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サムスンはローラーブル、LGは両面…米「SID 2016」で新技術大戦


  • サムスンはローラーブル、LGは両面…米「SID 2016」で新技術大戦
  • < サムスンディスプレイのローラーブルOLED(左)、LGディスプレイの55型両面OLED。>

朝鮮時代を背景にした時代劇を見ると、巻物を広げてその中に書かれた書を読むシーンが出てくる。今後5年以内に、同じような姿を路上でよく見るようになる見通しだ。ただしこの巻物は紙ではなく、電子ディスプレイだ。スマートフォンのディスプレイをぐるぐる巻いて携帯し、必要なときには大きく伸ばして見やすくした画面でネットサーフィンや動画を楽しむことができる時代が近いうちに到来するという話だ。

世界2大ディスプレイメーカーのサムスンとLGは、24日(現地時間)から米国サンフランシスコで開催される「国際情報ディスプレイ学会(SID)2016」に参加して、主要顧客を対象に未来型ディスプレイを事前公開した。サムスンディスプレイがスマートフォンを含む中・小型有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイのさまざまな使い道を見せたならば、LGディスプレイは55型以上の大型OLEDパネルの利点をありのままに示した。

今年のイベントで、サムスンはくるくるとまるめたら直径2センチほどの円柱となる、5.7型のローラーブルOLEDパネルを世界初で公開した。この製品は厚さ0.3ミリ・重さ5グラムと非常に薄く軽量だが、解像度はフルHD級に高い。

ローラーブルOLEDは、次世代ディスプレイの最も発展した形として評価される。巻物のように画面を大きく広げて使用することができるので、ロールスクリーンテレビや画面が2~3倍に大きくなるタブレットPCなど、さまざまな用途に活用することができる。

業界の関係者は、「折りたたみディスプレイであるフォルダーブルを活用した製品は2~3年以内に、ローラーブルディスプレイ製品も今後5年以内に、生活の中に容易に見出すことができるだろう」とし、「スマートフォンをはじめ、PCと自動車など拡張される見込み」だと説明した。

サムスンはバーチャルリアリティ(VR)機器用の5.5型UHD OLEDパネルの試作品も披露した。 VR機器を長時間着用すると、低画質のために残像が生じて頭痛を訴える人が多い。 UHD級は現在のVR機器に主に使用されているQHD級よりもピクセル数が2.3倍ほど多い。 VRの画質性能を大幅に向上させて、VRの大衆化時期を早めることができると期待される。

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  • < サムスンとLGのOLEDパネルの開発歴史 >

大型OLEDパネルが主力のLGディスプレイは、今回のイベントでも77型テレビ用UHD OLEDパネルを展示し、参加者らから好評を受けた。この製品は映画の編集時に使用される、専門家のための製品と同じレベルの色再現率を実現する。コントラストと色の正確さ、視野角などすべての面で現存する最強画質というのがLG側の説明だ。

LGディスプレイは路上広告に活用されるサイネージ用の55型両面OLED製品も披露した。これはディスプレイの前面と背面の両方を広告に使用できるようにした製品で、新しい概念の展示を必要とする顧客らから大きな関心を集めた。

また、LGは簡単に曲がるプラスチックOLEDを採用した12.3型カーブドディスプレイを披露した。ますます大きくなっている車載用ディスプレイ市場を攻略するための製品だ。サムスンもヘッドアップディスプレイ(HUD)とルームミラーなどに活用できる透明・ミラーOLED製品を発売し、将来の市場開拓に乗り出した。

LCD以後は次世代として評価されるOLEDをめぐって、サムスンとLGは異なるアプローチを見せている。サムスンは小型から始めて徐々にサイズを増やしていく戦略を使う一方で、LGは大規模から中小型に拡張する方式の動きを見せている。

サムスンディスプレイは、2007年に日本の京セラを通じて世界初のOLEDを搭載した携帯電話(フィーチャーフォン)を発売して以来、2010年には「ギャラクシーS」にOLEDを採用して、スマートフォン用OLEDパネルの時代を開いた。続いて2014年には、スマートフォンの一端が曲がったエッジディスプレイを通じて新たな可能性を見せ、同年のタブレットPCにもOLEDを搭載して活用度を広げた。

サムスンは今年、OLEDが採用されたノートブックPC製品を初めて披露する予定だ。

5型台のスマートフォンから10型大のタブレットPCを経て15型の大型ノートPCまで、画面を大きく育てたわけだ。中小型で徐々に技術力を確保した後、大規模に移動したこれまでのLCD開発戦略を、OLEDでも活用しているという分析だ。

一方、LGディスプレイはサムスンよりも先に55型・65型サイズのテレビ用OLEDパネルの量産に入った後、最近になって中小型OLEDパネルの開発に注力している。昨年から京畿道坡州(パジュ)と欧米の中小型OLEDパネルの生産設備を拡大し、スマートフォンとウェアラブル、自動車市場などを攻略するために準備している。
  • 毎日経済_イ・スンフン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-05-23 20:42:46




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