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数字経済 > マーケット > 韓国の大型マート、深刻な消費不振にセールまたセール
下半期に入るやいなや、大型マート発「爆弾セール」が続いている。7月3日からイーマートとロッテマートが、生活必需品とバカンス用品などを最大50%割引するセールに突入しており、ホームプラスでも割引行列に加えた。「半額」は基本だとばかりに割引幅は大きく、割引品目も増える。セールは特別なイベントではなく、年中の営業方式になったような格好だ。
ホームプラスは来る17日から全国139店で4週間、1万品目を最大70%割引販売すると15日、明らかにした。割引商品は生鮮・加工食品、生活用品、ファッション、家電製品まで、全商品群にわたって4000億ウォン規模に達する。マートに入店したファッション店やレストランも割引に突入し、インターネットショッピングモールで購入すると、追加の割引クーポンまで贈呈する。ホームプラスの関係者は、「毎年一回、創業記念日にあたって繰り広げる大型割引イベントとほぼ同様の規模」だと語る。
以前の「在庫処理」を連想させるようなこのような爆弾セールは、「いくら呼んでも来ない客」を呼ぼうとする、流通業界の苦肉の策だ。ホームプラスの今年上半期の売上げは、昨年の上半期よりも4.2%減少した。6月には売上成長率がマイナス5.8%を記録し、今年に入って下落幅が最も大きかった。
天候やワールドカップも、夏の商売を大きく助けることはなかった。4月から夏季製品を前倒しして売ったが、肝心の真夏でなければならないはずの6月は、昨年よりも平均気温が1.5度以上低かった。
ホームプラスではエアコンや扇風機の売り上げが、昨年の6月よりもそれぞれ22.5%と18.4%下落した。セウォル号以来、登山やキャンプあるいは水遊びの需要が急減して、キャンプや水遊び用品の売上も後退した。
ホームプラスの関係者は、「ずっとマイナスだった実績がプラスに転じることは難しいが、消費が沈滞し、大型マートの休業政策のために週末の買い物客も減り、割引イベントを行わずにはいられない状態」とし、「‘大型マートに行けば安く買える’という認識を植えて、途絶えていた客足が来るようになる効果を期待する」と語った。
大型マートの、利益を削って割引幅を大きくするような劇薬処方は、売上げに一瞬キラリと役立つが、全体的な消費不振を打開するにはまだ力不足だ。ロッテマートでは先月26日から16日までの3週間、通常のイベントに比べて3~4倍大きな超大型割引イベントを行ったが、イベントの実績はマイナス1.9%を記録した。イベントのなかった昨年の同じ曜日よりも、むしろ売上が減少したのだ。一部の品目の売上げは増加し、6月(マイナス3.3%)より業績は改善されたが、昨年よりも良い実績にはつながらなかった。
ロッテマートのピョン・ヂヒョン マーケティング戦略チーム長は、「超大型割引イベントを通じて逆伸長幅は減らしたが、依然として一部の項目を除けばマイナス伸長」とし、「日曜日休業店舗の増加したことが最も大きい原因」と語った。イーマートが3日から進行中の生活必需品セールイベントの売り上げも、14日までのところはセールがなかった昨年の同じ期間よりも0.1%減った。
百貨店のサマーセールは状況が若干良い方だ。ロッテ百貨店は、先月27日から今月14日までのサマーセールの実績を中間集計した結果、昨年のセールよりも売上げが6%(既存店ベース)増加したと明らかにした。史上最大の景品額をかけた「10億景品」は、17日めで180万人が応募した。
同じ期間、現代百貨店と新世界百貨店は、それぞれ4.5%ずつ売り上げが増えた。ロッテ百貨店のキム・サンス マーケティング戦略チーム長は、「集中豪雨が降った昨年とは異なり、今年はセール期間に雨が降らない日が続き、売上げに役立っている」と語る。とは言え、セール期間中に10%前後の売上げ成長があった例年の経験と比較すると、依然として低調だ。