トップ > 数字経済 > マーケット > 供給過剰の苛性ソーダの価格、4年ぶりに最高を記録

供給過剰の苛性ソーダの価格、4年ぶりに最高を記録


  • 供給過剰の苛性ソーダの価格、4年ぶりに最高を記録
石油化学業界の供給過剰品目の一つにあげられていた苛性ソーダ(石鹸・洗剤の原料)の価格が急騰し、ハンファケミカルが増産に乗り出している。ハンファケミカルの関係者は17日、「3月から麗水工場で13万トン規模の苛性ソーダ設備の新規稼働を開始する」と明らかにした。供給過剰品目に指定された製品の生産を増やすのは、世界市場での価格が天井知らずに登りあがっているからだ。

苛性ソーダの価格は現在、トン当たり430ドル水準だ。トン当たり425ドルまで上昇した2012年10月以来の水準だ。直前の1年前と比べてみても46%ほども急騰した。苛性ソーダの価格が突きあがるのは、中国をはじめとする世界的な生産量減少の影響が大きい。

苛性ソーダは昨年、政府が進めた石油化学コンサルティングで、合成ゴムやPVCなどとともに供給過剰品目に指定された製品だ。ハンファケミカルは昨年、蔚山の塩素・苛性ソーダ工場をユニド(UNID)社に売却し、「ワンショット法」の優遇を受けた。ユニドに売却した工場の苛性ソーダの生産規模は年間20万トン水準だった。

ハンファケミカル側は「設備の老朽化が進行ん既存の工場に比べ、新工場では効率的な生産が可能となり、原料の需給が容易になって競争力が高まった」と説明した。苛性ソーダはPVCの生産過程で副産物として出てくる。それだけにPVCの生産量が増えれば苛性ソーダの供給量も増えるしくみだ。しかし昨年から環境規制を強化している中国政府が、石炭を活用したPVCの製造にブレーキをかけ始めた。この結果、苛性ソーダの供給が大幅に減少し、価格が上がっているわけだ。国内ではハンファケミカルをはじめ、LG化学やロッテ精密化学などが苛性ソーダを190万トンほど生産している。ハンファケミカルの年間生産量は89万9000トンで、全体の生産規模の48%を占めている。業界では設備の閉鎖が続く状況で、しばらく増設計画がないだけに苛性ソーダの価格上昇は続くと見ている。

世界1位の苛性ソーダメーカーである米国のオリン社は昨年40万トン規模の生産設備を閉鎖した。市場調査機関のIHSによると、2022年までには大規模な生産設備増設計画はない状態だ。

化学業界では政府の石油化学業界の構造調整の品目指定などは、たった1年後も予測できなかったのではないかという批判が出ている。苛性ソーダのほか、ペットボトルの製造などに使用されている高純度テレフタル酸(TPA)も政府が供給過剰品目に指定したが、最近の市況が良くなって当該の企業の収益構造が改善されている。
  • チョン・ウク記者 / 写真=毎経DB
  • 入力 2017-02-19 08:37:56




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア