グローバルな競争力を備えた高品格の免税店を作るというビジョンを示したわけだ。

新世界は品格のある「高級文化免税店」で、競合他社と差別化するという戦略だ。新世界免税店の青写真は、延べ床面積1万8180平方メートル(5500坪)規模に華やかな近代建築の姿を再現するなど、すべてがVIP顧客のための施設とインテリアそしてサービスで設計される。特に本館6階にある彫刻公園のトリニティ・ガーデンはジェフ・クーンズ、ヘンリー・ムーアなどの世界的芸術家の作品が展示されており、外国人観光客は「ショッピング」だけでなく、豊かな「見どころ」も楽しむことができると思われる。

高品格免税店を実現するために、これに先立って新世界は、1935年に建てられた近代建築物であるSC銀行の建物を最近、外国資本から850億ウォンで買収した。 SC銀行の建物には産業史博物館や韓流文化展示館などをはじめ、様々な顧客サービス施設を設置して、世界レベルの新しい免税店モデルとして開発するという計画だ。

新世界はまた、市内免税店の審議基準で高い割合を占める観光インフラなどの周辺環境要素の項目を考慮して、免税店の立地競争力も備えた。自由旅行を楽しむ個人旅行者の場合、南山や明洞に寄るついでに歩いて訪れることができる場所であり、建築物それ自体が一つの「観光商品」格であり、これまで国内で接することができなかった差別化された免税店モデルを体験できるという計算だ。

特に本店本館は、1930年に建てられた国内初のデパート建築物で、建築初期の姿に似せて復元したことから、歴史的価値を復活させたという評価を受けており、SC銀行の建物はソウル市の有形文化財に指定されるほどの歴史的価値が高い。これに加えて、向かい側の韓国銀行貨幣博物館もソウル市内で数少ない20世紀初頭の近代建築物であるため、新世界免税店への訪問自体がソウルの近代建築の歴史を体験する観光コースになるというわけだ。個人旅行を楽しむ徒歩観光客が継続的に増加する傾向を勘案すれば、新世界免税店の立地は長期的に「明洞・新世界免税店・南大門市場・南山」につながる、歩いて楽しむことができる「観光オルレキル」構築も可能だと予想される。

新世界が百貨店の本店本館を市内免税店の候補地として確定することによって、国内1号の伝統市場(チョントンシジャン)である南大門市場の実質的な商圏活性化も期待される。南大門市場は国内を代表する伝統市場だが、これまで近隣の明洞に比べて沈滞した状態だ。

免税店事業を統括しているソン・ヨンモク新世界DF社長は、「新世界は差別化された高品格の免税店を披露し、市場を育てて観光産業・内需景気の活性化、雇用創出にも寄与するだろう」と強調した。

業界では、新世界の候補地選定について「予想していた結果」だとしながらも、本店の一部の階層ではなく、名品館全体を免税店に転換することに驚いたという反応だ。すでに三成洞の現代百貨店貿易センター店を候補地として定めた現代デパートは、立地条件での競争を避けることになって安心している雰囲気だ。

新世界が事業者に選ばれれば、近隣のロッテ免税店との競争は避けられない見通しだ。ロッテ免税店の関係者は、「海外旅行商品の企画段階から参加して団体観光客を誘致しており、ヨウカーが着実に増えていることから、都心に新規事業者が入ってきても大きな打撃はないだろう」と語った。
  • 毎日経済_キム・ジュヨン記者/チャン・ヨンソク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-05-14 17:19:09




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