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サムスン物産、合併通過…李在鎔サムスン電子副会長の継承作業に弾み

投機資本と困難な戦争を行ったサムスン… 

  • サムスン物産、合併通過…李在鎔サムスン電子副会長の継承作業に弾み
△写真=サムスン物産建設部門のチェ・チフン代表取締役社長が17日午後、ソウル市良才洞のaTセンターで開かれた臨時株主総会を終えて会場を後にしている。この日の臨時株主総会では第一毛織との合併案が上程され、参加者のうち69.53%の賛成で通過した。 [イ・チュンウ記者]

サムスン物産と第一毛織の合併案が可決された。これをもって、先月4日に米国系ヘッジファンドのエリオット・マネジメント社が、サムスン物産の株式を確保した後に合併反対に乗り出して触発したエリオットとの手ごわい戦争は、サムスン側の勝利に終わった。

サムスン物産は17日、ソウル市良才洞のaTセンターで臨時株主総会を開き、第一毛織との合併を承認した。この日、株主総会の参加率は予想を上回る84.73%を記録し、世間の関心の高さを反映した。株主総会での1号案件である合併に対して、参加者のうち69.53%が賛成して合併案が可決された。これは合併通過のために必要な出席株主の3分の2の賛成(66.67%)をようやく越えた数値だ。先月4日、ヘッジファンドのエリオットがサムスン物産の株式7.12%を保有したと公示して、株主総会の決議禁止の仮処分申請などの攻勢を繰り広げたが、無為に終わった。最近、世界的な投機資本が韓国の大企業の弱体化した支配権を狙っている状況で、主要な株主はサムスンに力を合わせたものと解釈される。

合併後の存続会社は第一毛織だが、合併法人の新しい名称はサムスングループの母体企業(1938年に創業したサムスン商会)として帯びる象徴性を考慮して、サムスン物産をそのまま使用することにした。また、今のサムスン物産の株主は合併統合法人の新株式0.35株を受けることになる。

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  • < サムスン物産・第一毛織合併 投票結果 >

この日の合併承認で、李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長の継承作業に弾みがつく見通しだ。合併承認によって、イ・ジェヨン副会長の統合サムスン物産の株式保有率は23.2%から16.5%に減少するが、李富鎮(イ・ブジン)ホテル新羅社長など、サムスンオーナー一家の持分を合わせると30.4%に達する。

サムスン物産はサムスン電子(4.1%)とサムスンSDS(17.1%)などを保有しているだけに、サムスン電子のイ副会長の実質的な支配力はさらに高まる。

エリオット側はこれまで、サムスン物産の株主らに合併比率が不利だと主張したが、この日の採決で賛成票が多かったことは、サムスン物産の株主が短期的な利益ではなく、長期的な成長を選んだものとみられる。

合併後の新しいサムスン物産は、事実上はサムスングループの持株会社の役割を果たすことになる。オーナー一家の持分に加えて、既存のサムスン系列会社の保有する第一毛織とサムスン物産の株式を合わせた場合、合併サムスン物産の最大株式持分率は40.27%に達している。したがって、サムスンの支配構造の安定にも役立つものと思われる。ここで「白騎士」KCCが保有している統合サムスン物産の持分8.97%を加える場合は、過半に近い株式が確保される。

今回の合併案の通過で、今後のグローバルな投機資本の韓国企業の空襲が減るのかも関心事だ。もと外資系投資銀行の代表は、「今回のエリオットの攻撃が成功した場合、他の海外ヘッジファンドも国内企業から大きな収益を得ることを期待していた」とし、「今回の合併通過で、かんたんには国内企業の攻撃に乗り出さないだろう」と語った。この日、新サムスン物産は2020年に売上げ60兆ウォンを達成するというビジョンを掲げた。建設をはじめ、ファッション、飲食、レジャー、バイオ事業を行う会社に生まれ変わるとし、各事業部門間のシナジー効果を高め、グローバル企業として飛躍することにした。

しかしこの日の合併通過でも、今後もサムスン物産をめぐるサムスン側とエリオットの間の力くらべは続くものと予想される。

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  • < 合併前後の第一毛織・サムスン物産株主構成 >

エリオットは合併案の通過後も合併無効訴訟はもちろん、合併に賛成したサムスンの系列会社役員の背任などを主張して、訴訟戦を展開するものと予想される。さらに、株式買取請求権の行使は最後のヤマ場だ。外国人投資家を糾合してサムスン物産株を大量に売却し、株価を低下させるなどの実力行使を通じて、反対株主買取請求権の行使を誘導する可能性も排除できない。サムスン物産の買受請求権の行使金額が1兆5000億ウォンをこえる場合には合併が霧散することもあり、請求権の行使価格は株あたり5万7234ウォンだ。この日、サムスン物産株は外国人の売り爆弾で、前日比で10.39%(7200ウォン)も暴落した6万2100ウォンで取引を終えた。
  • 毎日経済_キム・デヨン記者/ハン・ウラム記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-07-17 15:42:38




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