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LG、スマートフォン用OLEDを本格生産


  • LG、スマートフォン用OLEDを本格生産
LGディスプレイは京畿道坡州(パヂュ)に建設中の新工場「P10」で、スマートフォン用の有機発光ダイオード(OLED)を2019年から量産する計画だ。

この工場は当初、テレビ用大型OLEDディスプレイパネルに集中投資する計画だったが、スマートフォンに組み込まれる中小型OLED分野への投資に優先順位が変更された。

11日、業界によるとLGディスプレイは先週のLGグループ中長期戦略会議で、坡州P10工場で中小型OLEDを製造することにして、投資案を具本俊(ク・ボンヂュン)LG副会長に報告した。投資は第6世代(1500×1850㎜)を月3万枚(6インチ スマートフォンで年間5000万~6000万台)生産する規模で、投資金額だけでも約4兆ウォンに達する。

第6世代のガラス基板一枚を投入すると、スマートフォン用ならば約200台分がとれる。業界の関係者は、「 韓相範(ハン・サンボム)LGディスプレイ副会長(写真)は最近日本を訪問し、キヤノントッキをはじめとする日本の主要機器メーカーに6世代OLEDの生産設備を供給を直接要請した」とし、「この装置は坡州P10に設置される予定」だと述べた。

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LGディスプレイは中小型OLEDへの投資に各主要取引先も参与することを要請している。最大の関心を見せているのは、スマートフォン事業を強化するGoogleだ。最大2兆ウォンの投資を検討していることが伝えられた。 GoogleはLGディスプレイのOLEDとLG化学のバッテリーなどの供給を受け、LG電子がスマートフォンを組み立てる方法を検討している。

LGディスプレイは売上げ全体の30%を占める、最大顧客であるアップルとも長期供給契約を進めている。今秋発売されるiPhone 8にLGディスプレイの製造するOLEDを供給することに失敗したことから、アップルの厳しい品質基準を通過することが急務だ。ただし、長期のあいだ液晶表示装置(LCD)を供給しつつ信頼を築いてきただけに、可能性を継続的に打診している。

LGディスプレイは、じつはこれまで中小型OLED投資に対しては消極的に対応してきた。アップルのWatch用にOLEDを供給したが、第6世代は2015年になって、欧米のE5工場に1兆5000億ウォンを投資した。投資2年めの翌月から、この工場で6世代OLEDを生産する予定だ。 LGディスプレイは稼働が本格化される年末に、年間でスマートフォン3000万~5000万台分のOLED量産システムを備える見込みだ。

問題はE5工場で生産されるOLEDは国産の蒸着装置で製造することから、アップルの選択を得られないことだ。 LGディスプレイはアップルに、Watch用パネルをOLED第4世代(680×880㎜)ラインで供給したことはあるが、第6世代では生産経験がない。それにもかかわらず、第6世代の機器を一度も作ったことのない韓国の中小企業ソニクシステム(Sunic System)と蒸着装置の国産化を試みた。蒸着装置は自ら光を出す有機物を高温で加熱して蒸発させた後、目標部分に正確に密着させる役割を行う。この過程で不良が発生するケースが多いが、これまで日本のキヤノントッキのみがこれを克服し、第6世代の蒸着装置を独占してきた。けっきょく既存の機器を使用した中国のBOE(京東方科技集団)よりも、LGディスプレイが第6世代で遅れた理由がここにあるという分析だ。

LGディスプレイはこの状況を打開するために今年の初め、坡州E6工場にキヤノントッキの機器を採用しようと注文した。この工場の稼働時期は来年の上半期だ。 2019年の上半期の稼働を開始するP10も、国産機器の代わりにキヤノントッキの機器で正常稼動時期を早める計画だ。

LGディスプレイがOLEDの量産に困難をきたしているあいだに、サムスンディスプレイは第6世代のA3工場に10兆ウォン以上を投資して、大量生産システムを確固たるものにした。サムスン電子のフラッグシップスマートフォン「ギャラクシーS」シリーズに搭載を拡大し、続いてアップルにもOLEDを供給する予定だ。現在の市場シェアは95%に迫る。 LGディスプレイは量産が遅れたあいだに、中国BOEにもややもすると追い越される態勢だ。 BOEは先月11日、「第6世代工場でOLEDの生産を開始した」と発表した。

中国メディアは「当初のスケジュールを前倒しにした」とし、「中国産スマートフォンはもはや韓国に依存しなくてもよい」という記事を吐き出した。

LGディスプレイとBOEが中小型OLEDを量産して、今年末からサムスンの独走は終わり、3つの企業が競争構図を形成するという見通しも出ている。 LCDでの競合他社であったシャープとジャパンディスプレイは、OLEDの投資時期を完全に逃して競争から除外された形だ。

業界関係者は「サムスンディスプレイに続いてLGディスプレイとBOEが市場に参入し、本格的な競争が始まるだろう」とし、「現在としては1強体制を固めたサムスンディスプレイのほかに、韓・中メーカー間の技術競争でどこがリードしていると評価できる根拠がない」と語った。
  • 毎日経済 イ・ドンイン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-06-11 19:06:58




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