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カルチャー > カルチャー > [大韓民国画家 ③] ベルサイユ宮殿に出退勤する作家イ・ウファン
李禹煥(イ・ウファン、1936~)の彫刻は17世紀ベルサイユのバロック庭園をデザインした当代最高の庭園芸術家アンドレ・ル・ノートルの300年前の光景をまったく壊さないまま、その人工的な完璧さを自然に置換させた。2008年からジエフ・クーンズ、村上隆など、毎年世界的な現代美術作家1人の輸血を受けてきたベルサイユ宮殿が今年は78歳の老作家イ・ウファンを選択した。
6月17日から開かれた『李禹煥:ヴェルサイユ』展では産業化の産物である「鉄板」と長い歳月自然の痕跡が刻まれた「石」をひとつの場所に配置させ、関係(Relatum)が見せてくれる開かれた構造に注目する彼の習慣が現れる。高さ12m、長さ30mの鉄板は宮殿を背景にまるで巨大なアーチのように曲がっており、これを支えている石はあるがままに物性を現しながらも意味を再誕生させる。
最小限の介入を通じて作品を作ることは西欧ミニマリズムと似ているが、事物に対する美しさと余白の世界を仲介する役割にとどまるという点は多分に東洋的だ。画家が彫刻家である以前に作家であり、批評家でもあるイ・ウファンの作品を解析するには「哲学」が必要だ。展示を企画したポンピドゥーセンター国立現代美術館のアルフレッド・パックマン前館長は「今回の展示で彼は同時代の美術の代表走者として安着するだろう」と明らかにした。
イ・ウファンはベルギーの王立美術館、ベニスのパラッツォ・グラッシ、ニューヨーク現代美術館など、世界の主要美術館で多数の個人展とグループ展を開いたことがある。2011年グッゲンハイム美術館で回顧展『李禹煥:無限の提示』を開催し、2014年ベルサイユ宮殿で大規模な彫刻展示を開いた。