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数字経済 > 企業 > ああ昔日よ...韓国初の高級ウイスキー「インペリアル」売却
韓国初の高級ウイスキーとして一時は国内の洋酒市場でシェア1位を占めていたインペリアルが新しい主人をさがす。
17日の投資銀行(IB)業界によると、フランスに本社を置くペルノ・リカールSAは最近、JPモルガンを売却諮問社に選定して、ペルノ・リカール・コリアインペリアルの株式100%に対する売却を進めている。ペルノ・リカールは複数の財務的投資家(FI)と戦略的投資家(SI)に買収提案を送り、売却額は600億~800億ウォン規模と伝えられた。
あるIB業界の関係者は、「国内ウイスキー市場は過去よりも沈滞したことはしたがインペリアルのブランド価値は高く、関心を示す投資家はいると聞いている」と語った。潜在的なSI買収者の候補としては「スコッチブルー(Scotch Blue)」を所有するロッテ酒類や、酒類のポートフォリオを拡大している新世界グループ、ハイト進路などがあげられる。
ペルノ・リカールは世界2位のウイスキー会社だ。「バレンタイン」「ザ・グレンリベット」「アブソルート」など、ウイスキーとウォッカのブランドを所有している。 2000年に「インペリアル」を所有している進路バレンタインを買収し、韓国に進出した。
ペルノ・リカールは、韓国に進出した以後はインペリアルを生産・販売する法人を別途の会社として維持し、以前にも売却説が流れ出たことがある。ペルノ・リカールの国内法人は、輸入ブランドを販売しているペルノ・リカール・コリアと、「インペリアル」を生産・販売するペルノ・リカール・コリアインペリアルの2社に分かれている。
国内ウイスキー市場はバーなどで主に販売されている「インペリアル」「ウィンザー」「スコッチブルー」などのローカルウィスキーや、主に高級バーで消費される輸入ウイスキー市場に区分される。ローカルウイスキーは英国スコットランドから原液を国内に持ち込んで瓶詰めする「国産」で、韓国だけで流通している。一方、「バレンタイン」や「座・グレンリベット」などの輸入ウイスキーは、世界のどこでも販売されるグローバルな製品だ。ペルノ・リカールが今回売りに出したのは、ローカルブランドのインペリアルだ。インペリアルは1994年に出荷された国内初のプレミアムスコッチウイスキーで、一時は韓国のウイスキー市場で1位を占めていたブランドだ。今では「ウィンザー」と「ゴールデンブルー」に続いて3位を占めている。
ローカルウイスキー市場は、国内の酒に対する消費文化が変わって徐々に縮小し、関連する各企業は継続して構造調整を行っている。
「ウィンザー」を前面に出して国内ウイスキー市場シェア1位を占めているディアジオ・コリア( DiageoKorea)は、昨年7月に大々的な構造調整を実施した。ウィンザーが不振に陥って売上げが継続して減少するやいなや、ソウル市清潭洞の旗艦店の閉鎖と同時に希望退職を実施した。2000年代の初頭までに成長を続けて、一時は年間売上げ5000億ウォンを突破したディアジオ・コリアだが、昨年の会計年度(2017年7月~2018年6月)の売上げは3035億ウォンにとどまった。また2016年には世界第3位の酒類メーカーであり、世界1位のラム酒ブランドのバカルディが国内に進出して10年めに、韓国法人であるバカルディコリアを清算した。
酒類業界によると昨年、国内のローカルウイスキーの出荷量は149万2459箱(9リットル=500ミリリットル18ボトル基準)で、前年の159万1168箱から9万8709箱(6.2%)減少した。これは2009年から10年連続で減少したものだ。
一方、輸入ウイスキー市場は「ホンスル」文化とバー文化が拡大し、ゆっくりした速度だが成長し続けている。ペルノ・リカールは市場が縮小しているインペリアルを売却し、既存の自社のグローバルブランドは維持したいわけだ。昨年(2017年7月~2018年6月)、輸入ウイスキーを販売するペルノ・リカールコリアは売上げ1038億ウォンと当期純利益171億ウォンを記録し、前年比で小幅に増加した。一方、ペルノ・リカール・コリアインペリアルは昨年は売上げ820億ウォンを記録し、前年の998億ウォンよりも大幅に減少した。当期純損失は35億ウォンを記録した。
ウイスキー業界のある関係者は、「国内のローカルウイスキー市場が持続して縮小しているという点は、インペリアル売却には否定的な要素」だとし、「しかし価格が十分にひくければ、書いては現れるだろう」と説明した。
最近、ウイスキー業界は度数の低い低度製品を出荷し、反騰への期待感が高まっている点も肯定的な要因だ。日本では炭酸水とウイスキーを混ぜて飲むハイボールの人気が高まり、ウイスキー市場は供給不足の事態を迎えたこともある。