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コラム > FOCUS > 尹錫悦大統領、韓国企業と共に新たな約束「半導体・AI・バッテリー・バイオで超格差」
尹錫悦大統領が就任とともに財界と最初の出会いを果たした。大統領当選者の時から企業再生のために行動を続けてきた尹大統領が財界に対する積極的な支援意思を示し、これに対して財界は投資拡大と雇用創出の意志で応えた。
10日、ソウル中区(チュング)の新羅ホテル迎賓館で開かれた大統領就任祝いの晩餐に李在鎔サムスン電子副会長をはじめとした5大グループのオーナーと6大経済団体長などが招待された。歴代大統領就任の晩餐会に大手企業のトップが含まれたのは今回が初めてだ。
新政府は3日に110の国政課題を発表し半導体、人工知能(AI)、バッテリーなど未来産業の「超格差」確保を提示した。
これらの産業は、ほとんど5大グループの未来成長動力と重なる。同日の晩餐会では財界が具体的な投資・雇用計画を明らかにしていないが、近いうちに別途の出会いを通じて財界の声を尹大統領に伝えるものと予想される。
「財界の長兄」のサムスンは、すでに尹錫悦政府時代に進行する240兆ウォンの投資計画を昨年、発表したことがある。核心は半導体とバイオ、AI、次世代通信など戦略事業の主導権を確保するため投資を拡大するということだ。全体投資金額のうち180兆ウォンは国内に投資される。雇用においてもサムスンは今後3年間4万人を直接採用する計画だ。
新政権発足とともにサムスンが最も期待している部分は李在鎔副会長の赦免だ。釈迦生誕日の赦免は失敗に終わったが、8月の光復節に赦免を期待している。李副会長の赦免に対しては最近、韓国社会世論研究所(KSOI)がTBSの依頼で実施した世論調査で回答者の70%ほどが賛成しており世論も友好的だ。李副会長は今月20~22日に予定されたジョー・バイデン米大統領の訪韓の際、尹大統領に再び会うものと予想される。バイデン大統領がサムスン電子半導体工場を見学する日程を計画中だと知らされたが、この時、李副会長が工場を案内し尹大統領も日程を共にするだろうと観測している。
SKも新政府が念を入れる領域であるバッテリー・バイオ・半導体(BBC)に対する投資を強化するものと見られる。これに先立ちSKグループは2012年にSKハイニックスを買収してから10年間、工場増設などに46兆ウォンを投資した。また、龍仁(ヨンイン)半導体クラスターに工場4か所を建設し120兆ウォンを投資する計画だ。今月、龍仁半導体クラスターの着工式が開かれる可能性が高いが、SKはこの行事に尹大統領を招請するために東奔西走することが分かった。
大韓商工会議所会頭を兼ねている崔泰源SK会長は新政府の主要国政課題に盛り込まれた「2030釜山(プサン)万博誘致作業」にも本格的に乗り出す見通しだ。
現代自動車グループはエコカーの普及を拡大するという新政府の国政課題に合わせて電気自動車の普及拡大により速度を上げるものと見られる。現代自動車グループは今年のアイオニック6や来年のEV9などの電気自動車のラインナップを拡大し米国に電気自動車専用工場を新設する計画を推進している。
また、前政権で解決できなかった現代自動車グループの支配構造改善にも関心が寄せられる。
LGグループも尹錫悦政府が未来戦略産業に指定したバッテリー、ディスプレイ、AIなどに対する投資を強化している。グローバルバッテリー1位を争っているLGエネルギーソリューションは今年初め、米国最大の自動車メーカーであるGMと電気自動車バッテリー合弁第4工場を追加で建設することにするなど米国市場で影響力を拡大している。
ロッテの当面課題は流通と石油化学中心の事業ポートフォリオをバイオ・ヘルスケア中心に再編することだ。ロッテは創立55周年にバイオ・ヘルスケア企業への大転換を公開的に明らかにし尹錫悦政府の任期5年間の新規投資と買収・合併(M&A)を活発に進行するものと展望される。
同日の晩餐会に出席した経済団体長たちも尹錫烈大統領就任による規制改革政策に強い期待感を一斉に示した。彼らは韓国経済が成長動力を回復できるよう規制・労働・公共・教育など各種の改革課題解決に大統領が積極的に乗り出すことを期待している。