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テスラがマンドと自律走行車の核心技術を共同開発

ボッシュ・コンチネンタルを抜いて選ばれた 

国内最大の自動車部品メーカーであるマンド(MANDO)が、「未来自動車のアイコン」テスラ(TESLA)と手を取って自律走行車の共同開発に乗り出した。先端電気自動車基盤上でオートパイロット(Autopilot / 自律走行)技術の開発に総力を注ぎ込んでいるテスラが核心技術の共同開発会社としてマンドを指名し、未来自動車部品市場の地殻変動が予想される。

22日、自動車業界によると、マンドは昨年下半期からテスラと3~4段階自律走行車を共同開発していることが確認された。マンドは自律走行の安全弁の役割をする「フェイルセーフ(fail safety / 誤作動対備安全機能」分野でテスラと手を取り合った。ボッシュ(Bosch)とコンチネンタル(Continental)、TRWなどの世界有数の自動車部品メーカーが競争に参加したが、しっかりとした技術力と迅速かつ柔軟な顧客サービスを強みに掲げたマンドが単独パートナーとして選ばれた。

フェイルセーフは、自律走行車が電気的エラーなどで緊急状況に置かれても補助システム(冗長性 / redundancy)を稼働し、運転者の介入なしに安全な自律走行を継続できる核心技術だ。フェイルセーフは、ステアリングとブレーキ、サスペンション、センサーなどのすべての領域に該当する技術として、特に、自動車が自ら運転する安全走行では最も重要な技術だ。フェイルセーフ技術の公認を受けてこそ自律走行車が実際に道路を運行できる。

マンドは自律走行車の共同開発のために、最近、自律走行分野で米国とドイツの現地研究所を中心に90人以上の高級技術者を獲得した。また、ボッシュやコンチネンタルなどの一流部品メーカーから、未来自動車の技術開発の経験豊富な役員エンジニアだけ8人をスカウトしたことが分かった。

グローバル自動車メーカーは、運転者が全く介入しなくても自動車が自ら運行することを原則とする3段階自律走行が、2020年には可能だとみている。マンドはテスラと共に4~5年以内に完璧に近い自律走行安全システムを構築するという方針だ。両社は3段階以後、運転者が乗らず、自ら運行する4段階の完全自律走行車技術までも共同開発することにした。高速道路で運転者が20秒以上手と足を離しても、自動車が車線に沿って自ら走行する現在の技術は、自律走行2段階に該当する。

マンドが熾烈な競争をくぐってテスラの自律走行安全システムの共同開発会社に選ばれたのは、この分野で世界最高の技術力を持っているためだ。実際にマンドは、最上級の自律走行技術が適用された現代自動車ジェネシスEQ900に、独自に開発した自動緊急制動システム(AEB)とラックタイプモーター駆動型の電子制御倍力ステアリング装置(R-EPS)を搭載した。マンド技術力が適用されたEQ900は、米国道路安全保険協会の前方衝突評価で世界初の全項目満点を受けた。マンドがハイレベルの自律走行技術力を確保したのは、オーナーとCEOが未来自動車の技術開発に「選択と集中」をした結果と評価されている。マンドは既存の自動車のシャーシに先端IT技術を融合させるために、自律走行関連ソフトウェア企業を買収・合併(M&A)する計画だ。スタートアップや中小企業を対象に、買収候補に乗り出すところを検討していることが分かった。

テスラが自律走行共同開発パートナーとしてマンドを指摘したのには、迅速な意思決定と柔軟な顧客対応サービスも大きな役割を果たしたものと分析される。マンドは昨年5兆2000億ウォンの売上を上げた国内最大の自動車部品メーカーだが、ボッシュ(売上高442億ドル)などのトップ層メーカーに比べると中堅メーカーに過ぎない。強力なオーナーシップと小規模組織は、意思決定と顧客対応において、競合他社が届かないスピードを出している。自動車業界では、外国の1自動車部品メーカーが4~5年かかることをマンドは、2~3年以内に解決するという評価を受ける。顧客のさまざまな緊急ニーズをカスタマイズで柔軟に提供するという点も強みだ。最先端技術の主導権を奪われたくない後発走者テスラの立場からマンドのような「スピーディな」韓国部品メーカーを好んだことだと伝えられた。

国民大学自動車融合大学長のキム・ジョンハ氏は、「最近、世界有数のIT企業と自動車メーカーが自律走行に数兆ウォンを注ぎ込みながら、2020年には3段階自律走行車が量産されるものと見られる」とし、「マンドが自律走行の核心領域である安全システムにおいてテスラと共同開発パートナーとして参加することは未来自動車産業にとって重要な意味を持つ」と評価した。

現代自動車グループの傘下から抜け出し「マイウェイ」を行くこともマンドには機会となった。既存の自動車モンスターらと乾坤一擲の戦いを繰り広げるテスラの立場からデンソー(トヨタ)、現代モービス(現代自動車)のような自動車メーカー系列会社やデルファイ(GM) 、ビステオン(フォード)のような協力企業とは手を取り合うのは容易ではないという分析だ。
  • 毎日経済 チョン・ボムジュ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-05-23 04:01:02




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